第20話「文化祭準備は大忙し!」
ゴールデンウィーク前日。文化祭のあれこれをするよう指示された生徒会は慌ただしくしていた。
「えっと、文化祭実行委員会を立ち上げて、役職を決めたらテーマを決めて、スケジュールを組んで飾り付けをすると。」
「会場はブシドー館のようね。」
「七海。今度のゴールデンウィーク俺は行けなくなった。」
「大丈夫。私もまだ決めてなかったから。」
「すまないな。」
「大丈夫。それよりこの案に生徒会バンドって書いてあるけど?」
「なんだそれ?」
昂大は紙を見ると驚いた。
「なるほど、俺たちでバンド組んで演奏しろと。あと、当日は救急車を多く用意してもらうようにしないとな。」
「どういうこと?」
一花は昂大の隣に行き覗いた。
「校長のスペシャルステージ·····。」
この時生徒会から死の雰囲気が漂ってきたとか、こなかったとか。
「とりあえず実行委員会を立ち上げよう。」
昂大はポスターを作り、掲示板に貼った。
「あとはスケジュールと飾り付けだな。」
生徒会はそれぞれ意見を出し合い文化祭のスケジュールを簡単にまとめた。
「あとは実行委員会で内容を決めて、濃くしてもらおう。」
「そうね。」
コンコン。ドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ。」
「君たちに言い忘れていたことがある。」
田川先生が来た。
「なんですか?」
「遠足の事だが。」
それを聞いた瞬間、昂大は大声を出した。田川先生はビクッとした。
「どうしたんだ。いきなり大声出して。」
「忘れてた。遠足はいつでした?」
「5月中旬だ。」
「その間に終わらせておきます。」
「分かった。頑張るんだぞー。」
そう言うと去っていった。
「昂大。あまり無理しないでね。」
有希子が心配そうに言った。
「ありがとう。」
「次は飾り付けね。」
「手芸部に頼んでみるか。」
昂大と有希子は手芸部の部室に向かった。
「こんにち·····は!?」
手芸部の部長は驚いた。
「あの、えっと何か用ですか?」
「これを頼めるかな?」
作品の写真を渡した。
「文化祭で必要なんですか?」
「あぁ。生徒会だけでは時間が無くてな。」
「分かりました。暇だったので部員全員で作ります。」
「いきなりですまないな。助かるよ。」
そう言うと去った。
「私会長に頼まれた。しかも有昂が見れるとは。ぐへぇー。」
「ぶちょー。」
部長は興奮のあまり倒れたとか倒れなかったとか。
「昂大。お疲れ様。」
一花が紅茶を用意してくれていた。
「ありがとう。」
昂大は一息ついた。コンコン。ドアをノックする音が聞こえた。
「はーい。」
「なにか手伝うことはあるか?」
霧矢がやってきた。その隣には遥がいた。
「ウチが実行委員会やろっか?」
「僕からもお願いする。彼女は優秀だ。」
「それは助かる。よろしく頼むよ。これがリストだ。これから内容を濃くしてくれ。」
そう言うと書類を持って校長室へと向かった。
「何であんなに忙しそうにしてんの?時間はまだあるのに。」
「余裕ぶっこいてる暇はないからよ。」
「なんで?」
「校長を止めるためよ。」
「?」
「校長のステージ。」
それを聞いた瞬間2人は怯えた。
「そんな事をしたら死者が出かねないぞ。」
「だから止めに行ってるのよ。」
一方昂大は校長室へ行き、説得していた。
「校長先生。止めていただけますか?」
「なぜだね?」
「死者が出るからです。」
第20話「文化祭準備は大忙し!」~完~
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