第13話 貴重な情報源と成り得るか
柔い肉に食い込む麻縄、周囲の肌は赤みを帯びて変色していた。
縄は幾重にも組まれ天井へと渡り、端部にくくりつけられた肉の塊は食肉工場の豚肉のように吊るされている。
端的に言えば吊り責めにより五月七日は食肉工場の豚肉となっていた。
若干20歳の真誉に上級向けの緊縛吊るしが出来るのも、ある意味では五月七日のおかげというべきか五月七日のせいと言うべきか。
主従というのは互いに高め合って成長していく良い見本となっていた。
宙吊りされた豚肉は口をボールで塞がれ呼吸を制御されている。
地面には豚肉が垂らした肉汁で多数の染みが出来ていた。
「情報の擦り合わせはする程のものではなかったな。」
今回真誉が五月七日より得た情報は然程新しいものはなかった。
真誉自身が仮定していた内容が五月七日の口から語られたに過ぎない。
①警察から連絡を受けた校長は、那由多が強姦された後事故にあった。
②事故を起こした男は病院で真誉と会った後勾留されている。
③目撃情報により強姦のあった場所時間付近で、生徒達の存在があった事。
④肝心の名前や特徴は、校長の口からは発せられなかった事。
もちろんそれらの情報が真実かどうかは不確定であるが、こういった場合五月七日は嘘を言えない。
情報を小出しにする事は出来ても……
「これじゃぁ俺の方が損してるな。」
実際どっちが損得という問題ではないのだが、これは真誉からの駆け引きである。
わかり易く言えばアメとムチ。文字通り少し前にムチは使ってるし、相手をする事でアメは与えているのだけれど。
口に嵌めていたボールを外すと
真誉はそれを一蹴しさらなる苦痛を与えるが、
「前倒しでくれてやる。その意味は理解出来るな?」
真誉はズボンのチャックを降ろした。
「ボンレスハムにするのは食材を無駄にするなと、どっかからクレームがきそうだな。」
麻縄で縛られた五月七日は、別に太っているわけではないけれど、ボンレスハムと形容するに適した肉の塊となっていた。
支柱にしている頑丈にした縄の束を真誉は握り、それを前後に揺らす。
そうする事で縄は肌に食い込み痛みと快楽を増す。
行為が終わると五月七日はベッドに身体を降ろされるが、縄は未だ解かれていない。
恍惚に溺れる女教師は普段生徒に慕われているその姿からは想像出来ない。
真誉にしてみれば、最初こそ違えこうして乱れた姿の方が強烈に残っているため、逆に普段の教師としての姿の方が想像つかない。
未だ整わない五月七日の呼吸は行為の激しさを物語っている。
床やベッドに散った水飛沫と水溜まりもそれを補っていた。
その場所を踏んだ真誉が「冷てぇ」と苦情を言った際、豚肉の桃を叩いたりしたのは別の話。
真誉は縄を解いてやると自らも衣服を脱ぎ棄て風呂へ連れて行く。
そこで何が行われたか。
「あ、あの……」
五月七日の上半身は何も身に着けていない。
下半身には赤い色をした革製の貞操帯が取り付けられていた。
鍵はもちろん真誉が持っている。
貞操帯にはディルドが付いており、3つの洞窟のうち2つは封印が施されている。
「どうした?」
五月七日が恥ずかしそうに問いかけてきたため、真誉は軽い口調で聞き返した。
もじもじとしている五月七日ではあるが、その顔は悦びを含んでいた。
「排泄はどうすれば良いでしょうか?」
それを塞ぐためのディルド付き貞操帯なので、腸や肛門は苦しいだろうけれど余程の事がなければ出てくることはない。
「何のために風呂場で散々出させたと思ってるんだ?」
先程風呂場で行った事、それは五月七日のお腹のモノを全て排出させる事。
そのエサとして真誉は自らのモノを口に含む事を許した。
結果、見事空になった状態でディルド付き貞操帯を取り付け色々な管理を行う事にした。
通常の主従であれば性交や自慰を防ぐ、管理するためのものであるが真誉にとってはそれだけではない。
情報が虚偽だった際の罰や、快楽のため五月七日自ら情報を流すためのエサともなる。
それらのためならば自ら情報を探ろうともしてくれるだろうと、真誉は踏んでいる。
性と排泄は切っても切れない関係にある。前者だけならば我慢出来ても後者は生きる上で必要不可欠なもの。
一昔以上前のアイドルじゃあるまいし、私トイレ行きませんとかは存在しない。
排泄を性感に捉える事の出来る人も、中には存在する。
流石に五月七日が其処までの趣味を持っているかは本人にしかわからないが。
真誉のその言葉でそれとなく悟る五月七日。
自分が性と排泄を管理されるのは承知しているが、自分が駒として情報源となる事を。
「何日すれば妊婦みたいに膨れるか知りたいと思わないか?」
衣服を着用していく五月七日に対し、真誉はぼそっと語り掛けた。
「1週間かな?10日かな?それとも2週間かな。あ、そうだ。溜めるのを条件に毎日夕飯奢ってやろうか?」
なぜかそこで喜びかける五月七日の神経もまともとは言い難いが、真誉としてはこれは駆け引きでありどちらに転んでも差異はない。
そのままでも駒としては機能するだろうし、誘いに乗っても管理はし易くなる。
後者の方が性的なアメが多くなるくらいという認識だった。
☆ ☆ ☆
真誉は五月七日と別れると街中を散策していた。
思わぬところで思わぬ人物と会ったために時間を要してしまったが、本来の予定だった警察官には会っていない。
それこそ思わぬ情報源は得られたわけではあるのだが。
そうは言ってもいち教師が得られる情報収集能力は限られるだろう。
当該人物が馬鹿みたいに自慢げに話している所にでも出くわしたりという、幸運じみたことでもなければ……
「情報が一方からしか得られないのは問題があるよな。自分でも動く必要があるけどどうするか。」
真誉の頭の中は、那由多を強姦した相手の事しか占めていなかった。
―――――――――――――――――――――――――
後書きです。
先生は変態でした。
美人に変態は多いのです。多分。
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