第2話

入学してから1ヶ月経った。

駿くんには男女関係なく、

そしてクラス・学年関係なく、周りには

いつも誰かがいて、笑顔が絶えない!!


あれから、ほぼ毎日何かしら連絡を

くれている駿くん。あんな感じの人なのに

すごいマメなんだな。っていうのと

この私が、異性の人と毎日連絡を取っている

事が信じられない・・だって、同性の人とすら

毎日どころか、連絡を取った事がないのに・・

とはいえ、学校では連絡してるのが

嘘かのように、まったく絡みがない……

あるとすれば、席が前後なのでプリントを

回すときに手が触れるか触れないかの動作が

あるだけ……



【なぜ、私なのだろう・・駿くんに合う

女の子、それに可愛い女の子なんて

たくさんいるのに・・なぜ??】



それだけは、この1ヶ月ずっと私の中で

謎である。


まっ、いっか・・

そのうち、離れていく…それに数多くいる

連絡先を交換した中の1人なだけで、

別に私とだけ連絡先を交換した訳じゃない!

結局は可愛い子と付き合いだす!と

いったパターンだろう。。。そうだ!

そうに違いない。なんという謎を勝手に

頭で考えていたんだろう……



そんな楽しそうに過ごす駿くんとは真逆に、

私は馴染めていない…

昔と全く変わってない!!変わったと言えば

隣の席の私のように地味な男の子が、

唯一話せそうなクラスメイトである。

でもまだ話したことは無い!その子は

地味だけど、友達がいない私と違って

友達はいる。違うクラスから何人か友達が

休み時間には遊びに来るから。


羨ましいなぁ…私も、友達と休み時間に

話したい……そう思うだけで行動には

起こさない私の昔からの悪い癖!!


そんな時、隣の男の子が話しかけてきた。


『岩澤さん!ずっと話しかけようと

思ってはいたけど、なかなか勇気が出ず

友達に言われて、やっと話しかける勇気が

出たんだ・・女の子に話しかけるなんて

初めてで・・迷惑かなぁ・・??』


『ううん!迷惑じゃないよ。私こんなん

だからさ、同じく誰かに話しかけるなんて

勇気が出ないし、1人でいいや・・って

思ってしまっていたから・・』


『そうなんだね!じゃあ友達にならない??』


(うわぁ…なんか聞き覚えがある言葉……

あっ!1ヶ月前に、駿くんから言われた言葉

と同じだ。)


『うん!友達になろっ!連絡先交換する?』


(あれ?なんだ?

自分から交換する?って言葉が出るなんて

しかも、自然と敬語じゃない……

この違いは何??またわからない……)


『僕、神崎 新一!よろしく。』


『もう1ヶ月も隣にいるんだから

名前くらい知ってるよ!‪w』


自然と笑ってしまった……

連絡先も交換した。


『岩澤さんが、笑ってるの初めて見たかも‪w』


そんな会話から、自然と2人で

あーだこーだと笑いながら話していた。


すごく楽しい!!友達がいるって、

こんなに楽しいんだ……


そんな時だ!あれ?いつ席に戻ってたの??

駿くんが、席で顔を伏せて寝ている……

しかもなぜか手を前に伸ばしているから

私の腕に当たっている……横にズレようと

した、その時……


私の制服をつまんでいた……


(え?何?起きてるの?どういう状況?)


つままれているのは、神崎くんは

気付いていないようだ・・


『もうすぐ席替えらしいから良かったね!』


たぶん神崎くんは、私が駿くんと連絡を

取っている事は知らないし、駿くんの前の

座席ってのが迷惑だと思っているんだろう。


『そうだね!神崎くんと、せっかく

仲良くなれたのに、離れちゃうね!』


なんて会話をしていたら、ポケットが震えた。

こんな時間にお母さんから何か連絡が

入ったのかとスマホを開いた……


え?駿くんからだ!後ろから……


【友達できたんだな!仲良さそう!

俺にはずっと敬語なのに…(T_T)ツラ~】


起きてるんじゃん!しかも、顔文字とか

使うんだ!なんだろ、このギュンと

心臓が締め付けられる感覚は・・・


なんか、変な罪悪感にかられた……


いやいや!!罪悪感なんて持たなくて

いいじゃん!彼氏彼女でもないし、駿くん

なんて私に比べたら、友達の人数が違う!

別にいいじゃん!うん、気にする事ない!!


【はい!!やっと1人ですけど、

友達できました!良かったです。】


【は?やっと1人友達できました?

俺は友達にカウントされないの??

俺って何?彼女になんね?とは言ったけど

友達だよな!違うの??】


(そうだ!初めての友達は、駿くんだ。)


【駿くんは友達です!でも普段学校で

駿くんみたいに、みんなとワイワイ楽しそうに

話せる友達いないですし、今日やっと学校で

話が出来る友達が出来たって感じです!】


【連絡先、交換してんじゃん!学校以外でも

絡むって事だよな!?】


何言ってるの?沢山友達がいる駿くんに

私のプライベートがどうこう言われたくない!

そう思いながら、


【いや、駿くんに比べたら全く私のスマホは

潤っていません…連絡先を交換してるのも

駿くんと神崎くんだけです。】


そうだよ!たった2人しか友達の連絡先を

知らないんだよ!あんなたくさんの人に

囲まれてる駿くんは、何件入ってるのよ?

って聞きたいくらい……


【お前勘違いしてね?俺は、椿しか

連絡先知らねぇのに…なんか、

浮気された気分だわ(ㅜㅁㅜ)】


え?どういう事?あんなにたくさん友達

いるのに、誰1人として連絡先知らないの?


絶対嘘だ!嘘に決まってる!

揶揄うのもいい加減にしてよ……


【私に合わせての嘘なら、ありがとうございます!】


そう返した。。。


【ホントだって!じゃあ、次の休み時間

非常階段とこ来てよ!見せるから。それまでに

消したんでしょ?とか言うなよ!ガチだから。】


信じられない。そう思いながら次の休み時間

になり、何か話したそうだった神崎くんに

トイレ行って来るね!と嘘を付き、

非常階段へと向かった。後ろから

駿くんが付いてくるような形で……


非常階段は普段誰も来ないから、私と駿くん

2人きりだ!目の前に駿くんがスマホを

差し出してきた!連絡先が載っている。


あれ?私と変わらない……ご両親と

お姉さんと、その中に私だけだ……

見た目とのギャップにビックリした。

アドレス帳は、ずら~っと名前が入ってる

のだとばかり思っていたから……


『なんでですか??あんなに友達がいるのに…』


『学校で絡んでるだけで良いよ!連絡先とか

必要ない!男友達と交換してたら

後々、女子に回ったりしてダルいし

それに、一応俺さ、お前に

告ってんだよ?それなのに、女の子と

交換しまくってたら、ダメじゃね??』


心臓がさっきとは比べものにならないくらい

ギューンと締め付けられた……



あっ、分からないけど、これが恋…??

私、駿くんに恋に落ちたの??

今まで思わなかったけど、カッコよく

見えてきた。



私、駿くんが好きだ――――――

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