第144話、ボロック一行。その3。
デュークに付いていき森を歩くことはや2時間。モンスターの猛攻が止まらない。
なぜこんなにモンスターが多いのか?
デュークいわく、魔族にダンジョンを追われたモンスターが溢れ出ているのだという。
「ボロック!そっち行ったぞ!」
「はい!」
「ノエルは魔法でカバー!」
「はい!」
「お前ら!少しは自分で考えて動け!!」
「「ハイ!!」」
デュークは2人を休ませない。
これは2人に甘えを抱かせないためだ。
自分はこれをやるだけでいい。
自分の役割はこれだけでいいと言う気を起こさせないために厳しくしている。
これがボロックとノエルの意識を変えていった。
そして戦えてると感じているボロックとノエルは次第に戦うのに楽しくなっていった。
バトルハイ状態になっているのだ。
その様子を見たデュークはいい兆候だと感じ手を抜いてボロックとノエルの所にモンスターが行くように仕向けた。
「ムフフフ。デューク、
「可哀想?バカ言うなよ。あんなに楽しそうに戦ってるじゃねーか。」
「そう?結構、ボロボロだと思うけど。」
2人の見た目はボロボロに見えなくもない。
「ちゃんと、頃合いを見てノエルが回復していいるから大丈夫だろ。
この程度でやられるならその程度って事。
あいつらの覚悟が本物ならすぐに蹴散らすさ。」
「ふーん。結構あの2人をかっているんだね。」
「まあな。じゃなかったら弟子にしないさ。」
そんな会話をしながら30分、モンスターは出なくなっていた。
「2人ともお疲れ様。少し休憩しようか。」
「ハァハァ、はい...。」
「やっと休憩。さすがにしんどかった。」
デュークは2人に水を渡して話し出す。
「序盤の滑り出しとしては上々だな。
思ったよりもいい感じに戦ってたじゃないか。」
「はい、途中から何か楽しくなって。」
「私もそれは思った!!
途中からボロックの動きが見えてきて阿吽の呼吸みたいな感じで楽しかった。」
「それは2人の気持ちがあった証拠だな。
いい兆候だ。普通は人間同士では難しいんだけどな...。
2人はよっぽどお互いの事を思っているんだな。」
デュークがそう言うとボロックとノエルは顔を真っ赤にして照れていた。
「もっともっと、お互いの事を思い、考え、気持ちを一緒にすることで覚えるスキルがある。」
「そんなスキルがあるんですか!?」
「ああ、
俺の場合はエクスとルシフェルと気持ちを合わせて普段の力を、
3倍から15倍にする[
それは俺が契約をしている人外の場合だ。
人と人が同じようなことをすることを、
[
これは言い伝えみたいなもんだけどな。」
「言い伝えなんですか...?」
「あぁ、なんせそのスキルを発現できた者が居ないからな。
よく考えてみろ。
2人の人間が完璧に同じ気持ちになるのなんて出来ないだろ?」
「そう言うもんなのですかね...。」
「でもさっきの戦いを見ていて、
お前達ならもしかして出来るのかも...。
なんて思ってしまったがな。
可能性はあると俺は思っている。」
「ボロック!それよ!頑張りましょう!私たちの愛の力で!!」
「そうだな!
ノエルと一緒なら出来る!俺もそう思うよ!」
2人は見つめ合って恥ずかしい事を言っているのに気づいていない。
「お前らそう言うことは俺が居ないときに言ってくれ。」
「ハッ!?」
2人は恥ずかしそうに俯いた。
「ムフフフ。
コウも面白かったですけど、この子達も面白そうですね。
デュークの言った通り化けるかもしれませんね。」
「そ、その貴方はコウの事を知っているの?」
ノエルは恐る恐る白髪の人に聞く。
「そう言えば、名乗ってなかったですね。
私の名前はルシフェル。よろしく。
それでコウの事でしたっけ?
知ってますよ。もちろん。
あの時は情熱的で刺激的でしたね。
あの真っ直ぐな殺意の眼。
自身を壊しても無茶をするあの胆力。
あぁ~。
今思い出しただけで興奮しますね。ムフフフ。」
ルシフェルは自身を抱き締めながらクネクネと悶えていた。
「そ、そうなの。ルシフェルとコウがただならぬ関係だって事は分かったわ...。」
「コウ殿は何をしたのだろう...?」
ボロックとノエルはルシフェルの興奮している姿を見て恐怖を感じた。
「まぁ、なんだ。俺たちにも色々あるんだよ。もう少し休憩がてら聖属性の魔法について教えて行こう。」
「は、はい。お願いします。」
それから、ボロックとノエルはデュークから聖属性の魔法の理論を教わった。
「よし、そろそろ休憩は終わりにしよう。
今日中にダンジョン一つは潰しておきたいからな。」
「今日中なんですか!?」
「それはそうだろう。早くしないと近くの町やら森、生態系まで変わってしまうからな。
あんまり時間がないんだ。
2週間は戦いと訓練が続くと思え。
これが終わったとき2人は今の3倍以上は強くなるからしっかりやれ。
そしてコウとアルトを驚かしてやるんだ!」
「はい!頑張ります!師匠お願いします!」
「私も頑張る!
もう守られるだけなんて嫌だもの!
コウにもアルトにも目に物を見せてやるわ!」
「おう、その意気だ。行くぞ!」
こうして3人は発見したダンジョンに入っていくのだった。
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