第22話、たまにはやるよね!ぶっつけ本番で!




朝起きて俺はビックリした。

身体の調子がすこぶる良くなってる。


「今日はめちゃめちゃ身体が軽い!

なんだこれは?」


「ここの温泉は魔力が入っている温泉だから、

身体の疲れや、コリ、腰痛などその他もろもろに非常に聞くのさ!」


ソーマは極楽亭の回し者じゃないかと言うくらい細かく教えてくれた。


ん?違うよね...?

極楽亭の回し者じゃないよね?




それから俺達は朝食を食べて宿を出た。


「これから山頂に向かうけど、準備はいい?」


ソーマが言う、


「おう!」

「うん!」

「んだ!」

俺たちも気合い充分だ。


「ここからはロックゴーレムと、ロックリザードだけだから、コウも戦えるよ!」


ソーマは茶化してくる。


「もう大丈夫!

ロックローチゴキブリはムリだったけどそれ以外ならドンとコイッ!!

むしろ俺だけでもいい感じだぜ。」


「兄貴気合い入ってるだな!」


「おうよ!

今日こそ俺が先陣を切って行くから、

ゴングはアルトとソーマを守ってくれよ!」


「分かっただ!」


しばらく山道を歩いていると、気配察知に何か引っ掛かった。


「モンスターの気配がする!

皆、気を引き締めろ!!」


ロックリザードが10体ほど、

わさわさと集まってきた。


見た目は只の大きなトガゲだな...。


ロックリザード達は大きな口を開けて威嚇している。


(マスター!

気を付けてください魔力を感じます!)


魔力?

モンスターが??

まさか~...。


なんて思ってると、ロックリザードが口から大きな岩が生成されている!


なんとソレを発射してきた!


「まじかよ!風の刃ウインドカッター!」


飛んできた岩を粉々にして瞬歩しゅんぽで近づき、

ロックリザードの脳天にショートソードを突き立てて絶命させた。


皮膚は柔いな..。

これなら剣で行ける!

ちょっと試してみるか...。

瞬歩しゅんぽによる一閃乱舞イッセンランブを...。


「行くぞ。一閃乱舞イッセンランブ!!」


瞬歩でロックリザードに近づき目にも止まらないスピードで斬って行く。

残りのロックリザードを一瞬で殲滅できた。


全然、脚に負担がこない...。

これなら行ける!


「コウ君...。スゴすぎるよ...。」

「さ、さすが兄貴...。格好いいだぁ~!!」

「一人でこうもあっさりと倒すなんて、スゴい...。

コウくんはランクでいうと、

もうAランク位の戦闘力はあるよ...。」


「俺もやるだろ!

ロックローチゴキブリじゃなければ全然余裕だぜ!!」


コウは意気揚々と先陣を切って歩いていく!


(マスター...。

あんまり調子に乗るとロクな事が起きないような気が...。)


ヴォイス...。

縁起でも無いことを言わないでくれよ...。



順調に俺達は次々来るロックリザードを倒しながら、

山の七合目に来た。


「ここからはロックゴーレムの生息地帯になるよ!

ロックゴーレムは動きが鈍いけど、

防御力が非常に高いからコウくんのショートソードじゃ切れないかもしれない...。」


「ソーマ。大丈夫だ。

その辺はちゃんと考えがある。」


「兄貴!!オラも一緒に戦いたいだ!」


動きが鈍いなら、

アルトもソーマもロックゴーレムから攻撃がきても避けられるだろう...。

大丈夫か...。


「よし。一緒に戦おうぜ!ゴング!!」


「んだ!!

兄貴の邪魔にならないように頑張るだ!!」


「わかった。ただし、無理はするなよ!」


「分かっただ!!無理はしねーだ!」



ガラガラガラ......。


ゴゴゴゴゴォォォ............。


2メートル位の大きさの岩のゴーレムが次々と俺達の前に現れた。


「これがロックゴーレム?

...それにしても数が多すぎじゃないか?」


ここは通さないって感じで、

ロックゴーレムおよそ100体が行く手を阻み、こちら向かってくる。



「おかしいな...。

この山のロックゴーレムは普段現れても、

10~20体位なのに...。」


とソーマは呟く。


「来るぞ!!

俺とゴングで前衛に行くから、

アルトは魔法で援護してくれ!」


「分かった!」


アルトは俺とゴングに身体能力向上フィジカルアップ防御力向上プロテクションをかけた。


ゴングが先に前に出て攻撃を仕掛ける。

「おらぁ!行くだよぉぉ!!

岩砕拳がんさいけん!!」


ドッゴォォン!!


ゴングが殴った時に出た爆音と共に、

ロックゴレームの1体が粉々に崩れ落ちる。


アルトの身体能力向上フィジカルアップのお陰で攻撃はいつもよりパワーを増している。


俺も負けてはいられないな...。

俺は岩砕拳のイメージを剣に纏わせた。

それを襲ってくるロックゴーレムに向けて放つ。


岩砕剣がんさいけん!!」


ザシュュュン!!


ロックゴーレムを真っ二つに切り離した。

成功だ...。


(マスター...。

ぶっつけ本番で無茶しないでくださいよ...。

もし失敗したらやられるんですよ!!)


まぁまぁ...。

そう小言を言いなさんな...。

俺は成功する気しかなかったんだからさ!!


(マスター...。貴方って人は...。)



「あの固いロックゴーレムを、剣で真っ二つって...。」


ソーマはキョトンとしてた。

俺とゴングは次々とロックゴーレムを倒していった。


「それにしても、マジで数が多いな...。」


「んだなぁ...。倒しても倒してもキリがないだ...。」



俺はこの数をどうにか出来ないか考えた...。


...ん?

そういえば...。

岩砕剣がんさいけんが出来たって事は、

もしかしたらアレも出来るんじゃ?


(マスター!!また無茶をしようとしてません!?)

大丈夫だから。ヴォイスは心配性だね...。

(心配しますよ...。全く...。)


「ゴング!

試したい事があるからやるけど、もし失敗したらフォロー宜しく!!」


「えっ!?わ、分かっただ!」


俺はゴングを少し後ろに下げ、[一閃乱舞]の構えに入る。


瞬歩しゅんぽ一閃乱舞イッセンランブ岩砕剣がんさいけんを合体させたオリジナル剣技


岩砕乱舞がんさいらんぶ!!


その技を俺が使った瞬間、

次々とロックゴーレム達が粉砕されていく。

その様子を3人は唖然と見ていた...。


「何あの動き...?人間の動きじゃないよ...。」


ソーマは驚愕していた。


「僕にはコウ君の動きが速すぎて、目で追えないんだけど...。」


「オラもなにも見えないだ...。

オラにはただ勝手にロックゴーレムが、次々と崩れていくんだけんども...。」


アルトの身体能力向上フィジカルアップで普段よりも物凄く速く動いていたらしい。


時間にして20秒位だろうか?

残り50体ほどいたロックゴーレムは、

俺の手で全て殲滅をした。


「よし、おしまいっと...。」


振り返ると3人は口をポカーンと開けていた。


「終わったぞ!

3人とも間抜けな顔してないで、先に進むぞ!

そろそろ頂上が見えそうだし!」


「あ、あぁ...。」

「う、うん...。」

「ん、んだ...。」


三人とも目の前で起こった事の驚きを隠せないまま俺の後に、付いていくのだった。


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