第14話仲直りしたのにまた喧嘩になりました
「せ、先輩?大丈夫、ですか?酷いこと、言われましたか?」
戻ってきた黒咲さんが泣いてる私を見かけて寄ってきてくれた。
ただ、満さんに泣かされた様に見えるから、誤解だけはさせないよう言っておかないといけない。
「満先輩、めっ、ですよ?」
「私は何もしてないわ!無実よ!」
「本当に違うから大丈夫だよ。それに、酷い事じゃなくてお礼を言われただけだから。」
泣きながらの説得だから、全然説得力はなかったけどなんとから納得してくれた。
後は若葉先輩をどうにかしないといけないんだけど、眠っちゃったからどうにも出来ない。
先生にどうにかしてもらおうとしたけど、今日は出張でいないらしい。
滅多にない事で、たまたま今日の全校集会と被っただけらしく今までサボっていた事は今のところはバレていないらしい。
「えーっと、先生がいない場合でも今まで通りの勉強になるんですか?」
「そうなるわね。でも、私はやる事やったから帰るわ。」
「えっ?もう帰っちゃうんですか?」
せっかく仲直りもしたし、これから交流を深めていくのかと思っちゃってた。
「何よその顔。悲しそうな顔したところで、私は帰るわよ。」
「満先輩、一緒に、勉強しよ?」
私のためだと思うけど、黒咲さんによる上目遣いのキラキラおねだり。
私だったらイチコロで頷いてしまうけど、満さんは慣れているようにあしらっていた。
「も~!!あいつは元からだったけど、あんたまでいつの間にかこいつとなく良くなってるし、どうなってるの!?こいつは男なのよ!あなたの一番嫌いな、
とてつもない現実を言い放った。
私には十分すぎる一撃で砂クズになりかけてしまった。
「先輩は、‥…じゃないです。」
「何?はっきりと言ってくれない?」
「先輩は、男の子じゃないです!!」
「はー?あんたマジで言ってんの?あいつに何かされたわけ?」
高らかに言ってくれるのはとても嬉しいけど、黒咲さんは満さんとは仲の良いイメージが合ったから意外な行動に見えた。
でも、理由を言われてこの行動がはっきりと分かった。
「先輩は制服姿可愛いです。他の服を着ても可愛かったです!この前なんか、スク水を着てもらったけど、とても可愛かったです!それに、胸も少しはありました。お腹周りはちょうどいい感じにすらっとしてました。あんな可愛い先輩が、男の子のはずがありません!!」
やめて!?
あの時の話をしないで!?
今でも2人の前であんな格好をしたの恥ずかしかったんだよ!?
それに、服を勝手に脱がしたのは今でも少しオコだからね?!
「え、なに?3人でウィンドウショッピングでもしたわけ?それに加えて、あいつに女物を着せたと?なにそれ、キモっ!」
うっ。
やばい、血を吐きそう。
「男が女装とかマジでしてるんだ。ひくわー。」
「……(ちーん)。」
「せ、先輩!?大丈夫ですか!?」
「……ぐはっ。」
「先輩!?」
この後もボロクソに言われて私のライフはオーバーキルされて消滅させられれかけました。
黒咲さんの声かけが命綱となったおかげで昇天はしなかったものの横に寝かされて立てなくなってしまいました。
「満先輩、そこまで言わなくてもいいじゃないですか!!」
「別に私が何を言おうがあなたに関係ないでしょ?」
私についての言い合いになってしまつた。
こんな光景を見るのは久しぶりだ。
小学6年生の時に氷柱姉と両親が女装について言い合いになって以来かもしれない。
「関係あります!私は、先輩と、満先輩には仲良くなってもしいです。なのに、満先輩が一方的に嫌って言って、あんまりにも先輩が可愛そうです!!」
「それなら尚更よ。私は、誰かと仲良くなるためここにいたわけじゃないの。」
「なら、どうして私と仲良くしてくれたんですか?あの時はとても優しく接してくれたじゃないですか!?」
「それは、あなたは女子だっから……。」
「先輩も女の子じゃないですか!!」
「だから違うって言ったでしょ!?」
「なんでそうやって否定するんですか!そんな満先輩なんて‥…満先輩なんて大っ嫌いです!!」
満さんとはとても仲が良さそうだったのに、仲がこじれるところまで話が発展してしまうなんて。
自分のことなのに仲裁も出来ずただ寝そべることしか出来ないのが悔しい。
原因はそこまで大きくないのに、ここまで大きくなってまうとは思っても見なかった。
「そこまで言うなら、こっちからも願い下げよ。もう二度とそのつら見せないでよね!」
お互い血が上ってしまって、引きしがれなくなってる。
満さんは言い終わるとすぐに部屋を出て行ってしまった。
今日中にみんなと仲良くできると思っていたから悲しかった。
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