第17話、全然、話を聞かないヤツっているよね?
目が覚めた...。
猛烈な頭痛がする...。
昨日は完全飲み過ぎた...。
「キュア。」
俺は解毒の魔法をかけて二日酔いを中和させた。便利な魔法だ。
それにしても、昨日は全く記憶がない...。
前世でもそうだったが、
この世界でも俺はお酒は強くはないらしい。
アルトは大丈夫かな...??
準備を終わらして食堂に向かう。
「コウ君おはよ~!」
「お、おう。おはよう...。」
めちゃめちゃ元気なアルトの姿があった。
あれ...?普通じゃん!
よかったぁ~!
何もなかったんだな...。
と安堵している俺におかみさんが近寄ってくる。
「あら、おはよう!
昨日は面白かったわよ~!
二日酔いだろうから、今日は香草粥にしておくよ!」
面白かった?
何が面白かったの?
...とオカミさんに聞けるはずもなくたたずんでいると、ヴォイスが話しかけてきた。
(マスター...。
昨日は酔っぱらって
まじで!?
(本当に恥ずかしいったらありゃしない...。)
心無しかヴォイスの声が冷たい...。
俺はお酒はほどほどにしようと、
心に決めたのであった。
オカミさんが持ってきてくれた香草粥でお腹を満たし、2人はこれからどうするか話し合った。
「そういえば俺たちの装備ボロボロだなぁ...。」
「そうだね...。あれだけの戦闘を繰り広げたからね...。」
「そうだ!
ギルドで昨日の報酬貰いに行ったら武具屋に行かないか?
初心者ダンジョンをクリアするために新しい装備にしようぜ!」
「うん!いいね!
でも僕は武具屋知らないけど...。」
「そこはラテさんに聞いてみようぜ!」
「うん!!」
アルトの顔がキラキラしてる...。
本当ラテさんの事を大好きなんだな...。
そこまで好きなら俺は応援する。
うん。
やっぱり、仲間は幸せの方がいいもんな!
脈アリそうだし。
こうして俺達はギルドに向かった。
ギルドは今日も人でごった返していた。
「アルト君おはよう!ついでにコウ君も!」
「お、おはようございます!」
「おはよう...。」
俺はこの先いつもついでにと言われるんだろうか...?
「ラテさん報酬貰ったら武具屋に行きたいんですが、どこか良いところはありませんか?」
「うん!あるよ~!
ただ少し変わってる人だけど、武具の扱いは超一流だよ!
ワタシも冒険者時代に良く使ってたし!
報酬と紹介状を書くから、そこのテーブルに座って待ってて。」
俺達は空いてるテーブルに座って待つことに...。
すると俺達の前に大きな人影が...。
「おぉぉいぃぃ!!
てめえがラテさんに告白したヤツだなぁぁ!!」
...は?
大きなゴリラ見たいな顔をしたヤツが俺を見て怒鳴って来た。
なんで俺が言われてるんだ?
俺じゃないんだけど...。
横目でアルトを見ると、アルトは縮こまってた。
そりゃこんな
それにしてもアルトよ、
昨日俺は強くなります!
って宣言してなかったか?
まぁ、人はそんなにすぐ変われないから仕方がないか...。
その大声でギャラリー達が集まってきた。
喧嘩か?とか揉め事か?面白そう!!
とか楽しんでるんじゃないよ!全く...。
「無視してんじゃねぇぞぉぉ!
Dランクのカスがぁぁ!」
温厚な俺でもカスと言われると流石にイラっとくる。
「おぉぉぉい!
無視してんじゃねぇぇよぉぉ!!」
これ殺っていいよね...?
殺っていいやつだよね...?
(マスター。
こんな所で暴れたらギルドを除名されて、
犯罪者として衛兵に連れていかれて牢屋行きですよ。)
何で絡まれてる方が犯罪者なんだよ...。
本当にこの世界は
でもなんか反論しなきゃな...。
言われっぱなしは嫌だし...。
「告白したからってなんだよ...。
お前には関係ないだろ...?」
「バカか!お前!関係ならあるわぁぁ!!
俺はラテさんと付き合う予定なんだからなぁぁ!」
「は?」
何を言ってるんだ?
このゴリラかなりヤバイヤツだ...。
俺はカウンターのラテさんを見る。
ブンブンと首を振って、ゴメンねのジェスチャーをしている。
丸投げかよ...。後で理由を聞かないと。
「俺のぉぉ!嫁さんにぃぃ!!
付きまとうなぁぁ!!」
キモッ!
あぁ...。イライラする...。
「うるさいよ...。
このキモゴリラが。
何なんだ一体?ゾロゾロお仲間連れてきて。
付き合う予定?俺の嫁?
妄想なら
ここは
そして俺は
ギャラリーは大爆笑してる。
良いぞぉ!とか、もっと言ってやれ~!とか
このゴリラ結構嫌われて居るんだな...。
ププッ!可哀想なゴリラ...。
(フフッ。マスターの性格も中々ですね。)
「この野郎ぉぉぉぉ!!
もう許さねぇぇぇ!!」
とゴリラが殴りかかろうしてきたとき、
「リーダー!ここではダメっすよ!」
パーティーメンバー4、5人でゴリラを止める。
「まるで知能がないモンスターだな。
恥ずかしくないのか?
俺だったら恥ずかしくて顔だして歩けないよ。早くゴリラの家に帰れよ。」
「殺すぅぅ!!絶対殺すぅぅ!!
決闘だぁ!!
貴様ぁぁ!!地下の訓練場に来やがれぇぇ!」
ゴリラのその言葉にギャラリーが沸く!
「おぉ~!久し振りの決闘だ!」
「これは席を押さえないとな!」
とか勝手に言ってる。
えぇ...。
断りたい...。
非常に断りたい...。
(マスター。この決闘受けてください。)
...へっ?何で?
(しかも、全員を相手に!)
え?
流石にそれ俺、殺されちゃうんじゃない?
(それは大丈夫です。
マスターは強いですから!
それにマスターが好きそうなスキルを持っている人が中に居るから、
獲得しとかないともったいないですよ。)
鑑定で良く見てみる!
ゴリラは、
パーティー名「
リーダー
ゴング(25)LV30
職業・
・HP1200・MP500
スキル
格闘術LV10
技
「
俺が持ってるスキルはヴォイスが表示を割愛してくれている。
格闘術か...。
剣が折れたときに使えるな。
「
多分、あれだな...。
拳に力を込めて殴る的な...。
流石はゴリラ。
パーティー名「狼の牙」ってのも似合わねぇ~。
どうせなら「ゴリラの
(同感です。)
ヴォイスとは本当に趣味があうな。
俺は嬉しいよ。
俺は狼の牙の他のメンバーを見渡す...。
コイツはいらん。
コイツはいらん。
おっ!?
いたいた!!...コイツか!
ナミカゼ(24)LV29
職業・アサシン
・HP1000・MP400
スキル
技
「
「
「
おぉ~!
コイツはかなり優秀だ!
双剣術かぁ...。イイネ!
剣を両手で装備して、モンスターを無双していく...。
想像するだけで、格好良いい!
いや、格好よすぎる!!
よし!
やろう!!
「あぁ!
わかった!
アルト先生!
先生が出るまでもありません!」
「ふぇ!?」
「俺一人でぶっ飛ばしますから!」
「コ、コウ君何を...?」
俺はアルトの耳元で囁く。
「こう言っておけば、
俺よりアルトが強いって思って、絡まれなくなるだろ...。
それに俺の
「なるほど!
コウ君、ありがとう。そしてゴメンね。
僕、怖くて...。」
「そんなの気にすんなって...。
ドシッっと構えて待っててくれ!
速攻終わらすから。」
「うん!コウ君死なないでね!」
アルトは笑顔で言ってくる...。
ん?
....。
.............。
......................。
ま、まさか。フラグじゃないよね....?
俺はフラグじゃないことを祈りつつ、
「おい!ゴリラ!
決闘受けてやる代わりに条件がある!」
「なんだぁぁ?」
「お前のパーティー全員で掛かってこい!それが条件だ!」
「なんだとぉぉ!?舐めやがってぇぇ!!
てめえ!本当に死んだぞぉぉ!」
おぉーっ!!と、ギャラリーがめちゃめちゃ盛り上がっている。
そして、俺達は地下の訓練場に着いた。
辺りはギャラリーの冒険者達で埋め尽くされてた。
この世界は娯楽が少ないので決闘があると、
それを楽しみに人が集まってくる。
しかも、ちゃっかり入場料取ってるし...。
審判にギルド長が出てくるし...。
まるでお祭りだな...。
少し位お金貰えたりするのかな?
貰えたらいいな...。とか考えていると、
ギルド長が前に出て高らかに声を出す。
「これよりDランク冒険者コウ・タカサキと、
Cランクパーティー「狼の牙」との決闘を始める!」
うおぉぉぉぉ!!
会場のボルテージは最高潮に高まった!
「尚、決闘の為もし殺しても罪には問わない!!」
...え?
そうなの?
今から辞退したらそれこそ暴動と腰抜けのレッテル貼られるだろうな...。
(マスターは強いから大丈夫ですって。
案外心配性ですね...。)
そりゃ~、殺されるかもって思うとね...。
(マスター。気を引き締めてくださいね!)
おう!!
俺だって強くなったんだ覚悟を決めろ。
気合い入れって剣を構える。
「よし。お互い準備はいいな...。
それでは始め!!」
ギルド長の合図と共に、
ゴングとナミカゼ以外の8人が一斉に襲ってきた。
狼の牙のパーティーは基本的は
唯一気を付けないといけないのは、ナミカゼだ。
まだ見ぬスキルがたくさんあるからな...。
「やっちまえ!!ひゃっはぁぁー!!」
どこの雑魚キャラだよ...。
8人の距離が1メートルに近づいた時、俺が動く。
「一閃!!」
8人は一瞬で吹き飛ばされ気絶していった。
「安心せい...。峰打ちじゃ...。」
クールに決まった...。
(ハァ...。)
ヴォイスは呆れていた。
何で?今かっこ良かったじゃん!?
とヴォイスに抗議しようとした瞬間。
正面のナミカゼが消えて後ろに気配が...。
これが多分、
「
炎を纏った[火炎斬り]と高速移動の[瞬歩]を、俺はすぐさま[ミヨウミマネ]で習得した。
ナミカゼの攻撃を
「これが
いいスキルだな!」
「何故お前がそれを使える...?
「さあな。」
ここから2人は
これなら、
決闘では確実に殺してしまうので使わないが... .
そんな事を考えていると、ナミカゼが距離を取った。
「
風の刃が俺に襲いかかる。
....が。
俺は瞬歩でナミカゼの後ろにまわる。
そこに、
「一閃。」
吹っ飛ばされたナミカゼも気絶した。
「後は、お前だけだな!」
「このやろぉぉ!」
ゴングが殴りかかって来るが、
遅すぎて俺には全く当たらない。
「早く必殺技でも出したらどうだ?」
「くそがぁぁ!!」
俺に煽られたゴングの闘気が上がってくる。
俺は剣をしまい、技を見る事に集中する。
「
闘気が乗った拳が襲いかかって来るが、当たらなければどうってことはない。
俺はゴングの拳のタイミングを見て瞬歩で、
ゴングの後ろに。
カウンターでゴングの技を繰り出す。
「
ドゴォォォーン!!
ゴングはギャラリーの方までぶっ飛んでいった...。
アイツ...。死んでないよね...?
「勝者Dランクハンター!!コウ タカサキ!!」
ギルド長の声にギャラリーは、
割れんばかりの
俺は無傷の大勝利をしたのだった。
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