6.お仕置きと沁みる痛み
「お嬢さまと同じなのでしょうか?」
「まあ! 私とカブラが同じわけないわ! おまえはなんて馬鹿なの。ほら、さわってみるといいわ、違うから」
そう言って
「それはどうかお許しください」
私は土にひたいをつけて、怖ろしいお嬢さまの目から逃げました。うぶ毛が光る真白い
「わたしの言うことがきけないの!」
「お許しください。汚れてしまいます。私などがお嬢さまにふれるなど許されるわけがございません」
「カブラごときでわたしが汚れるはずないでしょう。おまえは馬鹿ねぇ。本当に。うふふ」
笑い声が聞こえ、ああよかった笑っていただけたのだから、これで満足してもらえたはずと
お嬢さまは、目をそらすことすらできず冷や汗を流しながら縮こまる私の目の前で、小さな白い手につかんだ木の棒を振り上げました。
「わたしに失礼なことを言った馬鹿なカブラにはお仕置きがひつようよね?」
そんなことを言われてしまえば、うなずくしかへんじのしようがありませんので、私は頭を下げてお嬢さまにお仕置きを願いました。
「はい。お願いいたします」
「うふふ、お仕置きされたいのね。馬鹿なカブラ」
楽し気にそう言って土下座した私に近づき両肩を一度ずつピシリと打ち据えました。これだけで満足したのでしょうか、ほほえんだお嬢さまは着物の
私は肩の痛みを感じながら、木の棒をにぎるお嬢さまの白い花びらのような手を思い出します。可愛らしいお嬢さまの小さな手が私のために動くのです。お嬢さまのひどい物言いも、振りおろされた手も、それは私に向けられた私だけのお嬢さまだと思いますと、肩にのこった少しの痛みもジンと
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