第12話 溢れる想い

体の関係になりそうになった私達。


抱きしめた身体を離す優矢。



「俺を突き放して打てば良かったじゃん…」

「…いよ…」

「えっ…?」

「出来ないよ…」

「…藍花…」



「……………」



「…ごめん…お風呂入ってくるから…その間…帰ってもらえる?」


「…分かったよ…」




私は、脱衣場に行った。



だけど…本当は一緒にいたいと思った。


でも、あのまま、関係持つ事には抵抗があったけど…


後悔はしたくなくて、

優矢が好きだから、1つになりたくて……



「……………」



シャワーでお風呂を済ませ脱衣場にあがると、洋服が無い事に気付いた。



「…そっか…そのまま…来ちゃったんだ…」



私は、バスタオルを身体に巻くようにすると、脱衣場を出た。





次の瞬間――――



両手を掴まれ壁に押し付けられた。



至近距離にある顔に私の胸は大きく跳ねる。



「…優矢…どうし…」

「チャンス逃したくねーんだけど…」

「えっ…?」

「お前の本音聞かせろよ!どうして突き放さなかったんだよ…藍花…」



「……………」



「…藍花…お前の気持ち聞かせてくんねーか?」

「…私は…優矢が…きだから」


「…………」



「私は…あんたが好き…んっ!」



言い終える前に唇が塞がれるのと同時にパサッとバスタオルが床に落ちた。



「藍花…それに応えてやるよ」

「えっ…?」




キスをされ深いキスをされ、唇が身体全体を這う中、私を抱きかかえ、お姫様抱っこをすると私をおろし、両手を押さえ股がる。



ドキン



「俺だけの女にしてやるよ藍花…」

「待っ…」



キスで唇を塞ぐ。



「待てるわけねーじゃん…話したい事あるなら言いな。聞いてやるから」



「……………」



「だったら俺から話す」

「えっ?この体勢で?」

「辞める気ねーし」



ドキン



「俺は今まで近付く女、お金目的ばっかで、今まで何度も騙され続けて正直、だから女って信じらんねぇって…」



私の身体に触れながら話す優矢に甘い吐息が洩れる中、



「…私は…あんたがお金持ちなんて知らなかった…。…だから…あの時…優矢に優しくされて身を委ねそうになった…。…だけど…関係持ったら逃げられない…って」


「…藍花…」


「後悔するだけで…私から離れていくって…そうなるのが…こわかった…」


「俺は…お前にも正直疑って掛かってた。だけど…お前は俺の環境知っても全然変わんなくて…様子見ながらも過ごして来たけど…本音でぶつかってきてるし…」



「…優…矢…」



「そうしたらお前の事…いつの間にか好きになってた…。好きな女目の前にして抱かないのって後悔するだけだろ?」


「えっ…?優…」


「俺に全て委ねろ!藍花…俺もお前に全て委ねるから…。藍花…俺を…俺だけ…信じて…俺だけ見てろ!」



そう言うとキスをし深いキスをする。



「…でも…」


「相思相愛じゃん。お前は今後の事が引っ掛かってんだろう?」



私はゆっくり頷いた。



「俺…お前の事マジになりそうって言ったように、今はお前の事マジだから…。藍花…今、ここで俺の女になった方が良い…いや…なって欲しい…」



何度も繰り返すキスは私の心を安心感にさせる。



「…優矢…」



私は優矢の両頬を優しく包み込むように触れる。



「藍花…」

「優矢…信じて…良い…?」

「ああ」

「…私…優矢に委ねても良い?」

「ああ…俺も委ねるから…」



私は優矢に抱き付く。



「優矢…好き…」


「…藍花…可愛すぎだから…。藍花…ちょっとの間、我慢しな…」


「う、うん…」



そう言うとグッと肩に力を込める。


私の身体に熱を貫き、身体中に痛みが拡がる。



「…っ…」



私は優矢に再び抱き付き私達の身体は重なっていた。




「良く頑張ったな…。これでお前は…もう俺の女だから…」

「優…矢…」


「だから…もっと俺の事信じて…本音でぶつかってきな…俺も…お前に本音でぶつかってくから…。藍花…愛してる…」




ドキン


「だから…お前は俺の傍にいな…何があっても…俺から離れんな!」


「…優矢…うん…」



私は、優矢に抱きついた。

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