第42話、中級ダンジョン最下層ボス




大型肉食ミミズワァームを食べて舌鼓を終えて勢いの付いた俺達は次々とダンジョンを攻略して、とうとう中級最下層の扉の前に着いた。


「ここまであっという間だったな。」


「コウ君のお陰だよ。ワァームを食べてからめちゃめちゃ調子いいんだ!ありがとう!」


ワァームにそんな効果あったけ?


(マスターが作った料理はダンジョンの魔力が含んでる物だけで作ったから、色々と言い効果が付与されているんだと思います。)


そうか...

ダンジョン飯っていいんだな...


「本当に僕もコウ君みたいに無双出来そうだよ!」


あっ....

アルトが何かダメなスイッチを押してる気がする...


(ワタシもマスターと同意見です...)


「ラテさん俺がボスなんてチョチョイのチョイで倒すからね!」


「えっ?どうしたの?アルト君...」


そうなるよな....

と言うことは今回もボスはかなり強いと見て間違いないだろう...


「みんな!この扉を開けるとボスが居るけどかなり強いと思う!気合い入れていくぞ!」


「コウ君、どうしたの急に?いつも通りで大丈夫でしょ!」


「アルト。言って無かったけど、お前のスキルに無自覚ってスキルがあるんだよ...」


「無自覚?」


「そう。そのスキルはアルトが無自覚で言ってることの逆になる事が多いんだ...」


「そ、そんな....」


「そのお陰で俺は強くなれたから、あんまり気にするな。だからこれから入るボス部屋は気を引き締めていくぞ!」


「う、うん。」


「アルト様!落ち込まないで下さい。私がしっかりサポートしますから。

アンタ!アルト様を不安にさせるような事を言わないでよね!!」


俺は悪者かよ...

ただ自覚して欲しかっただけなのに...


(リアはアルトが心配なだけですよ。マスターあんまり気にしないで下さい。)


俺に優しいのはヴォイスだけだな...

ありがとう...


(てへへ...嬉しいです。)


「と、とりあえずこれからボス戦だ!

気合い入れて行くぞ!」


皆、頷いた。

気合いに満ちている良い感じだ...アルトを抜かして。


俺はボス部屋の扉を開けた。

そこに広がるのは大きな空間に城が建っていた。


「な、何アレ?前に来たときはあんなの無かったわ...。それにこんなのがあるなんて今まで一度も報告には無かった...」


ラテは驚愕していた。

しかし、驚いてばかりいられない...

鬼人オーガが100体ほど城の入り口を守っていた。

そして、城からは異様なオーラが漂っているのが離れたここからでも感じた。


「 作戦はいつも通り。ここからアルト、リアで魔法攻撃。ラテは討ち漏らしたモンスターを狙撃。そして俺とゴングがそこに突っ込んでいく。いいか?」


「「了解!!」」


鬼人オーガ達はまだこちらに気付いていない...

アルトとリアは魔法を詠唱している。

詠唱が完了したら、戦闘開始だ。

鬼人オーガ達のレベルは50そこそこだからそんなに強くはない。

普通の中級冒険者では、絶対あり得ないのだがコウ達は度重なる強敵と戦ったことLV 50位は脅威にならなかった。


アルトとリアの魔法力がピークに達してきた。

そろそろか...


「みんな行くよ!



氷刃の矢雨アイスティングレイン!!」




大量の氷の矢が次々と鬼人オーガという鬼人オーガに刺さっていく。


アルトとリアの放った魔法は今までと比べられないほどの規模になっていた。


これで殲滅と言わないまでもかなり大打撃を与えられたと思う...

俺は全体に運動能力向上と防御力向上の魔法をかけた。


生き残った鬼人オーガ達は一斉にこちらに向かって走ってくる。


しかし、ラテの新しい弓で次々と打ち倒されていく。


「この弓とコウの運動能力向上は本当にすごいわ...軽く射ってるのにとんでもない威力ね...」


「ラテの弓の技術も本当に凄いと思うぞ。

全部鬼人の急所に当たってるじゃないか...」


「規格外のコウにそう言われると自信がつくわね!」


規格外って...


アルト達の活躍で鬼人はオーガ残り数体まで減っていた。

そして城の扉まで近づいた。


「また、おらなんもしてねーだ...」


「ゴング何言ってるんだ?これからだぞ...

俺たちの出番わ...」


「兄貴...それはどういう....」


「この扉の向こうにはかなり強いモンスターが居る...

俺ではもしかしたらソイツの相手で手一杯で皆を守れないかもしれない...

ゴング!皆を守ってくれ!」


「そんなに強敵だだか...」

俺は頷いた。


パシッ!!


「わかっただ!先生やみんなはおらがしっかり守るだ!」

ゴングは自分の頬を叩いて気合いを入れた。


「頼むぞ。ゴング!」


「任せるだ!」


俺はそう言い、勢い良く城の扉を開けた。



そこに居たのは鬼人よオーガり一回り大きい奴4体と、その奥に玉座に座ってる明らかに異質な鬼人オーガが座って居た...

俺は即座に鑑定・全をした。




鬼人オーガジェネラルLV 80


HP10000

MP3000


アビリティ

・怪力・鬼火


弱点なし


この他の3体の『鬼人オーガジェネラルもほぼ一緒だ...

そして、奥の鬼人オーガを鑑定する...




鬼人キングLV100


HP15000

MP8000


アビリティ

・怪力・鬼の業火・咆哮

スキル

・王の威圧


弱点無し



おいおいおい...

あのジェネラルでさえ、デュラハンと同等で、キング...とんでもない強さだぞ...


「ラテ...あの奥の奴鬼人キングって言うんだけどランクはどれくらいだ...」


「ちょっとこんなときに冗談は止めてよ...

S級のモンスターが中級ダンジョンに居るわけないじゃない...」


「やっぱりS級か...

信じられないなら鑑定してみろ...」


「なっ!本当に鬼人キングじゃない...どうするの?逃げるなら扉が開いている今だよ...」


そこにアルトとリアが遅れて駆け寄ってくる。


「どうしたの?こそこそと話して...」


「なっ!?アルト、扉はどうしたんだ?」


「作戦会議してるのかと思って閉めて来ちゃったよ...って何か不味かった?」


「ラテ...どうやら戦うしかなくなったぞ...」


「アルト君のバカ!」


「えっ!?僕なんか悪い事をしたの?」


さすが、無自覚だな...


(そうですね...さすがアルトですね...)


ヴォイス...

俺は鬼人キングに勝てると思うか...?


(愚問ですね...マスターが負けるなんてあり得ません!マスターは最強ですから...)


ヴォイス...

ありがとう...

俺、勝てる気がしてきたよ...


(マスターなら大丈夫です。自信もってヤっちゃって下さい!)


おう!



「みんな。今から作戦を言う。って言ってもいつも通りだが...」


作戦を伝えて俺達はSランクモンスターと対峙する。

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