第30話、契約の儀
神秘の泉についた俺たちをマーリンが待っていた。
「お帰りなさい。
リアから念話で報告を聞いておりました。
これで、ここら辺一帯も安心です。
子供達も安心して暮らせます。
本当にありがとうございました。」
「いえいえ。
力になれたなら良かったです。」
「私達の家族達が守られました。
本当にありがとうございます。
こちらがお礼の品の泉の水が入った魔法の瓶になります。
これはここの泉と繋がってるので、
傾けると無限に出てきます。こんなのでよかったでしょうか?」
「ありがとうございます。
もちろんです。これで僕たちの装備もグレードアップ出来ます。」
俺は魔法の瓶を受け取って収納する。
「コウ様。こちらに来てください。」
マーリンに言われるがまま側に行くと、
マーリンの手がコウの頭を触る。
すると淡い光に包まれた。
「これで、鑑定全をコウ様に付与しました。
隠蔽の指輪を持ってたとしてもこれからは全て見れます。
ただし、任意で発動しないとダメなので、
コウ様のオリジナルとは別になります。
後、これが隠蔽の指輪です。」
指輪を受け取った俺は早速装備した。
「これで、鑑定全を持ってる人以外はコウ様のステータスが見れなくなりましたね。
しかし、人外の者には指輪の効力は効かないのでご注意ください。」
「分かりました。ありがとうございます。」
俺達は挨拶をして帰ろうとしたとき、リアが話しかけてきた。
「アルト様....。
私と契約を結んでくださいませんか?
私はアルト様と離れたくありません...。」
「リアちゃん、何を言って...。」
「本気なのですか?リア。
人間と契約を結ぶと言う事は....。」
「いいの!!ママ!私は本気なの!」
リアはマーリンの言葉を
「私はこの広い世界を見に行きたいの!
好きな人と世界を回るのが夢であり、
私の「ロマン」なの!」
あ...。
その
俺の予想だときっとアルトは...。
「行こう!リアちゃん!
共にロマンを感じに!この世界を一緒に回っていこう!」
あぁ~。
やっぱりな...。
こうなると思ってました...。
まぁ、俺はそれでアルトが強くなるなら全然いいんだ...。
そう、全然いいんだけどね...。
(マスター...。
何で俺じゃないんだろうって、思ってるのバレバレですよ...。)
うるせー....。
そんな事まで言わなくてもちゃんと自分で分かってるわ。
「ママ!いいでしょ?
私ちゃんと立派にやるから!
立派にアルト様と生きていくからお願い!」
「マーリンさん!僕からもお願いします!」
「はぁ...恩人のアルト様に言われたら仕方ありませんね。
ちょっと強引でワガママな娘ですが、
末永く宜しくお願いします。」
「ママ!ありがとう!大好き!」
「マーリンさん!ありがとうございます!」
おいおい...。
それでいいのか?
完全にリアがアルトのところに嫁ぎます見たいな感じになってるけど...。
アルトは事の重要さに気付いているのだろうか...?
(間違いなく気づいてはいないと思います。)
これは友達として忠告した方がいいのかな?
(いいんじゃないですか?別に...。
アルトはこれからまだまだ無自覚にモテて行きますし、この世界は多重結婚なんて当たり前にありますからね。)
えっ?
今なんと?
(多重結婚のところですか?)
その前の言葉...。
(あぁ、アルトが無自覚にモテるってことですか?)
そこ!!
何でアルトがそこまでモテるんだよ!?
(マスターに関係なさそうなステータスを表示してなかったんで鑑定しても見えなかったと思うんですが、
アルトにはそういうスキルがあるんですよ。)
まじか...。
俺が見たときは無かったけどな...。
俺はアルトを任意で全鑑定をして見た。
スキルの欄を見ると、
あった...。
このスキルだ。
「無自覚」と「モテ男」。
「無自覚」
・意に関して無い事を言ったり行動したりする。
「モテ男」
・異性からかなりモテる。
尚、この二つのスキルはミヨウミマネは出来ない。
な...。
ななな.....。
なんじゃこりゃぁぁ!?
(マスターがミヨウミマネ出来ないスキルだから表示しても意味がないと思い、
表示しませんでした。
もし表示してたらマスターの性格なら、
アルトと仲間になってなかったと思いますし...。)
正解だよ..。
こんちくしょう...。
(気にしてもしょうがないですよ。ミヨウミマネ発動しないんですから。)
帰ったら枕をびちょびちょになるまで泣いてやる....。
(マスター。ワタシが側でずっと慰めますね...。)
ありがとう...。ヴォイス...。
だからアルトは、フラグ立てたり、急に告ったりしてたのか...
妙に納得できた。
「それで、リアちゃん契約ってどうするの?」
「それは...」
リアが真っ赤な顔してモジモジしている...。
「...アルト様、目を瞑って頂けませんか?
恥ずかしいので...。」
「こうかな?」
「ハイ。行きますね。」
すると、リアはアルトの顔に近づきそっと口づけをした。
「...これで、契約完了しました。」
「あ、うん...。」
二人の空間に甘ったるい空気が流れてる。
マーリンの方を見ると、
まるで結婚式場のお母さんの感動の涙的な感じで泣いてるよ...。
精霊の子供達も顔真っ赤にしてるし、
ゴングはゴングで、
「良かっただ~!本当に良かっただ!」
とか泣いてるし、
俺は別の意味で泣きたいよ...。
プリーズ!モテスキルゥゥ!
俺の心の声が虚しく響いたのだった.....。
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