第131話、帝国の戦い1。
帝国、王の間。
「おいおい!ガブリエル!
なんだそのざまは!!そんな姿を見たらあの方が泣くぞ!!」
「うるさいわね...。あっちにはトンでもない手練れが居たのよ...。」
「そんな言い訳どうでもいいんだよ!
お前は負けた。それが事実だ。
やっぱり俺がいけば良かったぜ!ってかウリエルのヤツはどうした?
まさか、死んだか?」
「....えぇ。殺られたわ。」
「キャハハハ!!ダッセー!!ほんとお前らは使えねえな!!」
男は高らかに笑う。
「それが仲間に対する言葉なの!?」
「仲間~!?冗談は顔だけにしろ!!
俺はお前たちの事なんか一度も仲間なんて思ったことねえよ!!
お前ら雑魚と一緒にすんな!雑魚が!!
胸くそ悪い!!」
何でこんなヤツが居んのよ...。
あの方も何を考えているのか...。
ガブリエルは男に対して嫌悪感しかなかった。
「それよりもガブリエル...。お前何をつけているんだ?」
「え?」
「え?じゃねーよ...。お前マジで使えないわ...。ほら、来ちまった。」
「えっ?えっ?」
ガブリエルは何が起きているのか、何を言われてるのか分からなかった。
そして、振り返ると光の中から人間達が現れた。
▼▼▼▼
俺たちが転移でガブリエルの所に辿り着くと、
ガブリエルともう一人男が王座にふんぞり返って座っていた。
「ほら来ちまったじゃねーか。」
「えっ?えっ?」
「ガブリエル...。お前マーキングされてたの気づかなかったのか?」
「え?いつの間に...。」
ガブリエルはここに来る前に矢を食らったのを思い出した。
「あの時か...。」
「あの時かじゃねーよ。まぁいい。ガブリエルこっちにこい。」
ガブリエルは言われるがまま男に近づいた。
すると男は立ち上がって、ガブリエルの胸元に風穴を開けた。
「な、何で...?」
「お前はもう用済みだ。とっとと死ね。」
ガブリエルは崩れ落ちて灰になった。
そして男は、ガブリエル胸にあった結晶を飲み込んだ。
すると、男のエネルギーの量が大幅に上がった。
「最後に俺の役に立てて良かったな~。
ってもう聞いてないか。」
敵ながらその胸くそ悪い光景を見た俺は怒りを感じた。
「クズ野郎が...。アルト!ボロック!やるぞ!!」
「うん!!」「あぁ!!」
俺は瞬歩で男に近づき、双剣を振るう。
その間、アルトは詠唱を、ボロックは無防備になっているアルトを守っている。
「キャハハ。お前中々速いな。」
男は俺の連続攻撃を当たる寸前の所で躱わしている。完璧に見切られていた。
俺は構わずスピードを上げていく。
「キャハハ。まだスピードを上げられるのか。
お前面白いな。だがな...。」
男が腰の剣を一太刀振るった。
俺は躱わした。...つもりだった。
左腕に激痛が走る。
見ると左腕が皮一枚で繋がっていた。
「あぁ?
胴体ぶった切ったと思ったんだけどな...。
予想以上に目がいいな。」
俺はすぐに腕に回復魔法を掛けて治した。
コイツ...。今までのヤツより格段に強い...。
ボロックが居るとしても不安だ。
アルトには近づかせない。絶対に。
俺はグラビティを解く。
「剣聖技。桜吹雪。」
自信はあった。
グラビティも解いたスピードには付いてこれないと...。
しかし、俺の剣撃は全てヤツの剣に弾かれていった。
「キャハハ。只の人間がスゴいな。
流石に俺も驚いた。
ガブリエルの力を吸収していなければ今ので殺られてたかもな...。
気に入った。俺の名前はアズライール。
お前の名前教えてくれよ。」
「何でお前に教えなきゃ行けないんだ...?
これから死に行くお前に...。」
「ツレナイ事言うなよ。お喋りは大事だろ?
奥の奴の魔法の詠唱終わるまで待ってやるって。
名前教えてくれないなら、後ろのヤツから殺そっかな~。」
完全に舐めてやがるな...。
俺はアズライールの言動にイライラし始めている。
(マスター。落ち着いてください。
そんな乱れた心だと、勝てるものも勝てなくなります。
鑑定で少し見えてきました。
アズライールは言霊魔法を使うみたいです。
そのイライラも魔法のせいです。)
マジか...。
ここに来てからずっとイライラしてたのはアズライールの魔法のせいか...。
ヴォイス、気付かせてくれてありがとう。
(いえいえ、落ち着いたならいいです。
集中しましょう。)
そうだな...。
とりあえずアルトが詠唱を終わるまで話すか...。
「俺の名前はコウ・タカサキだ。」
「コウ・タカサキ?
どこかで聞いたような.....。」
アズライールは何かを思い出そうとその場をうろうろし始めた。
「思い出した!!なるほど、なるほど...。
お前があの方の...。
通りで強いわけだ。うん、うん。」
アズライールは一人で納得している。
「お前らが言っているあの方って誰なんだ...。」
「さあな~。俺から言える事はなんもねーわ。」
アズライールはヘラヘラした顔で言ってくる。
「そうか...。それはまぁいい。何でこんな事をするんだ?お前達にとってこんなことしてもメリットはあるとは思えないのだが...。」
「あぁ~。ソレな。理由は単純だ。
暇だからだよ。俺たちは暇が嫌いなんだ。
だから人間を操って暇潰ししてるだけ。」
「暇潰し...。」
「人間はおもろいわ~。ヤれって言ったことはすぐするしな。死ねって言えば勝手に死んだり。笑えるわ!キャハハハ!」
「糞野郎だな...。」
俺は。いや俺だけじゃないヴォイスにアスタとリスクの怒りが同調した。
「コウくん!!少し離れて!!」
アルトが声を上げる。
俺はアルトの声に従ってアズライールから距離を取った。
「
」
アルトの魔法がアズライールを襲ったのだった。
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