第32話、初心者ダンジョン再び




チュンチュン...


目が覚めた。

お酒も飲んでなく心身共にリフレッシュできた。


(マスター。おはようございます!今日は顔色いいですね。)


あぁ!すこぶる調子が良い!


(今日は初心者ダンジョン突破してランク上げですね!)


...そうだな。

Aランクモンスターも倒してるのに、

Dランじゃ馬鹿にされたり罵られたりされてもイヤだしな...


(早くランク上げて行きましょうね!)


あぁ...

早く最強になってモテモテになってやる!


(.......バカ。)




俺は準備して食堂へ、みんな来てから朝食を食べてギルドに向かった。

今日はやけにギルドが静かだなと思ったらラテが休んだらしい..

アルトは分かりやすく元気が無くなる。

一体魔女ラテは何をしてるんだか...


俺達は他の受付嬢から昨日の換金を受け取って、ソーマの店に向かった。


「おっ!来たね!剣の準備出来てるよ!」


ソーマが持ってきた剣はキラキラ光っていた。


「こ、これ高いんじゃ...」


「全然!

ここだけの話、鉄の剣を神秘の泉の水に浸しただけなんだ。」


「えっ!?」


「驚くよね!でもね、それだけでもう普通の鉄の剣じゃなくなるんだよ。」


「それは、どういう...」


「神秘の泉の水は精霊達の魔力で出来てる魔力水なんだけど、

それを剣が吸ってるから弱い魔法剣に変わるんだ。

もっと時間かければちゃんとした魔法剣が出来るんだけど、この剣でも中級ダンジョン位は行けると思うよ!」


「まじか!?」


「とりあえず、ダンジョンで試してみなよ!」


「あぁ!早速ダンジョン行ってみる!」


俺達はソーマの店を後にして、初心者ダンジョンに向かった。




ダンジョンに着くと、前回話してくれた傭兵がいた。

「こんにちわ~!」


「おっ!こんにちわ!お仲間さんも増えたんだね~!あんまり無理はしない様にな!」


「はい!ではまた!」



(マスターって猫被るの得意ですよね。)


そうか?前世では社会人として、当たり前だったけどな


(この世界では、貴族や王族以外では基本タメ口で構わないらしいですよ。)


そうは言ってもなぁ~。

職業病みたいなものだし。


(ぷぷぷっ!無職なのに)


前世のな!!



俺達は前回10階層まで降りてるので、

ポータルで11階層から降りることにした。


ちなみに、ゴングはこの初心者ダンジョンを過去に突破してるので一緒に11階層から降りた。


11~15階層は遺跡風になってるらしく、古代を感じさせた。


「ここがダンジョンね!スゴいわ!」


リアは飛び回ってる。

「リアちゃん!あんまり飛び回らないで。

何が出てくるか分からないんだから!」

「はぁい」

渋々アルトの肩にもどるリア。


「本当気を付けるだ。ここからの階層はおらが苦手なゴーストとスケルトンが出るだ」


「あはは!ゴングにも苦手があったんだな。」


「兄貴。おらにも苦手な事はあるだ。

何せゴーストは物理攻撃が一切効かないからな。

スケルトンならやれたんだけども。

それでも、おらは15層までは役に立たなかっただ。」


「それじゃゴングは、どうやって初心者ダンジョンクリア出来たんだ?」


「前のパーティーは物理特化だったから、15層まではナミカゼがほとんど倒してただよ。」


「やっぱナミカゼは強かったんだな」


「なんでおらがリーダーだったか今でも不思議に思うだ。」


「それは、適材適所ってヤツだろう。

ナミカゼの職業は暗殺者アサシンだったのだろう?

暗殺者アサシンが目立ったりしたら意味は無いもんな。」


「そういうことだったんだな。それなら納得しただ。」


「ナミカゼの風刃斬りとか火炎斬りが行けたんなら、俺とアルトには楽勝だな。」


「そうだね。ゴンさんとリアちゃんは僕が守るよ!」


「先生。すまないだ。」


「僕らはパーティー何だから、助け合うのは当たり前だよ!ねっ?コウ君!」


「そうだな。でも俺は双剣のスキルレベル上げたいから、今回は全部倒しちゃうかもな!」


「コウ君!それはズルいよ!僕もリアちゃんとの精霊魔法の特訓したいのに...」


「そうよ!アンタばっかりズルいわよ!」


「分かった。じゃあ1階層づつ交代で倒して行こうぜ!これなら公平だろ!」


「僕はそれでいいよ!」


「私もアルト様がいいならいいわよ!」


「なら決まりだな。まずは俺から行くな!」


先陣切って歩いていく。

もちろん気配察知は忘れずに

前方に気配を感じた。


一方は歩いているが、一方は空中を漂ってる。

これは空中にいる方はゴーストだな...。


俺は二本の剣を構え、

瞬歩で近づきまずスケルトンに一撃!

スケルトンは音もなく崩れ落ちていく...

そのままの勢いでゴーストにも一撃!

こちらも感触もなく浄化されていく...


あれ?物理攻撃は効かないはずじゃなかったっけ...?


(マスター。その剣は魔力剣なのでゴーストにも普通に効くみたいですね。)


スゴいな...。ソーマには感謝しないと...。


(その剣じゃなくてもマスターなら楽勝で倒せますけどね。)


そうだけど、魔力を温存できるのはありがたいよ...。


(そうですね。じゃぁバンバン倒して行きましょう!)


あぁ。


こうして俺は何にも苦労することなく11階層をクリアした。

12階層はアルトとリアのコンビだ。

俺とゴングはアルト達の後ろを歩いた。


「もし、危険を感じたらすぐ助けるからな。」


「コウ君、大丈夫だよ!ちゃんと見ててね!」


「フン!私が居るのにアルト様が苦労するわけ無いじゃん!」


「わかった、わかった。」


アルト達を先陣に行かせてしばらく歩くと俺の気配察知が反応した。


アルト達も気付いて身構えている。


「リア!行くよ!」


「ハイ!」

アルトが魔力を込めるとリアの身体がまばゆく光始めた。


聖なる光ホーリーレイ


リアの身体から放たれた光の光線が、

次々とモンスター達を浄化していく。



やだ。何あれ。めっちゃカッコイイ...。

まるで機動戦士ガン○ムにあった。

ファン○ル見たい...。


ヴォイスえもん~!

俺もああいうの欲しいよぉ~!


(ド○えもん見たいな言い方は止めてください!

マスターには無理です!)


知ってたも~ん。

ちょっと聞いてみたかっただけだも~ん。


(可愛い子ぶりッ子はやめなさい。気持ち悪い。)


はぁい...。

ヴォイスと夫婦漫才してる間に、

アルトとリアのコンビも難なく12階層をクリアしたのだった。




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