第185話、円卓会議。
集まってもらったメンバーは、
無職の俺、ヴォイス、聖剣アスタ、
聖剣リスク、神器ラウル、賢者アルト、
聖剣クラレント、ラテ、精霊リア、ボロック、聖剣ブレイブ、聖女ノエル、剣聖デューク、
聖剣エクスカリバー、ルシフェル、そして魔人国アリュートの国王ミアとアドバイザーに先々代国王プロペトも同席してもらった。
半分が聖剣と神器だがこのメンバーはこの大陸でいや世界で最強ではなかろうか?
ちなみにカインはまだ幼い為参加させていない。そして、グスタフは俺達が留守の間にこの国を守るため参加はしなかった。
「さてとそれでは会議を始めるか。」
俺が声を掛けると各々真剣な眼差しで俺を見る。
「議題はもちろんトーマスの事なんだが、その前に神聖国サザンクロスについて知っているものはいるか?」
俺の質問に最初に手を挙げたのはアルトだった。
「サザンクロスの存在は昔からあったんだ。絶対神を崇めるという宗教団体だった。それがかなりの数の信者を集めて祈りを捧げている集団で、どこの国にも属さなかったハズだ。しかし、今は国になっているとは思わなかった。」
アルトの話にミアが付け加える。
「それはね、今から3ヶ月前に突然宣言を始めたの。国の立ち上げと開戦宣告を周辺各国にしていたと思う。レオンハート国は遠いから連絡はまだ来てないとは思うけど。」
「神聖国サザンクロスって宗教団体なのに急に好戦的になるってことはやっぱりゼウスが関わっているのか?」
「十中八九そうだと思うわ。」
「やはりか...。でなきゃその場所を指名しないだろうしな。他には何か知っている者はいるか?」
するとヴォイスが申し訳なさそうに手を上げた。
「はい、ヴォイス。そんなにビクビクしないで堂々と手を上げて!」
「...お話をする前に皆様、本当にすいませんでした。私が至らないばかりに迷惑を掛けてしまい...本当にすいませんでした。」
「ヴォイス...。皆、ヴォイスのせいじゃないって分かってる。だから顔を上げてくれ。」
「し、しかし、マスター!!」
「ヴォイス!皆の顔を見てみろ。」
俺の言葉にヴォイスは皆の顔を見る。皆、悔しそうな顔をしていた。
「俺だって悔しい。皆が戦っているのに、あの時動けなかった自分が許せない。そう思っているんだ。」
「マ、マスター...。そうですね、気持ち切り換えます。すいません。」
ヴォイスは自分の頬を両手でバシッと叩き気合いを入れて話始めた。
「私がゼウスに乗っ取られているときの話です。確かにサザンクロスの内部からそこの住人らしき人々に命令をしていました。そこの住人の目には覇気がなく洗脳か魔法で操られている感じでしたね。戦闘員がおよそ300人程強さはおそらくAランク以上。そしてその他の住人は魔力供給をさせていました。私が知るのはここまでです。」
「成る程な。ヴォイス、貴重な情報をありがとう。」
「いいえ、ここまでしか覚えておらず、すいま...。」
「ヴォイス、もう謝るのはやめよう。謝ってばかりじゃ先に進めない。」
「マスター...。わかりました。」
ヴォイスは納得したのか席に座った。
「神聖国サザンクロスについては分かった。次はソーマの事だ。アイツは敵なのか?」
「敵じゃなかったらなんだと言うんだ!現に俺達はボロボロにされたんだぞ!」
師匠のデュークが声を荒げる。
「師匠。それはゼウスにでしょ?ゼウスはソーマに吸収された。吸収したソーマは俺達を攻撃はしていない。反撃すらしなかった。変だと思いませんか?」
「...そう言われれば確かに。しかし、彼が俺達の敵であることは間違いない。」
「確かに。アスタとリスクはどう思う?」
「確かにパパの面影はあった。しかし、違う。だから...」
「私達のパパじゃもうないの。だから...」
「「戦う!」」
アスタとリスクの固い決意が伝わった。
「分かった。クラレントはどうだ?」
「私?私は...。そうね...。戦うわ。もう、私達が知っている
「そうか...。」
「それに...過去に引きずられた父さんはもっと嫌。」
「過去?」
「過去にパーティーを組んでてそこで父さんはアスタ、リスクと私を作った。」
「それは知ってる。ソーマに聞いたから。」
「そしてパーティーは解散した。それは何故か?全てはカゲロウのせい。確かに
カゲロウが愛用していたアスタとリスクの前でこんなことは言うつもりはなかったけど、
結婚式をする。と。それはつまりカゲロウがいるってことになる。
クラレントは悲痛な顔をしている。
しかし、アスタとリスクはそうじゃなかった。
「私は気にしないよ。その頃の私は覚えてないし、今の契約者は兄ちゃんだもん。」
「私も一緒の気持ちなの。私達が意思を持たなかったってことは大事に思ってなかった証拠だと思うの。」
「アスタ...、リスク...。貴方達は強いはずだわ。カゲロウがもし居たら私が倒す。それだけは譲れない。」
「そうか、わかった。それでこのメンバーでサザンクロスに乗り込むって事でいいんだよな?」
俺の言葉に皆が頷く。
そんな中1人が手を上げる。それはルシフェルだった。
「ルシフェル、どうした?」
「いやいや、行くのはいいんです。けど、誰がソーマと戦うのでしょうか?先の戦いで我々の力が及ばなかったのはご存知でしょ?」
「それはもちろん俺が...、いや、俺達が行く。」
俺の言葉にヴォイスとアスタとリスク、ラウルが頷いた。
「ちょっと待って!私も、私達も行くわ!」
名乗りを挙げたのはミアとミアの神剣マリアージュだった。
「これは遊びじゃないんだぞ!」
「わかっているわよ!だから行くんでしょ!?コウだけじゃ不安だもん。支えが必要よ!それに私はもうコウと離れる気はないから!」
「こう言ったら、うちのお姫様はテコでも動かないわよ~。観念することね~!大丈夫よ、私がいるから。神剣の名に置いてミアは守るわ。」
「はぁ~。わかった。」
「ソーマの相手はコウとミア様という事でいいんですね。わかりました。それでは私達は残りの有象無象を相手にしましょう。私達が2人の花道を作るのです。」
「なんか、ルシフェルに言われると複雑だな。」
「ちょっと、それは酷くないですか?まあ、僕たちは色々ありましたもんね。くっくっくっ。」
「その笑い方が怖いっつーの。」
「癖ですからお気になさらず。」
「とりあえずの方針は決まったな。今日はゆっくり休んで、明日は神聖国サザンクロスに出発するぞ。解散。」
解散した俺達は各々過ごしたのだった。
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