第23話 誓い

次の日。



「優矢、いつまでこっちに?」


「決まってないというより決めてない。正直一緒に連れて帰りたい所だけど」


「えっ?優矢…」


「それより、ちょっと付き合ってくんね?」


「今から?」


「そっ!」




私は優矢に連れられ外出した。



「優矢…何処に行くの?」

「ちょっとな」



向かった先はとある建物だ。


中に入り、とある部屋に案内される。



「お願いします」



優矢が言った。




「えっ!?」と、私が言う中



部屋には数人の女性の人。



「優矢は?」

「俺、別の部屋」

「別の部屋?」

「そっ!後でな」




そう言うと頭をポンポンとして私だけを残し私の前からいなくなる優矢。




「あの…」

「好きな衣装(ドレス)を選ばれて下さい」

「えっ!?好きな…衣装(ドレス)…ですか?」

「はい」




奥の部屋から沢山のドレスが洋服掛けラックがカラカラと音をたて出てくる。




「えっ!?これって…」



まさかのウェディングドレスだ。


私は衣装を見る。



「可愛い〜」




私は一つの衣装を手に取る。





そして―――――



挙式場に行くとタキシードを来ていた。



「やっぱり俺が選んだ女だな…すっげぇ似合ってる」




ドキン



「…優矢も…カッコ良いよ。似合ってる」

「当たり前だろう?お前の婚約者なんだから」

「どれだけの自信なの?」




スッと腕を出す優矢。



「さあ、お姫様どうぞ」



私は優矢の腕に自分の腕を絡めた。


私達は一歩ずつ進む。


二人だけの挙式を挙げ愛を誓う。



「順番は逆になったけど、お前は俺の奥さんだから堂々としていて良いから」


「…優矢…うん…」




それから1ヶ月間は二人で過ごす中、片付けをする。


私の荷物はほとんどないし、家の中を片付けただけだけど、私はこっちの家を後に、優矢の屋敷に行く事にしたんだけど……





「優矢、やっぱり突然過ぎるし…」

「大丈夫だから。キチンと報告してるから」




そして――――




「優矢様、藍花様お帰りなさいませ」

「ただいま」

「…た、ただいま」

「母親は?」

「大奥様なら自分の部屋でお茶されてます」

「そうか。分かった。ありがとう」



私達は優矢の母親の元へと向かう。




コンコン


ドアをノックする優矢。



「はい」



部屋から女性の声がした。



カチャ


部屋のドアが開く。



「どうぞ」



私達、二人を部屋に入れる。




「おかえりなさい。優矢、藍花さん」



普通に迎え入れてくれたようにも感じた。





「藍花さん、生活環境になれるまでは色々と大変かもしれませんが、執事や使用人、お手伝いさんには気軽にお申し付けして構いませんからね」


「は、はい…」




《色々と嫌がらせされたのが嘘みたいなんだけど》




「今日からお世話になります」


「こちらこそ宜しく。今日は疲れたでしょう?部屋は用意してありますから使用人に案内して貰って、ごゆっくりされてて」


「は、はい」


「優矢は、藍花さんを部屋に連れて行かれましたら私の所に来て貰ってよろしいかしら?」


「分かった」



私達は、部屋に移動する。





「…ベッド広…」

「夫婦だから、海外とかじゃ当たり前だけど」

「えっ!?いやいや…」

「それでは失礼致します。御用がありましたら気軽に、お呼び下さい」

「ああ」




お手伝いさんは部屋を出て行く。



フワリと抱きかかえられ、二人でも広いベッドに乗せられ、私の上に股がる。



「ちょ、ちょっと優…」



キスをされ深いキスを何度もされる。




「……………」



見つめ合う私達。



ドキドキ胸が加速する中、




「母親の所に行かなくて良いなら良かったのに」

「何言ってんの?駄目だよ」

「はいはい、分かりました。奥・さん」




ドキッ



優矢はキスをし私から降りると部屋を後に出て行く。




私は、ぼんやりとする中、いつの間にか眠っていた。



そして、ふと目を覚ます。


バッ


「ヤバ…いつの間にか寝てた…」




カチャ



部屋のドアが開く。




「藍花、目覚めた感じ?」

「優矢…うん…。…ごめん…私…いつの間にか眠ってたみたいで…お義母さん、呆れてたでしょう?」

「大丈夫」

「本当?でも…」




私の隣に腰をおろす優矢。




「藍花、無理しなくても良いから。自分のペースでゆっくり環境に慣れれば良い」


「そうかもしれないけど…」


「お前、無理するから」


「そんなつもりは…」


「隠してもバレるから。数年の付き合いの俺達の間柄、何度もそういうお前の姿、見てきた。でももう一人の問題じゃなくて二人の問題だから。だって俺達は夫婦なんだから」


「優矢…うん」




私達はキスをした。




次の日。


パーティーが行われた。


その日の夜も更けた頃、パーティーも終わり、私達は部屋でゆっくりとしている時だった。



「今日は疲れたろう?」


「うん…でも大丈夫だよ。環境に慣れなきゃいけないから。一日も早く尾田桐家に馴染まなきゃならないからって思ってるし」


「無理しなくても良いから」


「うん。無理しないようにするから」


「ああ」



私達はキスをする。




「今日はもう寝な」


「うん…」




とは言ったものの正直、眠れない。


ベッドの上でゴロゴロしていると、それに気付いたのか



「眠れないのか?」


「うん…ごめん、起こした?」

「いや」

「そう?優矢寝たいよね?ごめん」

「散歩でもするか?」

「散歩?」

「そっ!それとも…」




グイッと抱き寄せキスをすると深いキスをした。



「………………」



「うわ…何だよ…その顔…反則…」


「えっ?何かおかしかった?」


「いや…おかしいとかの問題じゃなくて可愛すぎだから」


「えっ!?か、可愛い!?」




バッ



私は押し離しベッドからおりる。




「さ、散歩行って来る!」

「一人で行くなよ」



私達は騒ぐ中、屋敷を出ると、屋敷内の広い敷地内を散歩する。




その途中――――



私は何かにつまづき転びそうになる。




「うわっ!バカっ!何してんだよ。危ねーな」


「ご、ごめん…」



「…………」




至近距離に私の胸は大きく跳ね、慌てて押し退ける。




「ご、ごめん…気を付ける」



「………………」



私は足早に歩き出す。




「あっ、おいっ!待てよ!なあ、どうかした?」

「えっ?」



私の手を掴むと呼び止められた。



ドキッ


 


「いや…様子おかしいなぁ〜と思って」

「様子?えっ?そうかな?」

「そうだって」





正直、自分でも分からない。


恥ずかしい話、私の身体が優矢を求めてる。


こんな事ってあるのだろうか?


男の人が…というのは別に不思議ではないけど、私自身、今までにない感覚に戸惑う中、女性が??と思ってしまう。


自分から誘うとか、そんな事って…こんな事、優矢に言える訳がない。


きっと言ったら引かれるかな?とか色々と考えてしまう




「…ねえ……優矢……も、もしだよ」

「何?」

「…もし、私が……したいとか言ったら…?」

「えっ?」



「………………」



「したい?何を?」


「…や、やっぱり何でもない…私の身体がおかしいのかも…」


「身体?…Hしたいって事?」



「………………」



「えっ!?そうなの?」


「いや…身体が優矢を求めてるっていうか…ごめん!やっぱり良いっ!は、恥ずかしいから!ていうか…そんな事は…」




私は掴まれた手を離そうとすると、抱き寄せられた。




「別に良いけど?むしろ嬉しいかも」

「えっ!?」

「夫婦なんだから正直に言って貰って良いから」

「優矢…」

「遠慮すんなよ。男も女も関係なく、そういう気持ちになるのはあるから」



抱き寄せた体を離すと、キスをし、オデコ同士をくっつける。



「部屋、行くか」

「う、うん…」




私達は部屋に戻ると、お互いの洋服を脱がし合うと下着姿になった私を抱きかかえるとベッドに乗せた。


いつになく優しい眼差しで見つめる私。


私の胸はドキドキ加速する。



「藍花」

「…何」

「お前のその気持ちマジ嬉しい。俺を求めてくれてんだって…」

「優矢…」



私は優矢の両頬に触れる。



「でも…女の人からそんな事言えないし…こんな気持ちになった事ないから何も分からなくて…」


「お前は何もかも初めてだからな。それを知った俺って案外、特権かもな」




優矢は私のキスをすると顔を首に埋める。




ドキン


優矢は、囁いた。



『新鮮過ぎてヤバイかも…』




私達は身体を1つに重ねた。





「愛してる…。藍花…。これからも恥ずかしがらずに遠慮なく言って貰って良いから」


「優矢…うん…」


「夫婦なんだから。そのうち子供もつくらなきゃならないからな」


「…うん…そうだね…」































































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