第115話、いざ、開戦!!
「街の様子はどう?」
「抜かりないよ。教皇が上手く動いている。
後3日もすれば結界を動かしている聖女の魔力は尽きる。その時が攻め時だって。」
「そう...。わかったわ。それより新しい身体の具合はどう?」
「どうもこうもないよ。なんでこんなおっさんの身体なんだよ!!
僕はもっと若い身体が良かった!」
「ワガママを言わないで。貴方に耐えられそうな身体が他になかったんだからしょうがないでしょ。」
「耐えられるかも知れないけど、コイツの身体と僕達の属性が正反対だから完全に乗っとるまで時間がまだ掛かるよ...。
コイツ中々諦めないんだ...。
本当しつこくて忌々しい。」
「ちゃんと制御しなさいね。ウリエル。」
「あぁ...。わかったよ。ガブリエル姉さん。」
そして、2日後の夜中。
教皇が動き出す。
俺は空中から隠密と気配遮断のスキルを使って教皇を追っていた。
街に残った者達には作戦を伝えてある。
それにヴォイスやブレイブにも。
イレギュラーが起きなければ大丈夫だ...。
起きなければ....な。
それにしても教皇はどこまで行くのだろう...。
まさかこのまま帝国領まで行く気じゃなかろうか...。
そんな事を思っていると、教皇たちは帝国軍の居る中を堂々と突っ切っていき、奥の一番大きなテントの前で馬車を止めた。
そして、馬車を降りる。
オークが服を着た見たいな男が出てきた。
私腹を肥やし甘い汁を吸ってきたのであろう。
俺は気配を絶ち大きなテントの側に身を潜めた。
「ふしゅー。ふしゅー。ガブリエル様、ウリエル様。ただ今到着しました。ふしゅー。」
「アンタ。相変わらず汗くさいし、汚いわね。」
「あぁ、ガブリエル様。もっと罵って下さいまし!!このピッグエール。至上の至福。」
「うわっ!!キモ!!
姉さんコイツキモいんだけど!」
「ウリエル。ちょっと黙って。
ピッグエール。例のものは持ってきた?」
例のもの?
なんだそれは?
「は、はい!持ってきたのでございまぷしゅ~。こちらでしゅ~。」
テントの外からじゃ見えない...。
教皇のヤツは何を持ってきたんだ...。
「これが女神の涙。確かに莫大な神聖エネルギーを感じるわね。」
「姉さん。そんなものどうするんだい?
僕たちには扱えないものだろう。」
「そうね...。あの方がこれを必要としているの。」
「あぁ、そういう事か。
あの方なら扱えるもんね。」
「ピッグエール。
ご苦労様でした、と言いたいところだけど、私はネズミまで連れて来いなんて言ってないのだけれど。どういう事かしら?」
気づかれている。
ヤバイ。
俺はとっさにアスタリスクを構える。
「ぷしゅ~?ネズミ?はて?」
「使えない豚だね。お前はもう用済み。
姉さん。僕にやらせて。この身体を慣らしたいんだ。」
「わかったわ。
相手は多分カマエルをやったヤツ。十分に注意してね。」
「あんなヤツと僕を一緒にしないでよ。
僕の方が何倍も強いんだから。」
「そうね...。」
「この豚はどうする?」
「うーん...。もういらないから殺しちゃって。」
「了解。バイバイ。豚さん。」
ウリエルは持っている大鎌を振りかぶる。
「ちょ、ちょっと待っ....。」
ピッグエール言葉もむなしく首が飛び絶命した。
「さて、ネズミさん。いっくよぉぉ!!」
ウリエルはテントをぶっとばしてながら俺に突っ込んできた。
俺は危険察知でバックステップで大きく避ける。
ウリエルの動きは危険察知の予測より早い。
すでに大鎌を振りかぶっている。
俺は即座に[瞬歩]を使い距離を取った。
ウリエルの攻撃が空を切る。
「あれ?捉えたとおもったんだけどな~。
ネズミさん。以外に早いね。」
「そりゃ、どうも。」
「次はもっと速く行くよぉぉ!!」
「.....。」
俺はウリエルの大鎌の攻撃を次々と避けていった。
「全然当たんないや。何でだろ?」
「.........。あ、あのさ。」
「ん?なに?ネズミさん?」
「お前さ...。顔としゃべり方があってなさすぎてめちゃめちゃ違和感なんだけど...。
おっさんが僕っ子とかどうなのよ?」
「あぁ~!!やっぱり!?
僕もそう思ったんだよね~!
姉さんに言って変えてもらおうっと。」
ってかこの人どこかで見たことがあるんだよな...。
どこだっけ!?
まぁ、いいや。[鑑定]。
オルガ・アルテシアス(ウリエル) LV???
職業・勇者
状態・精神支配されている途中
・HP?????・MP?????
スキル
????????????
魔法
????????????
やっぱりバグがでた...。
まあ、予想はついていたけども...。
それにしても、アルテシアス....ってネモの親父じゃねーか!?
勇者って鑑定に出ているし...。
これは面倒な事になったな...。
全く知らないヤツならサクッと殺すものを...。
どうしたものか...。
ん?
精神支配されている途中??
これはまだ希望があるのかもしれない。
神聖術を使えば引き剥がせるかも。
しかし、そんな隙は簡単にはないだろうな...。
とりあえずは弱らせないと...。
俺はウリエルとネモの親、勇者オルガを引き剥がすために激闘に足を踏み入れるのだった。
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