第19話

「何を飲まれますか?」


「まずは、ウイスキーの水割りをいただこうかな」


「承知しました」


まいは、慣れた手つきでトングを使い、静かに1つずつグラスの底に置くように入れていった。白い腕が光を浴びてより一層美しく見える。


グラスが氷で満たんになったら、グラスを冷やすためにゆっくりとマドラーをグラスのふちを沿うように静かに回した。


まいは、ボトルのキャップを開け、そのキャップを手に持つ。ボトルのラベルを上に向け、冷たくなったグラスにボトルを近づけ、グラスから少し浮かして、人差し指を横に2本並べたくらいの高さまで注いだ。


ウイスキーのボトルを置き、グラスに水を7割程度注ぐ。水は、ボトルに入っていて、ウイスキーと同じようにラベルを上に向け、注いでいた。


お酒とお水がグラスに入り、最後にもう1度、マドラーで丁寧にグラスのふちをなぞって、静かにかきまぜた。


そして、回転している氷をマドラーでしっかりと止め、最後に氷を1つグラスに入れ、コースターをや山岡の前に並べ、グラスを置いた。


まいがお酒を作っている様子を山岡は、じっと見ていた。作り終わり、口を開いた。


「お酒作るの上手だね。無駄がないし、落ち着きがある。とても新人とは思えないよ」


「恐れ入ります」


「まいちゃんは、お酒飲める?」


「はい」


「何がいい?」


「同じものいただいてもいいですか?」


「もちろん」


「ありがとうございます」


「なんかさ、お酒を作っている姿がとても立派だし、綺麗だったよ」


「そんなふうに山岡さんに言われて、嬉しいです」


まいは、山岡に笑顔を見せ、くりくりした目で山岡の目を見た。まいの目力は、強烈で引き込まれそうになる程だ。山岡もそれを感じたのか、恥ずかしそうにまいから目を逸らす。


「そんな目で見られたら、お酒注文したくなっちゃうじゃないか。じゃあ、アルマンドいただこうかな」


「ありがとうございます」


シャンパンの中でも、最上級と言われている「アルマンド」。正式名称は、アルマンドブリニャックで一時間に30本しか作れないと言われている。スペードがトレンドマークのシャンパンで、カラフルな輝きのあるボトルだ。


「まいちゃんは何色が好き?」


「ピンク好きです」


「じゃあ、ロゼにするか」


アルマンド・ロゼは、ピンク色のボトルだ。アルマンドは、いろんなボトルの色があり、黄色や緑、赤などもある。


まいは、一瞬にして、〇〇万稼いでしまった。まいの美貌さは、恐ろしいものだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る