第5章 勇者美咲
第42話 勇者の都合
翌朝、町中を歩きながら食料等を買い出しをしてから、冒険者ギルドの前を通りかかる。多くの人と馬車が止まっている
「何でしょう?」
サーラが興味深く見ている
「遠征から帰ってきたのか?」
ジンが呟く
「そうですね、馬車の数も沢山有りますから」
「面倒事に巻き込まれない様に宿屋に戻ろうか?」
ジンが苦笑いしながら言う
「はい!ジン様」
クレアが笑顔で言うと宿屋に戻っていく
宿屋で食事をしていると3、人の冒険者がやってくる
「あんたがジンだな!!」
男が言う
「何か用か?」
「魔王軍討伐に加わる名誉を与えに来た!!光栄に思え!!」
「断る!!面倒事はいらない!!」
ジンが断ると、サーラとクレアが驚いている
「何だと!!こんな名誉なこと断るなど!!あり得ん!!ふざけているのか?」
男が激怒しながら言うと、後の女が不思議そうに見ている
「別に魔王軍討伐などどうでも良い!!帰ってくれ!メシが不味くなる」
「は!!!ふざけるな!!!折角来てやったのを!!貴様!!」
「何上から目線で何言っている!!ふざけているのは貴様だろ?違うか?礼儀作法もわからない愚か者だろ?違うか??」
ジンが笑みを浮かべる
「は!!貴様!!!!!許さん!!」
「あれ?事実を言われて怒っちゃった?仕方ないな~~口先だけの男は・・・」
「その辺にしておけ!!礼儀無かったのは謝ろう!!勇者の従者ベクトルだ!こいつはルシオだ!」
もう一人の男が頭を下げながら言う
「ジンだ!」
「何故魔王軍と戦おうとしない?相当の実力者と聞いていたが?理由を聞かせてほしい」
「面倒だからかな?」
「面倒か・・・・しかしこのままだと魔王軍の大軍に平和な時代は終わりかねない」
「誰にとっての平和か?権力者か?地位名誉を求める人にとってのか?」
「え!勿論全ての人にとってのだ!!」
「本当にそうかな?勇者殿はどうなのかな?」
「え!勿論です!!魔王を倒さないといけないです」
後ろの女性が笑顔で言う
「本当かな?他の目的の為にやっているじゃないのか??違うか?」
ジンが微笑みながら言う
「え!!」
女は不思議そうに見ている
「図星か?」
「何を言う!!勇者様は!!人々の為に戦っているんだ!!」
ルシオが怒鳴るとベクトルが女を見ている
「お前に話してない!黙っておけ」
ジンが言うと女を見る
「魔王を倒さないといけないからです」
女が言う
「倒せたら帰れるのか?」
「え!!!何故!!」
女が驚いている
「そう言うことか・・・・まぁ頑張りな」
ジンが呟く
「もう許さん!!!貴様外にでろ!!実力差を見せつけてやる!!!」
ルシオが怒鳴りながら襟を掴む
「弱虫の遠吠えはやめておきな」
「この!!」
ルシオが殴ると、ジンは次の瞬間投げ飛ばす
「喧嘩売ってきたのは貴様だからな!!屑が!!」
ジンが見下ろして言う
「この野郎!!」
ルシオは剣を抜き、斬りかかるが、ジンはかわしながら腹に一撃をいれる。ルシオは壁まで吹き飛び気を失う
「え!ルシオ!!大丈夫か!!」
ベクトルが驚きルシオの方に行く
「うそ!!強い!!!」
「あいつが弱いだけだ!!雑魚クズだからな」
ジンが睨みながら言う
「あれでも、最強クラスの実力者です!!」
「はぁ? 雑魚の大将だろ? 傲りすぎて、実力が無いのも解らなくなっているのか? 愚かすぎる!」
ジンが真剣に言うと、女が苦笑いしている
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます