第26話、お酒は飲んでも飲まれるなって言うけど、無理みたい。
チュンチュン。
朝か....。
具合が悪い....。
完璧に二日酔いだ...。
「
それにしてもまた記憶が無いんだが...。
(マスター...。おはようございます...。)
ヴォイス。
昨日も全く記憶が無いんだけど、俺なにかやらかしてないよね?
(...............。)
あの...。
ヴォイスさん....?
(....................フン。)
すいませんでした!!
俺は即座に土下座のポーズをした。
(いいですか!?
マスターは金輪際お酒を飲むの止めてください!
あぁ~!!恥ずかしいったらありゃしない!)
えっ!?
ヴォイスがそこまで怒るって俺何したんだろう...?
何したか教えて貰う事って出来ませんか?
(食堂に行ってオカミさんにでも聞いてみたら良いじゃないんですか!?フン!!)
ヴォイスがめっちゃ怒ってる...。
これは緊急事態かも知れない.....。
俺は直ぐ様、準備を整えて食堂に向かった。
入ってすぐにオカミさんが居たので、
「おはようございます!昨日は大丈夫でしたか?」
「あら、あんた覚えてないの?」
「すいません!昨日の記憶があんまり無いもんで...。」
「そうなんだ...。まぁあれだけ飲めばしょうがないわよね...。」
オカミさんは残念がっているけど、
本当に俺は何をしたんだ?
「次からはあんまりおばさんをからかわないでね。本気になっちゃうから...。」
と言い残し、オカミさんは食事の準備を始めた。
おぉい!!
俺は何をしたんだ...。
まさかとは思うけど、オカミさんを口説いたりしたとか...。
(察しがいいですね。その通りですよ。
マスターにはワタシというものが居ながら...。
本当に呆れてものも言えないです。)
すいませんでした!
オカミさんにも心の中で謝った。
しばらくするとアルトとゴングが食堂にきた。
「昨日はあの...。凄かったね...。」
「兄貴はその...。凄いですね...。」
おいおい、気まずさ全開は止めてくれ...。
ここは話を変えなきゃ。
「まぁ昨日はしょうがない!
酒は怖いね!酒は飲んでも飲まれるなってね!次は気を付けるさ!あはは...。」
俺は明るく振る舞ったのだが、2人の反応は薄い。
「そうだね...。」
「んだな...。」
(明るくすれば明るくするほど、マスターが滑稽に見えてきます...。)
それを言われると胸が痛い...。
気持ちを切り替えないと。
「よし!朝食食べ終わったら、ギルドに寄ってソーマの所に行くぞ!」
そそくさと食べ終わり、
オカミさんに礼を行ってギルドに向かった。
ギルドに着くなり、
「アルトく~ん♪おはよ~♪」
「ラテさん♪おはようございます♪」
今日も完全二人きりの空間だな...。
朝から羨ましい限りだ...。
しかし、今日は用事があるから早く用事を済ませないと、
「ラテさん、おはようございます。
早速昨日お願いした換金の件ですが...。」
「うわぁ~。
「は?」
「今、私はアルト君と朝の挨拶してるの!!
アンダースタン!?」
「それは知ってますけど...。」
「ならもう少し一緒に居させてよ!!」
「いや、でもラテさんも仕事しないと...。」
俺の声はもうラテには届いていなかった。
2人はイチャイチャしはじめた。
もう完全カップルじゃん...。
蚊帳の外に追い出された俺とゴングは10分位ボーッとして、2人のラブラブタイムが終わるのを待った...。
「ラテさん、コウ君達が待ってるから今日はこの辺で...。」
「えぇー!!わかった...。
じゃあ、またアルト君がギルドに来たときに話そうね♪」
「は、はい♪」
「コウ~。もういいわよ!換金でしょ?ホラッ!」
もう換金は出来てたんかい!!
さすが
俺はラテから換金した袋を受け取った。
チャリ...。
あれ?
なんか少なくないか?
中を見てみるといつもと違う金貨が入っていた。
これは...?
「コウ君、これは白金貨だよ!」
「お、おら、白金貨なんて初めて見ただ!!」
確か白金貨ってこの国で2番目に高い硬貨じゃなかったっけ?
それが2枚も。
「それはロックドラゴンの素材代よ。」
「こんなに貰えるものなのか?」
「何言ってるのよ!
Aランクモンスターの素材は高いのよ!
核と魔石があったらもう3枚は出たわね...。」
マジか...。
Aランクモンスターってすげぇな。
「後の白銀貨3枚は、他の素材と魔石ね。」
冒険者ってすごい稼げるのな...。
でもこれはパーティーのお金だから大事に収納しよっと。
「これでオーダーメイドの装備のお金も安心だな!」
「そうだね!」
「んだけど、おらまで良いのか?」
「何言ってるんだ?俺達はパーティーなんだからゴングの装備も一新するのは当たり前だろ!」
「そうだよ!遠慮なんかしないで!」
「兄貴、先生!! ありがとう。」
「んじゃ、ソーマの所に行くか!」
「うん!」
「んだ!」
俺達はギルドを出て
「やあ!来たね!」
「今回は何の素材を取ってくればいいんだ?」
「君たちには精霊の森に行って、神秘の泉の水を持ってきてもらいたいんだ。」
「精霊の森?」
「ここから南西。馬車で三時間位の所に広がる大森林さ!」
「大森林って広いんだろう?
泉探しは俺達だけじゃ難しくないか?
ソーマもついて来てくれるんだよな?」
「僕はミスリルの加工とかやること多くて行けないんだよ...。
案内は大丈夫!これを貸すよ!」
ソーマから1つの指輪を渡された。
「これは?」
「これは精霊の指輪って言って、精霊族との友好の証なんだ!
身に付けてると精霊が寄ってきて道を教えてくれるはずさ!」
「これなら行けそうだな。
わかった!じゃあさっそく行ってくるわ!」
「うん。気を付けてね~!」
俺達は馬車に乗って南西の大森林に向かうのだった。
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