第22話 愛の約束
その日の夜。
「会った時から気付いていたけど、髪戻したんだね。前よりも明るくなってる」
「卒業もしたし自分の人生だし自分の好きなようにしてるだけ」
「そっか」
「お前は変わらないけど、でも一気に老けたんじゃね?」
「失礼だな!…まあ…色々大変だったから老けたかもね」
「クスクス…認めるのかよ!」
「だって…」
キスする優矢。
「どんなお前でも、お前はお前だから」
ドキン
「優…」
キスをすると洋服を脱ぐ優矢。
「えっ!?ちょ、ちょっと…」
私は目を反らす。
「何?」
「どうして脱ぐかな?」
「それは、愛し合うから」
「えっ!?昼間したじゃん!」
「好きな女性(ひと)と一緒にいるのに何もないの寂しいじゃん」
「いやいや、それだけじゃなくても、まったり過ごすとか…」
「俺は一日中愛し合ってたいけど?」
「い、一日中って…」
洋服を脱がされる。
「優…」
キスをすると、深いキスをする。
「じゃあ…藍花は、その気なさそうだから俺がその気にさせてやるよ。何処まで我慢出来るんだろうな?」
そう言うと、首スジに唇を這わせ徐々に進めていきながらも私の身体に触れていく。
私の身体は徐々に熱を帯びていく。
「…優…矢…」
「…何?」
「…ううん…」
「何だよ?何か要求?」
「…バカ…要求ってないから」
「ねーの?」
「あるわけ…」
キスをされると何度も深いキスをされる。
「まだまだ時間掛かりそうだな」
「…そんなの…ねえ…優矢…お嬢様とはどうなったの?母親には許可貰えたの?」
「えっ?こんな時に聞く事?」
「…ごめん…いや…気になって…」
「俺がお前の事、身体だけの関係じゃないかって?」
「違うって分かってるけど…色々ありすぎて月日も経ってるから…一瞬…」
「………………」
「…ごめん…」
グイッと私の両肩に力がこもり熱が貫いた。
私は声が洩れてしまった。
「色々考えてるけど、身体は正直♪」
「…ば、バカ…」
「安心して良いから。今度会う時は良いお土産話を持って来るって言ったし、お前を迎えに来た。でなきゃここに来てる意味ねぇから」
ドキン
「……………」
「もう何の心配ねぇよ…藍花…」
私は優矢に抱き付くようにすると、優矢は私に体重を掛けると耳元で囁く。
ドキン
『愛してる…結婚しよう』
そう言われた。
見つめ合う私達。
「藍花は…俺の結婚相手だから何も心配いらねぇよ。ちょっと待ってな」
貫いた熱が一旦離れ、声が洩れてしまう私。
身体か疼く。
頭がおかしくなりそうだ。
左手を握る優矢。
すると、私の左手の薬指に指輪がはめられた。
ドキン
「婚約指輪…こんな形もおかしいけど改めてキチンと渡す…取り敢えずはめて実感しな。つー事で再開♪」
そう言うと一気に私の身体に熱を貫いた。
私は声が洩れてしまう。
「…優矢ぁ…」
私は優矢に抱き付く中、甘くて熱い吐息が洩れ、私達の吐息が交ざり合う。
私達はお互いを求め合うように、何度も愛し合い熱い夜になったのは言うまでもない。
「藍花、さっきの話はマジな話だから、一緒に戻らねぇか?」
「えっ?それは…」
「まあ、すぐには無理か…。でも、いつでも迎え入れられるように色々一緒に準備したい所だけど」
私の頬に触れる優矢。
ドキン
「お前の事を改めてキチンと紹介して、お嫁さんとして妻として…一緒に人生歩む相手だって…」
「…優矢…」
グイッと引き寄せ抱きしめた。
「一緒に連れて帰りたいけど…あっ!」
「何?」
「いや…何でもない」
「えっ?何?気になるじゃん!」
「気にするな」
抱きしめた体を離す。
「それより、衝撃的な話聞いてくんね?」
「えっ!?何?」
「お嬢様海外に行ったんだけどさ、行く前に飛んでもない事言って来たんだぜ?」
「何?実は妊娠してましたのって?」
「いや、それは流石にない!安心しろ!お前に関する事だから」
「えっ!?私!?」
「そう!藍花さん可愛い方ですわね?あの方ともっと仲良くなって私の彼女にしたかったですわって…どう思うよ?」
「えっ…?えええーーっ!私の事、相当意地悪してたじゃん!」
「お嬢様のやり方らしい」
「何それ…優矢にベタベタしておきながら私達の邪魔していたんじゃ…」
「それも一理あるけど」
「あの時、マジ辛かったんだからっ!」
「…………」
「話せないし、一緒にいれないし…こっちに来た時も不安ばっかで時間あったら、いっつも優矢の事ばっか考えて…」
両頬を包み込むように触れる。
ドキン
「お前がこっちに来て、両家と話し合ってすぐに別れた。その直後、お嬢様は転校して、すぐに海外に行った。その後は俺が母親と話し合い、お前との交際を認めて欲しいって…」
「…………」
「母親は、お前の家庭環境の事を話してきた。だけど…様子を見る事にしていて…お前の知らない所で母親は手を打ってこっちに見張りを頼んで状況を把握していたようだ」
「えっ!?監視されてた?」
「ある意味、そうなるな」
「全然気付かなかった」
「気付かれないようにしていたみたいだからな。だけど、お前が元気に過ごして他に男作ってたらどうしようって考えた」
「学校行ってなかったからね」
「行ってなかったというより行けなかったの方が正しいんじゃねーの?」
「そうだね…」
「だけど行ってたら絶対男出来てた」
「大丈夫だよ。私は優矢だけだし」
「口では簡単だし!」
「心配しすぎだから」
「その位で丁度良いから」
「そう?」
「そうだよ」
私達は愛し合い、二人の時間を過ごすのだった。
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