第56話、歓喜の食卓
師匠のデュークからの指導は明日からとなり、俺とアルトは師匠の家を後にした。
「どこにゴングが建てた俺たちの家があるんだ?」
「え?目の前だよ!」
「近っ!!いくらなんでも近すぎだろ...」
「ソーマさんのお店の近く何もなかったじゃん。ソーマさんに聞いたら大歓迎って言ってたし!」
「それは、そうだけど...まぁ、便利だからいいか...それにしても家でかいな!!」
「ゴンさん、めちゃめちゃ張り切ってたからね。」
見た目はほとんど貴族の屋敷だよ...
これを一日で建てるとかゴング凄すぎ...
(これは本当にスゴいですね...
ゴングはこの街一番の大工になれそう...)
ほんとだな...
「隣にあるのがゴングの家か...
何かこじんまりしてるな...」
「ゴンさん、新婚だから家の中どこに行てもラブラブしたいらしくこじんまりしたんだって。」
「羨ましい話だな!!チクショオォォ!!」
突然の俺の嫉妬にアルトはビックリしていた。
(マスター心の声がだだ漏れしてますよ!)
しまった。恥ずかしい...
「ま、まぁコウ君も素敵な人すぐ現れるよ..うん。」
「あ、あぁ...何かごめんな...」
めっちゃ気を使われてしまった...
穴があったら入りたい...
「と、取り合えず僕たちの家に行こうよ!」
「そ、そうだな。」
俺たちはゴングが作ってくれた家に入った。
「これは、スゴい!」
玄関から豪華な作りになっている。
こんなのめちゃめちゃ金持ちだけがが住んでいる場所じゃないか?
凄すぎて呆気に取られる。
「コウ君こっちだよ。ここが食卓で...」
アルトに家の食卓、キッチン、リビング、各々の部屋わ案内された。
そして極めつけはお風呂だった。
広々とした浴槽は自動でお湯が出るらしく24時間いつでもお風呂入れるようだ。
お風呂好きの俺にはありがたい。
「コウ君、2人が帰ってくる前にお風呂でも入って待ってようか?」
「そうだな!」
俺たちはラテとリアが帰ってくるまでゆっくりとお風呂に浸かった。
お風呂を上がるとラテとリアが帰ってきてた。
「あぁ!コウ大丈夫だったの?」
「あぁ...なんとかな。」
「アンタ本当に死んだかと思ったじゃない!ヴォイスとも連絡取れなかったし...」
俺が意識ないとヴォイスも発動は出来ないんだな...
新たな発見だ。
「すまない...。」
「分かればいいのよ!!ちゃんと無茶はしないでね!アルト様はいつも付きっきりでアンタの看病してたんだから!」
「あぁ...。無理はしないように努力する。」
「まぁまぁ、2人ともお風呂でも入ってきたら?僕たちが料理の準備するからさ!」
アルトに促されて2人はお風呂に入りに言った。
俺とアルトはキッチンに行き、食材を見た。
「ってか、アルトは料理した事あるのか...?」
「無いよ!コウ君のお手伝いしようかなと...」
「出来ないんかい!まぁ、いいけど...」
俺は食材を見て献立を考えた。
メインディッシュはオークの肉で言いかな...
良し、決まった...。
みんなにお世話になったから今日は張り切って作るか!!
「アルト!いっぱい作るからさ。師匠とゴング達とソーマを呼んで来てくれ!呼んだらテーブルセッティングを宜しく頼む!」
「うん!わかった!」
アルトは勢い良く厨房を出ていった。
俺は前世で大好きだったアレにしようと決めていた。
この世界でも受け入れて貰えるといいな。
俺はオークの肉を一口大に切って、バターをひいた大きなフライパンで焼いていく。
その間に野菜も手際よく切って肉を焼いている
フライパンに投入。
全体に火が入ったら大きな鍋に水を入れて、炒めた肉と野菜を入れて煮込む。
沸騰する間に別のオークの肉の塊を塩、コショウを肉に刷り込み、ラップ見たいな物に包んで用意してた別の鍋の水の温度を50℃位になった所に入れてしばらく放置。
そして、土鍋にはアルトが気を使って用意してくれた米を研いで炊く。
葉野菜とトマト見たいな物を水で洗い、皿に盛り付ける。
ソースはオリーブオイル的な油に塩、コショウ、レモン汁を混ぜて完成させた。
沸騰したオーク肉と野菜が入っている鍋に色々なスパイスをふんだんに入れて小麦粉でトロミをつける。
俺が作ってたのは前世では大好きな人が多かったであろうカレーライスだ。
付け合わせには低温調理したオーク肉のサラダ。
肉多目の料理だけども冒険者なら大丈夫だろう!!
俺が料理を完成する頃、食卓には全員揃っていた。
「いい匂いだな!食欲をそそるぞ!!お腹すいた!コウ早くしてくれ!」
「師匠、もう少しですから待ってください!」
「コウくん、呼んでくれてありがとね。コウくんの料理楽しみだよ!」
「ソーマ。隣同士になったんだ!ちょくちょく食べに来てくれて良いからな!」
「兄貴!おらたちも呼んでくれてありがとうだ!」
「何言ってるんだ!俺の方こそありがとう。こんな素敵な家を作ってくれて。」
「気にいってくれたならおらも嬉しいだよ!」
「アンタ!早く用意しなさいよ!この食欲そそる香りでどうにかなっちゃいそうよ!」
「あぁ。リアちょっと待ってな。」
俺は皿に米とカレールーを盛って、サラダも盛り付け、それをアルトが配膳した。
グラスにエールを注いで、準備ができた。
みんな俺の方を見ている...
俺が乾杯の音頭取らなきゃいけないらしい...
ちょっと恥ずかしいが...
「今日は集まってくれてありがとう。そして、お世話になりました。ささやかながらの料理ですが、お腹一杯食べて下さい!乾杯!!」
「「かんぱーい!!」」
エールをゴクゴク飲む。
「プハー。
よし、取り合えずサラダから食べよう。
うん。旨い!低温調理したオークの肉はトロッとしてレモンの酸味でサッパリ食べられる。
そして、いよいよカレーライスだ。
ちゃんと再現できているかドキドキする!
パクッ!!
......
..........
旨~~~いぃぃぃ!!
なんじゃこれは!!
オークの肉のお陰なのか?
それともスパイスか?
何にしても旨すぎる!!
回りの反応も旨すぎるのか一心不乱に食べている。
「「おかわり!!」」
そんな一斉に言われても...
俺はお母さんか!?
でも、みんなが美味しそうに食べてくれて嬉しい。
本当にノラ猫亭にバイトして料理のスキルとっておいて良かった。
物凄い勢いでみんなが食べて開始30分もしないうちに鍋がスッカラカンになった。
みんな満足してくれたようだ。
「こんなに美味しいなら料理担当はアンタね!」
「えぇ...毎日はちょっと...」
「何なのよ!じゃぁ2日1回は!」
「それならいっか!」
「なら俺もそのときはお邪魔しようかな!コウの料理は本当にそこらのレストランより旨いからな!」
「師匠...」
「僕も来ていいかな?こんなに美味しいのまた食べたいよ!」
「ソーマ...」
「兄貴!おら達もいいか?兄貴の料理は人を幸せにするだ。なっ?」
「はい!本当に美味しいです!コウ様に料理習いたいです!!」
「ゴング...アニー...」
こんなに誉めて貰うことが前世でもあっただろうか...?
「わかった!!みんな来てくれ!!腕によりをかけるから!!」
歓喜に湧いた食卓であった。
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