第68話、予選。バトルロワイヤル開始。
会場は大いに盛り上がってる。
観客の声援が控え室まで聞こえてきた。
「Aブロック予選通過者は、東洋の剣士ムサシ・コジロウ選手!!
王国騎士団、期待の新人ハルク・ホーガン選手。の2名です。おめでとうございます。
尚、この二人は明日の決勝トーナメントの第一試合のカードになりますので宜しくお願いします。」
なるほど...
残った2名がそのまま決勝トーナメントの対戦相手になるのか...
辺りを鑑定で見渡すが集まってる参加者は王国騎士団を含めて、五十歩百歩って所だった。
正直言って敵ではない。
となると、アイツを残すか...
決勝トーナメントでボコボコにしてやる...
俺は騎士団長を見てニヤリと微笑んだ。
「それでは続きまして。Bブロックの選手達の入場です。」
いよいよ、俺の出番か...。
レベルの差がありすぎて、モチベーションが上がらない。
その時ふと思ってしまった。
自分自身に
思ったら即実行してしまうコウの悪い癖が出てしまう。大会だと言うのに。
「グラビティ5。」
自分自身に魔法を掛ける。
ズン!と圧が掛かる。
動きづらいがそんなでもないな...
もう少し強めに掛けるか。
「グラビティ10。」
ズズン。
さっきとは比べ物にならないくらい。
重さを感じる。
正直キツいがこれくらいじゃないと鍛練にはならない。
よし!このまま出場しよう!
どれくらいの重さなのかと言うと、
コウの体型が172センチ60キロなので、
グラビティ5で300キロ、
グラビティ10なら600キロの重しが身体に掛かる計算であった。
俺は会場に向かったが試合が始まる前から尋常じゃない位、汗が出る。
そして、会場に着いた。
客席は超満員。
出場しただけで大観戦が巻き起こった。
不思議と重さも感じられなくなってきた。
観客の大声援で高揚でアドレナリンが大量に出ている為であった。
「これよりBブロックの予選のバトルロワイヤルを開始します。
最後の2人になるまで続けられますので皆様頑張ってください!
それでは、試合開始!!」
100人によるバトルロワイヤルが始まった。
俺の所には大男達が10人で一斉に襲ってきた。
さっきの騎士団長との1件で悪目立ちしたせいだ。
俺は大振りで振ってくる剣をかわし反撃に出る。
相手は剣を構えて防御体制になるがお構いなしに俺は剣をぶつけた。
すると、
バッキーン!!
相手の剣が粉々に破壊された。
剣の性能の違いはあったが、理由は単純な事だった。
グラビティ10で重さを10倍にしているから剣技の重さも10倍になってるからだ。
俺は次々とか攻撃を避けては相手の武器を破壊しまくった。
すると、武器がなくなった参加者は次々とリタイアしていく。
中には武器を破壊されて泣いている者も居るから胸が痛い。
それにしても、この圧を受けても刃こぼれ一つしないソーマの作ってくれた剣が凄かった。
技術の高さが伺える。
必ず聖剣アスタリスクを持って帰ってソーマにいじってもらおうと思うコウだった。
粗方リタイアして残ったのは王国騎士団30名だ。
騎士団は陣形を組み、次々と参加者を負傷させて行っていた。
いやいや、剣舞祭だよね?
騎士団の演習じゃないんだからさ...
観客からもブーイングが巻き起こっていた。
それはそうだろ。
皆、英雄の誕生を楽しみにしているのに騎士団の演習を見せられたらたまったもんじゃない。
それに、騎士団長は何もせずのうのうと陣の真ん中に立っているだけなのも気にくわない。
「お前が残ったのか...。
行けお前ら!!ヤツを殺った者には報酬をだそう!!」
「「オォォォー!!」」
騎士団達は報酬と聞いて躍起になっている。
どんだけ金に飢えているんだよ...
それに、殺ったらダメだろう...
俺はタメ息を吐き、向かってくる騎士団員達と対峙した。
統率の取れた流れ、
そして型にハマりきった剣技。
正直言ってつまらなすぎる...。
俺はその流れに逆らうように次々と武器を破壊していった。
しかし、
「何をしている!!
武器が無くなっても身体で行け!!」
言ってることめちゃくちゃだよ...
しかも、相変わらず騎士団長はその場から一歩も動かない。
あの野郎...明日楽しみしてろよ...。
武器が破壊された騎士団員達を拳で殴って次々と気絶させて行った。
「そ、そんな。バカな...。」
驚いている騎士団長を横目に俺は最後の騎士をぶん殴って場外にリングアウトさせた。
そして、残ったのは騎士団長と俺の2人になった所で、
「Bブロックの予選通過者がきまっったぁぁ!!
まず1人は王国騎士の騎士団長ザンス・アブブ!」
アイツそんな名前だったんだな。
興味無さすぎて鑑定の時にスルーしてたわ。
会場はまばらな拍手が送られた。
それゃそうだろ...。
だってアイツ何もしてないからな。。
「そして、もう一人!
Bランク冒険者コウ・タカサキ!!」
割れんばかりの歓声が俺に届けられた。
「コウ!!最高!!」
「明日も期待しているぞ!!そんな奴ブッ飛ばしてしまえ!!」
とか。聞こえてくるのは男の声援ばかりだった。
嬉しいけど。
声援は嬉しいんだけど、何故男ばっかりなんだよ!!
「尚、両者は明日の決勝戦の第2試合の対戦となりますので、宜しくお願いします。」
俺は観客に手を振り控え室に戻った。
それにしても疲れたな...
グラビティ10は本当にいい鍛練になる。
これは継続してやっていこう。
と思ったが問題が起こった。
俺はボロックの試合を観ようと椅子に座ったのだが、
椅子の耐久力が持たずに俺の重みで壊れてしまったのだ。
幸いな事に弁償とはならなかったが、
もしこのままグラビティを切らずにホテルに帰ってたら椅子やらベッドを破壊して賠償金取られてたかもしれない...
危ない、危ない...
俺はグラビティを解除した。
すると身体が恐ろしく軽く感じる。
この力を使ってみたいがモンスター以外に使ったら確実に殺してしまうな...
常時使うのはグラビティ2にしておこう。
これなら体重が倍になるだけだから、椅子も壊れないだろうし。
俺はグラビティ2をかけ直して試合の観戦を始めた。
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