第122話、同調力。
俺は首をはねた帝国兵達に近づき、
氷属性の魔法で血が出ないように斬り口を凍らせた。
そして、5人の死体をを横一列に並べてアルトとクラレントが来るのを待った。
5分位待ってるとアルトが飛んできた。
「コウく~ん!遅くなってごめ~ん!
大丈夫だった?」
「いや、全然大丈夫だったけど。
アルト、今飛んできたよな...。」
「うん。
ソーマさんがクラレを強化している最中に
後、他にも色々な魔法を覚えてきたよ!」
「そ、そうか。アルトお前すごいな...。」
「コウくんに褒められると嬉しいね。
あっ。ソーマさんが後で話があるって...。」
「話?なんだろう?」
「魔法を教えてくれるみたいだよ。
コウくんは見ただけで覚えられるから。」
「それはありがたいな。
で、アルトをここに呼んだ理由なんだが...。」
「クラレを通じてわかってるよ。
この人達の蘇生でしょ?」
「あぁ。出来るか?」
「任してよ。クラレもいるから大丈夫。」
そう言うとアルトは帝国兵の前に行き魔法の詠唱を始める。
するとアルトの身体が白銀のオーラに包まれる。
俺達の時と同じだ...。
多分、クラレントと気持ちを同調させたんだろう...。
[鑑定]をすると、全体にステータスは跳ね上がっていた。
特に魔力は俺の数倍は高い...。
(お兄さん。2人は凄い同調力だね。)
(負けてられないの...。
私たちが同じくらいお兄さんと同調できれば、この数倍は強くなるの...。)
そうなのか...?
(そうだね。
お兄さんと私とリスク、後はヴォイスさんが完璧に同調すれば今の数十倍は強くなれると思う。)
す、数十倍!?
(ただ、人数が多い分すごく難易度が高いの..。今のままだと厳しいの...。)
なるほどな...。
同調出来るように練習しないとな。
(うん。)(...なの。)
アスタとリスクとの話を終えた時、アルトの詠唱が終わった。
「
帝国兵達は淡い光に包まれて、土色だった顔にだんだんと精気が戻ってきた。
「ふう~っ。これで完了っと。じきに目を覚ますと思うよ。」
「そうか。アルト。お疲れ様。」
「うん。コウくんもお疲れ様。
それにしても凄い数の帝国兵を倒したんだね。」
「あぁ。殺さずに倒すのは少し骨がおれたな...。加減が難しいんだ。」
「あのぶっ飛ばされている帝国兵みんな生きているの?」
「あぁ。ちゃんと生きているぞ。
全員気絶しているだけだ。」
「そ、そうなんだ...。コウくんは相変わらず無茶苦茶だね。」
何だか呆れた顔をするアルトだが俺は気にしない。
「この帝国兵達の中に隊長クラスは居るのかな?」
「多分、前線の方かな。あたふたしながらも他の兵士に命令してたし、一人だけ鎧も豪華だったしね。」
「じゃぁ、ソイツの所に話をしに行くか。」
「ん?話?賠償問題とかそういう事?」
「違う違う!
今帝国に戻ってもまた操られるのがオチだろ?だからこの問題が終わるまで、スノーフリーデンで保護しようかなと。
友好国なんだしさ。」
「そういう事ね...。でも大丈夫かな...?」
「大丈夫、大丈夫!!俺に任しておけって!」
「う、うん...。」
俺達は飛んで帝国兵の隊長の所に向かった。
アルトはまたコウがブッ飛んだ事をしでかすんじゃないかと心配が尽きないのであった。
コウ達が飛び立ってすぐに、首をはねられた帝国兵達は目を覚ました。
「う、う~ん。ここは...。
ハッ!!俺は確か首を斬られて...。」
帝国兵は首を触る。
「ある!首があるぞ!!ってお前達大丈夫か!?」
次々と他の帝国兵達が起き上がってきた。
そして一同、首を触って確認する。
「生きてる...。俺達は生きてる。」
「あぁ...。生きているぞ...。
確かに斬られたのに...。
ひょっとするとあの方は、自我を無くしてほぼモンスター化した俺達を一度殺して蘇生させてくれたんじゃないか?」
「なんでそんな事を?」
「決まっているだろ!?俺達を元に戻す為に...。」
「そうか...。あの方が...。そうだあの方は!?
礼を言わなければ!」
「さっき軍の本隊の所に飛んでいくのを見たぞ。」
「俺達も行くぞ!
他の倒れている兵士も我々を治してくれたあの方なら殺してはいないハズ。
みんな起こして本隊に合流するぞ!!」
「「オォーーッ!!」」
こうしてコウに首をはねられて蘇生してもらった帝国兵達は気絶した他の兵を起こし本隊との合流を急いだのだった。
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