第203話、またいつか。
「
その瞬間、世界中の音や光、風や水の流れなど全てが止まった。
そしてその止まった世界で俺が放った超神剣の一振りはゼウスを真っ二つにした。
あまりにも自然でそこに最初から何も無かったかのように切り伏せた。
斬られたゼウスも気づいていないであろう。
そして、徐々にゼウスの体が消滅していく。
神の終焉。
つまり神は今日ここで死ぬのだ。
しかし消えいくその中で気づいてないであろうゼウスがこちらを向き、
「...我は滅せぬ。人神ネメシスがお主ら人間を見放さぬ限りな。いずれ分かる...。い...ず...れ...。」
不吉な言葉を残し姿、形、気配、魔力、ゼウスの全てが消え去った。
「いずれ...か。」
俺は消滅していくゼウスを見ながら呟いた。
そして、止まっていた時間が動き出す。
緊張の糸が切れ莫大な魔力を消費した俺は片膝をついた。
そんな俺にミアが近づいて来て、
「終わったの?」
「あぁ...。全て終わった。」
「本当に?」
「あぁ、終わったよ。」
「良かったぁぁぁ!!」と泣きながら抱き着いてきた。余程怖かっただろう。俺はミアを抱き締め頭を撫でた。
そして、アスタとリスクも人化して俺に抱き着いてきた。
2人もボロボロになりながら良く俺と戦ってくれた。俺はありがとう。と言いながら2人の頭も撫でた。
そんな中、超神剣は分離されて3つの光の粒子に分離された。
「あぁ~!時間切れだぁ~!兄貴、一緒に戦えて良かったよ!まぁ、一瞬だけだったけどね!」
「ラウル...。ありがとう。」
「良いって!気にしないでくれよ!俺は兄貴と一緒に戦えて嬉しかったんだし。あっ...。時間切れか...。皆にも宜しく伝えてくれよ!
兄貴、また
消えてしまったらいつかなんてないのにラウルは気を使ってくれているんだな。と俺は思った。
「あぁ...。またな。」
俺がそう言うとラウルだった光の粒子は天高く上り消えていった。
「次はアタシね。」
次の光の粒子はマリアージュだろう。ミアの前に来た。
「ミア。300年ありがとう。...楽しかったよ。」
「マリア!嫌だよ!消えないでよ!!」
ミアは泣きながらマリアージュ言う。
「もう、困った妹だね。可愛い可愛い私の妹。もう私が居なくても大丈夫だろう?
隣の王子様がこれからは守ってくれるんだから。
それに...これは言わなくてもいいか...。」
「何?言ってよ...。気になるじゃん。」
ぐずりながらミアはマリアージュに言う。
「内緒。そのうち分かるわよ。
それと、コウ!!」
「は、はい!」
「私の可愛いミアを泣かしたら承知しないんだからね!その時は覚悟しなさい!!」
「はい!!承りました!!泣かしません!!」
「宜しい...。私もそろそろ時間切れだね。
...ミア。
幸せになんなよ!これは約束なんだからね。」
マリアージュのその言葉に涙を流しながら、
「うん、幸せになる!」
と、力強く言った。
「うん...。じゃあ、あたしもそろそろ行くね。
また、か...。
その言葉と共にマリアージュは消えていった。
「最後は私ですね...。」
「...ヴォイス。」
「マスター、私は幸せでした。
貴方に出会えて感情を頂き 、笑い、泣き、怒り、また笑い...。
そんな日々をマスターだから...、いや、マスターとマスターの側に居る皆様からいっぱい頂きました。
私は、マスターを愛しています。今も、これからも。
しかし、この先一緒に居れなくなるのはやっぱり寂しいですね...。
そして、ミア様。
ありがとうございます。ミア様が魔力で形を作ってくれなければマスターの横に立つことは一生なかったと思います。感謝しています。」
「そんな事言わないで...。ヴォイス...。」
「そして、アスタ、リスク。これからもマスターの側に居て守ってくださいね。」
「ヴォイス姉...。うん。」「守る...約束なの。」
「良かった。これで私は逝けます。
マスター、皆様に宜しくお伝えください。そして、末長く幸せになってください。
私もそろそろ行かなくては行けませんね...。
では、
そう言うとヴォイスだった光の粒子は天高く舞い上がり消えていった。
そして、俺のステータスからオリジナルスキル『ヴォイス』は消えたのだった。
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