第24話、トラウマ再び...。




「いやぁ~、Aランクのロックドラゴンまで倒すとは。しかも無傷で...。」


ソーマは驚きを隠せなかった。


「兄貴が居ればこんなもんだべ。」


「僕なんか魔力枯渇症マインドダウンでまた倒れちゃうし...。面目ない...。」


「なに言ってるんだ?

二人が居なかったらこんなにあっさり倒せてなかったよ。」


俺はそう言いながら竜の亡骸ロックドラゴンを収納しようとするとソーマが、


「この竜の素材も君達の武具製作に使わせて貰っていい?

この素材があれば冒険者の街アバドンでは手に入らない様な、かなりいい武具が出来るよ!」


「あぁ、お願いするよ。

使わない素材は売ってもいいか?」


「もちろん!

と言っても、僕が使うのは核と魔石位だけどね。」


後は、もろもろと売れる。

一体いくらになるんだろう...?

想像もつかない...。


(マスター。

顔が悪徳商人になってますよ...。)


ハッ!

いかんいかん!

これではモテないじゃないか!


(まだ諦めてなかったんですね...。)


俺は諦めない!

絶対モテてハーレムじゃ!

女の子の中で戯れて生きていくのじゃぁぁ!


(うっわぁ...。ひくわぁ~...。)


ヴォイスにひかれつつ、

荷物を全部収納して下山を始めた。


帰りもモンスターが出たが、

ドラゴンを倒してレベルがかなり上がったらしく、苦戦することも無くに極楽亭に着いた。



温泉で身体を休めながら、俺は久し振りにステータス確認をしてみた。




コウ・タカサキ(15)LV18→35

無職ノービス


・HP1200→2450・MP1000→2200

ユニークスキル

・「ミヨウミマネLV3→5」 ・「英知の書(仮)LV2→4」

オリジナルスキル

・「ヴォイス」


スキル

・上級剣術(仮)LV7→上級剣術LV2

・new双剣術(仮)LV1

・「一閃」・new「岩砕拳」・new 「隠密」

・new 「気配察知」・new 「風刃斬り」

・new「火炎斬り」

オリジナル技

・「一閃乱舞」・new「岩砕剣」・new「岩砕乱舞」

魔法

・ファイアアロー LV4・ウォーターボール LV4

・ウインドカッター LV4→7

・ライトニング LV5

・ヒーリング LV3→5

・プロテクション LV2→5

・フィジカルアップLV2

合成魔法

・ワイディングスタン LV2

・トリプルスピアー LV2

・ワイディングライトニング LV3

・newアイスツージャベリンLV1

バッシブスキル

・腕力 LV3→7・鉄壁 LV3→7

・回避 LV3→8・集中 LV 3→7

・体力 LV1→5

・魔力増大 LV3→7・魔力回復 LV3→7




なんだ...。

このぶっ壊れステータス。

ってか、1日でレベルが20近くも上がってる。

おっ。

上級剣術に(仮)が無くなってる。

こうして目に見えて強くなってるって最高だな。


(そうですね。

ワタシもマスターがドンドン強くなって行くのを見てるのが楽しみです。)


コウは想像以上にレベルが上がった事に、テンションもあがり、意気揚々と温泉を上がった。

そして、美味しい極楽亭のご飯を食べて、

いい夢見心地で就寝に就くのだった。




明日の帰り道を地獄トラウマだとは知らずに...。






チュンチュン。



朝日と共に俺たちは起きて、

アバドンに向けて下山し始めた。


「いやぁ~!今日もいい天気だな~!」


「うん!そうだね~!」


「今日は俺が先陣切って行くから宜しくな!」


「「えっ?」」


3人の驚きをよそに、

コウは意気揚々と先陣切って歩き始めた。


「先生...。兄貴はトラウマゴキブリ克服しただべか?」


「うーん。どうだろ...?

わかんないけど、ゴンさん。

一応、戦闘準備して貰えますか?」


「分かっただ。」


アルトは皆に身体能力向上フィジカルアップ防御力向上プロテクションをかけて、コウに付いていった。





しばらく歩いていると...。

コウが止まった。





ガサッ。




ガサガサッ。




ガサガサガサガサガサガサ.....。





前方の方で気色悪く動いていた。

ロックローチゴキブリの数は300匹とかなりの数だ。



「コウ君...。大丈夫...?」


返事がない。


「兄貴...。大丈夫だべか?」


返事がない。


アルトとゴングはコウの顔を覗きこんだ。




コウは顔面蒼白して白目剥いて、気絶していた。



「まじか!?

ゴンさんこれはヤバい!!

僕がでかい魔法で、ロックローチを一掃するからコウ君をお願い!」



「分かっただ!兄貴の事は任せるだ!!」



コウに向かって、一斉に飛んでくるロックローチゴキブリをゴングは庇って全ての攻撃をもろに食らっている。


ゴングの身体は徐々に削られて傷がついていく。


「兄貴...。しっかりしてけろ...。」


コウはまだ気絶していた。



「ゴンさん!待たせました!

コウ君を抱えて離脱してください!!」


「わかっただ!」

ゴングはコウを抱えて直ぐ様アルトの魔法の範囲から離脱した。


氷刃の雨矢アイスティングレイン!!」



前方のロックローチに天から、

数百数千の氷の矢が降りかかりロックローチゴキブリを見事一掃させた。





「先生の魔法も凄いだな...。」


「ハァハァ...。僕なんかまだまだだよ...。

それよりゴンさん怪我してる。

少し動かないで、ヒーリング。」



ゴングの傷がみるみる治っていく。


「先生ありがとだす!」


「いやぁ~!すごい魔法だね!

昨日に引き続き今日もビックリしたよ!

それにしてもコウくん。

気絶するなんて、

よっぽどロックローチゴキブリがトラウマなんだな...。」


「そうですね...。

ソーマさん、コウ君が起きるまで待ちますか?」


「いや、待つのは危険だな。

ここは再出現リポップが早い場所だし、

コウくんをおぶってさっさとふもとまで下山しよう!」


「わかりました。

ゴンさん、コウ君をおぶって貰えますか?」


「んだ。おらに任せるだ!」




こうしてゴングにおんぶされたコウは、

気絶したまま下山したのだった。

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