第13話 引き換え
私達は、気持ちが1つになり、身体を重ね愛し合った。
「良く眠ってる…」
スッ
私の髪に触れ、私を優しい眼差しで見つめキスをした。
「…優…矢…?」
「悪い…起こした?」
「大丈夫…。優矢に話さないといけない事あるんだ」
「何?」
「…小切手…」
「…小切手…?」
「…見たんでしょう?」
「…ああ…まあな…。お前が突き放して距離を置こうとしている理由が、すぐ分かったよ」
「あれ…優矢の母親と婚約者が私に渡したやつなんだ…優矢に二度と近付かないでって事含めてなんだと思う…」
「そんな事だろうと思ったよ。やり方汚ねーからな」
「私…優矢をお金で引き換えなんてしたくなかった…」
「言わなくても分かってる」
「…優矢…」
「俺が選んだ女だから他の女ならやり兼ねねぇけど、お前は絶対に違うって」
「…お金で人の気持ちとか済ませるなんて簡単なものじゃないのに…」
「そうだな…。…藍花…」
「何?」
「これから色々あるかもしれねぇけど、俺の事、何があっても信じて欲しいんだ。多分…色々と仕掛けて来るの目に見えてる」
「…優矢…」
「だけど、どんなに邪魔が入っても俺達は離れてはいけないと思う。お互いの想いが大切だって…愛し合ってるからこそ絶対に失いたくない存在だから」
「…うん…分かった…。…だけど…耐えれるかな?」
「えっ?」
「…多分…私達が関係を持った事聞いたら大変な事になりそう」
「なるだろうな。だけど…それが現実だからな。俺達の仲を引き裂くつもりで色々仕掛けてくるのが尾田桐家だからな」
「やっぱり…辞めておけば良かったかな…?」
グイッと肩を抱き寄せると髪にキスをし、頭を凭れかけさせた。
ドキン
「…優矢…。…でも…私は諦めないよ。だって優矢の事マジだから。…だけど…心折れそうになったら…?」
「全部吐き出しな」
「えっ?」
「自分の想いを全て俺に言いな」
「…優矢…」
「俺が全部受けとめるから。お前が辛いとか嫌だって思う事、俺に全部(すべて)正直に隠さず話して欲しい」
私を抱きしめキスをする優矢。
「お前の悲しむ姿は見たくねーから。好きな女くらい守らねーと…。だから、お前は何も心配しなくても良いから。俺の傍にいな」
「…優矢…うん…」
優矢は優しい眼差しで見つめるとキスをし、すぐに唇を塞ぎ更に深いキスを何度もし、私をぎゅうっと抱きしめた。
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