第23話、山の頂上にはご注意を。

俺達はようやく山頂に着いた。


「じゃあ、僕は採掘始めるから~。

コウくん達は適当に待っててよ!」


ソーマはそう言うと、

山の一角をツルハシで削り始めた。


30分後...。


青い空、いい景色。

そして、いい天気。

俺はゴロゴロマッタリしてた。

でも、なんもしないのも退屈だよな...。


「ソーマ。俺も手伝うよ!ただ待ってるのが暇でさ~。」


「じゃあ、ちょっと手伝ってもらおうかな。」


「兄貴がやるなら、オラも手伝いたいだ!」


「僕一人だけ残さないで...。僕も手伝わせてよ!」


結局、皆で採掘する事になった。


ゴングは岩砕拳がんさいけんで岩をガンガンと削っていき、

アルトは風の刃ウインドカッターで岩を切って行く。

ソーマは2人が破壊した岩に付着したミスリル鉱石を剥がして、

俺はそれを収納していく....。


俺だけ何もしてなくね?

これで手伝っているって言えるのかな...。

とか思いながら、あっという間に2時間が経過した。


「よし!お疲れ様~!

これだけあれば当分取りに来なくても良いね~♪皆、ありがとう~!」


採掘が終わり帰り支度をしてると、

俺の気配察知に何かが引っ掛かった。


「みんな気を付けろ!何かが来るぞ...!!」


俺の声に皆、身構える。





バッサ...。バッサ...。




上空から大きな黒い影が現れた...。





「あ、あれは...。ロックドラゴンだ!!」


ソーマは叫んだ。



ヴォイス!

ロックドラゴンの鑑定解析を頼む!


(了解しました。)



5メートルはあるだろうか...。

ロックドラゴンは俺達を標的にして威嚇をしてくる...。



「アルト!

皆に身体能力向上フィジカルアップ防御力向上プロテクションを!

ゴングはアルトとソーマを守れ!」


「うん!」

「んだ!」


俺も皆に身体能力向上フィジカルアップ防御力向上プロテクションを重ね掛けした!



まずは飛んでいるの巨体を引きずり落とさないとな....。


(解析終了しました。)


ヴォイスの解析が視界に映し出される。



[ロックドラゴン]


・竜種の中では最弱だがAランク相当のモンスター。

・得意な攻撃は空からの岩の咆哮ロックブレス

・固い守備力と空からの遠距離攻撃で敵を殲滅する。

・弱点属性は氷と風、打撃。




「アルト!

氷魔法とか使えるか?

ヤツロックドラゴンの弱点なんだ!」


「出来ないことはないけど、魔法の構築、威力向上して発動となると2分位かかるよ。」


「わかった!時間を稼ぐから、どでかいヤツを頼む!」


「分かった。」


「ゴングは詠唱してる間、アルトを守ってくれ。そしてアルトが魔法を放ったら攻撃に参加してくれ!

ヤツロックドラゴンは打撃も有効みたいだから期待してる!」


「分かっただ!兄貴はどうするんだべか?」


「俺はアルトが魔法を完成させるまでの時間を稼ぐ!頼んだぞ!」


「んだ!」



これでよしと...。

さてとあのバカデカイヤツロックドラゴンと1人で相手しないと。

俺は3人から距離を取りロックドラゴンの敵対心ヘイト を俺に集中させるため先に攻撃を仕掛けた。



風の刃ウインドカッター。」


無数の真空の刃がロックドラゴンに当たるが全然効いてるように見えない。


(マスター。

距離が遠すぎて威力が半減してます。)


距離まで考えてなかった...。

なら普段の3倍の魔力を込めて。



風の大鎌ウインドカッター!」


危険を察知したドラゴンが風の大鎌ウインドカッターを避ける。


ヤツは俺を脅威と判断してくれたみたいだ。

敵対心ヘイト稼ぎは成功だな。



ドラゴンは俺に目掛けて口を開いた。


(マスター。

ロックブレス来ます。)


わかってる...。


俺は照準を絞らせないように瞬歩しゅんぽで動きを撹乱かくらんしていた。

ドラゴンのブレスは俺には当たらない。


全然ブレスが当たらないドラゴンが大きく息を吸って特大なブレスを吐くまさにその瞬間だった。



二本の氷の大槍アイスツージャベリン!」


特大な氷の槍がロックドラゴンの両翼に突き刺さる。


ギャォォォーー!!


痛みで激しく叫ぶ。

両翼を失ったロックドラゴンは墜落した。


魔力を無理して絞り出したのだろうアルトもその場で倒れた。

ドラゴンを墜とすほどの魔力を使ったのだから仕方ない。


「コウ君。後、お願い...。」


「任せろ!

ゴング行くぞ!!」


俺とゴングは、墜落したドラゴンに近づいた。


「オラオラ!いくだよ!岩砕拳がんさいけん!!」


身体能力向上フィジカルアップを重ね掛けしているお陰か、

ゴングはの拳はドラゴンの外殻がいかくを皮膚が見えるまで削っていった。


俺は全身に魔力をまとわせて!

ゴングが削ってあらわにされた皮膚の部分に向かって一太刀ひとたち


一閃いっせん。」


技が決まったその瞬間。



大きな胴体を貫き、ロックドラゴンは完全に沈黙をしたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る