第25話「学園祭はハラハラドキドキ?第2夜。」

委員長を降りた昂大は、学校にいる意味もなく1人で街の展望台から景色を眺めていた。

「暇だな。」

そう呟いていると、後ろから駆け寄ってくる音が聞こえた。

「やっと見つけた。」

昂大は後ろを振り向くと息を切らした一花がいた。

「どうした?まだ委員会の時間だろ?」

「今日も遥さん来ないから休みになったの。」

昂大は席を立つと一花を座らせた。

「今日もって事は昨日も来てなかったのか?」

「昨日どころじゃないわ。あの日以来1度も来てないのよ。」

「文化祭の資料は期限とかあっただろ。大丈夫なのか?」

「大丈夫じゃないわ。何一つ手をつけてないもの。下手をすれば何にもできない文化祭になるわ。」

「そうか。でも、俺は手伝えないから協力できないぞ。」

「暇なのに?」

「暇だけど手伝えない。おかしな話だ。」

「先生から聞いたのだけれど上はあなたの努力を水の泡にしようとしたのよ。」

「どういう事だ?」

「あなたの作った書類を痕跡1つ残らず消そうとしていたの。何か恨まれることでもやった?」

「そんなことするわけないだろ。」

「そうよね。何もしてないのなら誰かがあなたを妬んでこの事件を行ったかもね。」

「否定は出来ないな。それよりも遥さんが心配だ。学校には来てるのか?」

「分からないわ。」

「一花、最悪の場合も考えた方がいいぞ。」

「えぇ。それじゃ行きましょう。」

「そうだな。」

2人は寄り道をしながら帰宅した。一方有希子は田川先生と相談をしていた。

「何だね悩みとは?」

飴玉を咥えながら話す。

「もし一夫一妻制に戻ったら私より一花を選ぶんじゃないかと思って心配なんです。」

「なるほど。恋愛マスター(交際経験ゼロ)の私がその悩みを解決しよう。それを思うようになったきっかけは?」

「一花は昂大とエッチしたんです。でも私とはやってない。それに、最近は私より一花と話してるんです。それで·····。」

「それなら私が聞いておこう。」

「いいんですか?」

「あぁ。任せておけ。」

「ありがとうございます。」

有希子は一礼すると教室を出ていった。

第25話「学園祭はハラハラドキドキ?第2夜。」~完~

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