第8話「幼なじみは敵!?」

新生徒会の4人は生徒会室に入り、会議を行っていた。

「先生。授業中に会議ってええんか?」

「校長からの命令だ。」

「そうか。まずは生徒の人数を把握し、男女の割合をグラフ化しよう。」

グラフ化にすると一年300人に対し男性は14人女性286人だった。

「女子校ね。」

「何か悪意感じるな。」

「そうだ。君たちに言い忘れていたことがある。」

先生が顎髭を撫でながら言う。

「何や?言い忘れたことって。」

「3Pも楽しいぞって言い忘れていた。」

「そんなんどうでもええわ!」

「冗談だ。」

「冗談でもさすがにそれは。」

「俺ら教師の掟なんだよ。分かってくれよ。」

「教師に掟とかあるんか!」

「あぁ。下ネタを教えるって掟があるんだ。」

「一体なぜ?」

「間違ったSEXをしないためだ。近年、性の知識が教育上良くないって言って学校で教えて貰えず最近の若者の性の知識が低下してるんだ。それで訳も分からず本能のままにSEXして子供を産む奴らが増えてるんだ。ことわざでもあるんだ。学業の無知は一時の恥だか性の無知は一生の過ちって。」

「そんなことわざ聞いたことないで。てか3Pはアカンやろ。」

「朝礼で毎日言わされるんだ。校長のことわざを。だから知らなくても無理はない。」

「だから性の知識を正すために、この学校ができたのですね。」

「あぁ、そうだ。あまり良くない名前の学校だから東の大学付属高校って名前で登録したんだ。」

「せやけど下ネタ言うただけで解決にはならへん気がするんやけど。」

「そこで実習があるのだ。」

「あぁ。何か放課後に実習って書いてあったな。」

「それでどんな実習なんですか?」

「SEXのビデオ教習だ。」

「は?」

「つまり放課後AVを見るってことですか?」

「そうだ。無論参加は自由だ。夜みたいなら見なくても良い。」

「つまり、部活をするかAVを見るかのどちらかという事ね。」

「せやけどAVどこで見るんや?視聴覚室とか無かったで。」

「それは放送室で見る。」

「昂大とか見とった方がええんとちゃう?」

「なぜだ?」

「そんなん決まっとるやろ。」

「七海。少し黙ってくれないかしら?そこは私たちが関与するべきではないわ。」

「す、すんまへん。です。」

「ハハハハハ。」

先生が突如笑いだした。

「どないしたんや?なんか悪いもんでも食ったんか?」

「すまん。君たちの会話を聞いてたら1番大事なことを思い出してな。」

「今度は4Pも楽しいぞとか言うんやろ。」

「違う。」

「そんな冷たい声で言わんでもええやん。んで1番大事なことってなんや?」

「食堂は生徒会の料理が出来るものがやるんだ。」

「どうゆうことや?」

「簡単に言えば食堂に調理師がいないんだ。」

「何でいっちゃん大事な事を忘れるんや!」

「料理が出来るもの手を挙げろ。」

手を挙げたのは昂大と有希子だけだった。

「2人は作ったことないのか?」

「私は一様できるけどお粗末なものしか出来ないから。」

「ウチはたこ焼き以外作れへんで。」

「という訳で昂大と有希子。今すぐ食堂へ行け。」

「せやけどまだ4時間目の最中やで。」

「あと二分で終わる。急ぐぞ。案内する。2人はチャイムが鳴ったら終わっていいぞ。」

3人は慌てて生徒会室を出た。

「生徒会って、わちゃわちゃしてて案外楽しいのね。」

「まぁ私らの学校ぐらいだけどね。他の学校なら真面目で面白くは感じないし。つまらないと感じるわね。」

七海が標準語で喋りだした。

「あら?関西弁は使わないのかしら?」

「みんなの前では気の強い女を演じないといけないからね。いっちゃんの前では演じなくてもいいし。だから使わないの。」

「そう。でも様になってたわよ。まだ関西弁は下手だけど。」

「それはこれから練習するから大丈夫!でも女優に言われるとなんか嬉しいな。」

「これからも続けるの?」

「うん。まだ怖いんだ。」

「まぁ、あんな事があったらね。だからって無理して関西弁を使わなくても態度や言葉一つで気の強い女を演じられるのに。」

「それはいっちゃんが女優だからじゃない。」

「それか彼と付き合って守ってもらうとか?」

「昂大には有希子がいるから無理だよ。それに私は彼の事あんまり好きじゃないし。」

「ふーん。好きじゃないね。彼の好きな食べ物は?」

「梨。」

「嫌いな食べ物は?」

「山葵・カニクリームコロッケ・牡蠣・カキフライ・カニ味噌・山椒。」

「登校中に聴いてる曲は?」

「昔の曲。」

「好みのタイプ。」

「有希子みたいな人。」

「苦手な人は?」

「ギャルっぽい人・派手な人・我儘な人・金遣いが荒い人・自己中心的な考えの人・ビッチな人・毒舌な人。」

「こんだけ答えられるとは。やっぱ昔から好きなんでしょ?」

「なんでそう思うの?」

「幼なじみ兼女優の私にそんな演技じゃ騙せないわ。私どころか他の人も知ってるんじゃないかしら?」

「そんなに顔に出てたの?どうしよう。勘づかれたかな·····。」

「やっぱり好きなんだね。顔に出てるって言うより、彼の情報といい、あんな態度をとってたらバレバレよ。」

「そんなに分かりやすかったの。」

「たまに会ったら彼の話ばかりするんだもん。幼なじみじゃなくても分かるわ。」

「彼が好きなのは今のところ3人なのね。」

「え?2人じゃないの。私と有希子の2人。」

「それと私もよ。」

「え?」

あまりの衝撃発言に七海は困惑した。

「あら?気づかなかったかしら?だいぶ分かりやすかったと思うのだけれど。」

「全く気づかなかった。でも、なんでいっちゃんも昂大が好きなの?」

「私がインタビューしてた時、他の男性は鼻の下を伸ばしてたの。でも彼は無表情だったわ。それでこっちがムキになってあれこれ試したけど結局無表情だったわ。その日以来いつの間にか彼のことばかり考えるようになったの。」

「いっちゃんがムキになるのも分かるな。」

キンコンカンコン。話の途中でチャイムが鳴った。

「楽しみね。」

「何が?」

「あなたが女になる姿を見るのが楽しみなのよ。」

「つまり、3Pってとこ?」

「4Pになるかもね。」

小悪魔っぽく笑うと教室を出ていった。

第8話「幼なじみは敵!?」~完~

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