第170話、王としての責務。
「そんな貴女に更なる絶望をプレゼントしますよ!
黒いローブの小さいヤツは自分達を守るであろう5体のアンデットを縛り上げた。
「お、お前は何を...?」
意味不明な行動にミアは混乱する。
「まぁまぁ、焦らないでくださいって。
すると5体のアンデットは精気を取り戻したように顔やら身体に力がみなぎっていく。
「それでは、最後の仕上げです。
小さい方から放たれた禍々しい魔法がアンデットを包む。
「いやはや、お待たせしてしまってすいません。ミアさん。ご紹介しましょう。
この方々は貴女の先祖さん達です。
ハイ、拍手~。」
パチパチ...。
その光景にミアは呆気に取られていた。
今、目の前に現れたのは壁画でしか見たことはないが紛れもなく魔人国アリュートの初代の王様から5代目の王までの顔触れだからだ。
「あれ?せっかく先祖様と対面したのに拍手も無しですか...。頑張ったのにこれはショックですね
。...あ、そうだ!話せるようにすれば感動の再会が出来るかもしれませんね。
では、魂の一部を解放してっと。
よし、これでいいんじゃないかな?
ほら、貴方達。こんな可愛い子孫が会いに来てくれましたよ。」
王達はキョロキョロしながら不思議がっている。
「ムッ。ここは何処じゃ?我は死んだハズじゃが...。」
「その声、その顔立ち!まさか初代様ですか?」
「うむ..、
我は魔人国アリュートの初代の王ゴルマじゃが...。お主は...?」
「お忘れになったんですか!?
私ですよ!ゴルマ様から推薦されて2代目になった...。」
「お主!まさか、フェイズか!?」
「はい!お久しぶりです!」
「お主、老けたの...。」
「それは、ゴルマ様が亡くなってからずいぶん経ちましたからね。ってここはどこなんでしょうか?」
「我にもわからん。してこの者達は...。」
「私は3代目の...。」「私は4代目の...。」
「私は5代目のプロペトです。先代様方、少しあの娘と話しても良いでしょうか?」
すると、初代の王ゴルマが、
「良いぞ...。
現状が分からないし、この身体も自由が効かないからのぉ。」
「ありがとうございます。
して、娘っ子よ。お主の顔に見覚えがあるのじゃが...お主の両親はユリウスとサンドラではないか?」
「はい...お祖父様。私は2人の子のミアです。
...お久しぶりです。」
「おぉ!やはり、2人の面影がしっかり残っておるわい!!まだ小さかった子がこんなに大きく...。...大きくなったのぉ。」
プロペトは涙を流しながらミアを見る。
ミアもまた逢えるとは思ってなかった祖父に涙が溢れた。
「ミア...。可愛い孫よ。もっと顔を見せておくれ。」
「ハイ!!終了ォォ!!
感動の対面のお時間は終了です。
良かったですね!皆様、お孫様もとい7代目に逢えて。」
突然黒いローブの小さい方が割ってはいる。
「ミアが7代目じゃと...。6代目のユリウスはどうした?そして我が娘サンドラは?」
プロペトは驚きながら聞く。
ミアはその質問に答えた。
「母は病を患っており、弟産んで直ぐに亡くなりました。
父は他国が攻めて来たときに私と弟を守り亡くなりました。そして、私が7代目を。」
「そ、そんなことがあったのか...。」
衝撃な事実にプロペトや初代達も言葉を無くす。そんな中、
「だ~か~ら~!
おしゃべりタイムは終わりだって言いましたよね。これだから年寄り達は...。
まあ、いいです。
だってこれから貴方達先代は7代目を殺さなきゃ行けないんですから。」
「な!そんな事はさせ...!」
「煩いよ。」
黒いローブの小さいヤツは殺気を放つ。
「貴方達がどう思うかは勝手だけど、主導権は私にあるんですから。
それでは行きますよ。
そう言うと先代達は一斉にミアの方に向きはじめた。
「な、なんじゃ!?身体が勝手に!!」
「それでは、先代様達。
7代目のミアを殺しちゃってください。」
黒いローブのが言うと先代達は一斉にミアに攻撃を始めた。
「ミア!!逃げろぉぉ!!逃げるんじゃ!!」
プロペトは叫ぶ。しかし、
「ごめん。お祖父様。私は逃げない。
私が皆を解放してあげるから。」
ミアは決意を決めていた。
その決意を見た初代は、
「7代目。その心意気やよし。流石じゃ。
我々を解放してくれ。我々の意思ではどうにも出来ない。すまない。」
「ゴルマ王、謝らないで下さい。
これはアリュートの王としての責務。
覚悟はしています。」
7代目戦姫ミアと先代達の戦いの幕が切って落とされた。
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