第126話、力の授与。
俺はヴォイスに言われた通りに急下降して森に入った。
木々が生い茂っていて、日の光が入らないほどだ。
「ヴォイス。視界が悪くて見にくいんだけど...。」
(伐採しましょう。)
「えっ?」
(だから伐採ですよ。伐採。
このままだとこの森はいつか日の光が当たらず枯れてしまいますし、ちょうど木材も使えますからね。)
「そ、そうなのか...?俺にはよくわからないが、ヴォイスが言うのならそうなのだろうな...。
わかった...。
俺の魔法は次々と木々を切っていった。
(マスター...。もっと強い魔法撃てませんか?
こんなチンタラやってたら時間がなくなります。)
「人使い荒いな...。もう...。でもそんな強い魔法を撃ったらこの辺一帯の森無くなっちゃうんじゃないか?」
(だから....。大丈夫って言ってるでしょうが!!言うことを聞いて早く撃ちなさい!!)
「は、はい!!」
鬼気迫るヴォイスの声に恐怖した俺は、強い魔法をイメージした。
やらなきゃ、殺られる...。
「どうにでもなれ!!
俺の放った魔法は渦を巻き木々を巻き込み一帯の全ての木を刈っていった。
そして空に巻き上がった何千という大木が落ちてくる。
(アスタ、リスク!人化しなさい。私も出ます!)
(はい!)(なの!)
ヴォイスの命令にアスタとリスクは従い表に聖剣から人化をした。
「マスターはこのままワイバーン討伐に行ってください。首を斬ったらそのまま落としておいてください。私が
「あぁ...。それは良いんだけどさ。みんなは何をするの?」
「後で言います。早く行く!!ホラ!!早く!!」
「は、はい!!すぐに行ってきます!!」
目が血走っているヴォイスに恐怖を感じ俺はワイバーンの群れに急ぐ。
「さてと、コウは行ったわね。
アスタ、リスク。こうして話すのは始めてね。初めまして、ミアだよ。
気軽にミアちゃんって呼んでね。」
アスタとリスクは思った。
さっきまで鬼気迫る顔だったヴォイスとは大きく違い笑顔が綺麗なそうまるで天使の様な人がそこに居た。
「ヴォイス姉ちゃんじゃない...。オーラが全く違う...。」
「不思議なオーラなの...。綺麗なの...。」
「もう!綺麗だなんて嬉しいわ!!
2人とも抱き締めたくなるほど可愛いわ!!
ってこんなこといってる場合じゃなかった!」
さっきの天使みたいな佇まいとは違い、ノリが凄まじくいい人だなと2人は思った。
「時間がないから簡潔に話すわね。」
「は、はい。」「な、なの。」
「2人はコウと同調したわね?
その力の強化のきっかけになる知識と力を渡しに来たの。」
「知識?力?」
2人は状況がよく飲み込めていなかった。
けれどミアの顔を見て話を聞いた。
「まあ、難しいことを言っても中々理解は出来ないかもしれないから、はい。」
ミアは2人にてを伸ばした。
「私の手を握って。知識の欠片と力を渡すから。」
2人はミアの手を握った。
すると光輝き、力と知識が頭の中に流れて来たのだ。
「うん。無事に渡ったね!
この力でコウを助けてあげてね。
ちなみにヴォイスにはもう渡してあるから安心して。
あっ...。もう時間がない...。」
「あ、あの。また逢えますか?」
「また逢いたいの...。」
「もちろん。すぐに逢えるよ。
もう2人は可愛いな~。
あったときにはいっぱい話したり遊んだりしようね!」
「はい!」「なの!」
「じゃあ、またね~。
コウには私に逢った事言わなくていいから。
バイバーイ!」
そう言うとオーラがなくなりいつものヴォイスの身体になった。
「アスタ、リスク。ミア様から力は授かりました?」
「うん!ちゃんと貰ったよ。すごい人だね。ミア様は。」
「台風みたいな人だったの...。」
「なら良かった。この力でマスターを助けて行きましょうね。」
「うん!」「なの!」
3人は結束を強く固めた。
ミアに逢うまでコウを守ると...。
「さてと、これからだけども...。
[視覚共有]、[魔力共有]、[魔法共有]。...っとこんなものですかね。」
「なにこれ..?」「不思議な感覚なの...。」
「これは私達3人の共有出来る力ですね。
同調の訓練にもなります。
これでマスターが伐った木を集めて行きましょう。後は、薬草や木の実など見つけてください。[魔法共有]をしているので見つけるだけで[オート収納]が発動します。」
「へぇー。スゴい便利だね。」
「うん。常に訓練なの。」
「さて収納しながらマスターの所まで行きますよ!」
「うん!」「なの!」
3人はそれぞれ動き出した。
一方で俺は、
何でヴォイスはカリカリしていたんだろう...。
最近、戦いとかばっかりで休みなかったからかな...。この一件が終わったら、少し羽を伸ばした方がいいのかな...。
全く検討違いな事を考えていた。
そんなことを考えているとワイバーンの群れを目視できる距離まで近づいた。
「おっ!いたいた!
全く恨みはないけど俺たちの食料になってね。」
俺はワイバーンの群れに大量の
俺に気づくこともなく、油断をしていたワイバーン達は見るも無惨に切り殺され、落ちていったのだった。
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