第48話 包囲

翌朝、周囲が囲まれている状況に、気が付き見張りは慌て出す

「勇者様大変です!!周囲を完全ゴブリンとオーガに囲まれています!!」

見張りが慌てて報告に来る

「何故囲まれる前に知らせない!!」

ルシオが大声で見張りを怒鳴る

「暗い間に囲まれては見つけられないだろう!!良く考えろ!!」

ベクトルがルシオに言う

「何だと!!ベクトル!!」

「落ち着け!!ルシオ!今は、どうやってこの窮地を脱するか考えることだ!!」

「突破するしかないだろう!!すぐに準備をするぞ!!」

「どうやって突破するんだ!!突破した後どうするか決めているのか?どうやって味方のいる所まで戻るんだ!!」

「突破した後の事など知らん!!全員で突っ込むしかないだろ!!美咲様がいれば可能性は有る!!」

「全滅させるつもりか?ルシオ!!」

「じゃあどうするんだ!!」

「勇者様だけでも、生き延びて貰うために、どうするか考えるべきだろう!!ここまで来たらそれしかない!!」

ベクトルが真剣に言う

「そうだが!!他の者達は見捨てるのか!!ベクトル!!」

「それしかない!!一点突破して、美咲だけを逃がしたら、ゴブリン共を食い止めるしかないだろ!!」

「ベクトル!!!」

ルシオは、ベクトルを睨みなが大声を上げる

「ルシオ!他に案があるのか??」

「ここで精鋭を失えば建て直しなど出来ないぞ!!解っているのか!!ベクトル!!」

「昨日、オーガと戦って、すぐに下がれば、こんな事になってない!!こんな孤立した所で、夜を過ごしたのが間違えだったと言うことだ!!」

ベクトルがルシオを睨みながら言う

「疲弊しているだから仕方ないだろ!!!終わったことを言うな!!」

「ルシオ!!反省しろ!!前回も、お前のミスで撤退になったのを、反省すらしてないとは!!みんなが逃がしてくれて、生き延びた事すら、忘れたのか?」

「過去の事をいうな!!!」

「2人共もうやめて!!今は行動が必要でしょ!!」

「美咲!!そうだが・・・・」

「この窮地は、ジンさんしか打開出来ない!!だから、あなた達が争っても、何にもならない!!わかったらすぐに、動ける準備をしなさい!!」

美咲が怒鳴る

「ジン!!あいつの手は借り無い!!」

ルシオが大声でいう

「ジンの実力なら・・・突破は可能かも知れないが、どのぐらい強いか解らない・・・」

ベクトルが考えながら言う

「ジンは、私より凄く強いです!いえ・・・ジンさん達はですね・・・」

「ジンさん達?達と言うと後ろにいる2人も?」

ベクトルが驚きながら言う

「そうよ・・・あなた達よりも強いわ」

美咲が真剣に言う

「は?俺よりもだと!!あり得ないだろ!!」

「ルシオ!本当の事だから仕方ないわ!それよりもすぐに出発しましょう!!」

美咲が言うと、ジン達の所へ向かい、ルシオとベクトルは全員に突破する準備をさせる


「ジンさん!すぐに戦えますか?」

「美咲か・・・完全に包囲されているな」

「ジンさんなら突破出来ますか?」

「俺達だけならな」

「やっぱり、このぐらいでは怖じけないのですね・・・」

「しかしな・・・突破した後、追われながら逃げるのは難しい!」

「突破口だけでも、お願いできますか?」

「わかったが、しっかり付いてこい」

ジンが笑顔で言うと、クレアとサーラが真剣に聞いている

「ジンが本気で戦う~雑魚は殲滅だー!」

ドリーが飛び回りながら笑っている

「ドリー! 少しは黙ってなさい!!」

ウルが真剣に言うと、捕まえて説教を始める

「いつも通りだな」

ジンが笑い始める

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