第15話、バジリスクの肉は何の肉?




バジリスク




Cランク相当のボスモンスター。

普通はCランク5人のパーティーで倒すらしい。

距離を取れば羽を飛ばして攻撃をしてきて、

近づけば足の鋭い爪や石化の効果があるくちばしで攻撃してくる。

背後に回れば蛇が噛み付いてくる

その牙が猛毒だと言う。


バランスのいい5人パーティーなら、

バジリスクの羽の攻撃を盾役タンクで防ぎ、

狩人アーチャーと魔法使いで徐々に削って、

聖職者ヒーラーで傷ついた者を回復、

弱った所を攻撃役アタッカーで攻めると言う風に、

バジリスクの戦い方は一般的に確立していた。



しかし、それは5人の場合だ...。


俺達は2人。

しかも余力がない...。


「コウ君、どうする...?」


「どうするもこうするもやるしかない。」


「何か策は...?」


「戦いながら考えるしかない...。

防御力向上プロテクション。」


俺は自身とアルトに魔法を掛ける。

少しでも生存率を上げるため防御力を上げる。


「行くぞ!」

「うん!」


2人は覚悟を決めた!


コウはバジリスクのヘイトを稼ぐため接近する。

(マスターくちばしの攻撃だけは気をつけてください!

ワタシはバジリスクを解析にはいります!)


あぁ。頼む!

そんな事を言ってると、バジリスクが襲ってきた!


ヤバッ!

俺は横っ飛びをする、

俺がいた場所にバジリスクの大きな爪が打ち下ろした。


ドゴォォォーン!!


爪を打ち下ろした場所が3メートルにも及ぶクレーターできていた。


もし剣で受けていたら、剣を折られてそのまま殺られてかも知れない...。

これは出し惜しみしている場合じゃない...。

殺らなきゃ殺られる。


俺は相討ち覚悟で足に魔力を込める。

バジリスクが俺を視界に映した瞬間、


一閃乱舞イッセンランブ


ザシュッッ!!


ブチブチ……。


ザシュッッ!!


ブチブチ……。


バジリスクに一太刀入れて行くごとに、

脚の筋肉が断裂していく...。

爪の攻撃を避けては斬り、

くちばしの攻撃を避けては斬って、

バジリスクを段々と追い詰めていった...。




倒れろ...。




倒れろぉ...。




倒れろぉぉ...。





倒れてくれぇぇぇ.......。






バタッ。





先に倒れたのは....




俺だった。


足に限界が来てしまった...。



倒れた俺に、バジリスクが襲いかかる。




もうだめか...。


と思ったその時、




業火の矢ファイアアロー!!」


その声と共に業火の如く大きな炎の矢が、

バジリスクに直撃した。

グギャァァー!!


バジリスクが炎で燃やされ悶え苦しんでいる隙に、

アルトは俺に近づき、


再生リカバリー」脚の筋肉が再生していく。

そして、「回復ヒーリング」脚の痛みが引いた。


「大丈夫?本当ギリギリだったね...。」


「あぁ...。ありがとう。」


「威力を高める為に時間が掛かったよ...。

本当、間に合って良かった...。」


「本当に助かった。」


さて、どうしたものか。

もうすぐバジリスクの態勢も整うだろう...。


(マスター。

バジリスクの解析が終わりました。)


終わったか!んで、どうなんだ?


(バジリスクは脳が一つで、

胴体の攻撃と蛇(シッポ)の攻撃、

どちらか一つしか出来ない見たいです。)


なるほど、どちらかひとつ....。

俺は考える。

.....。

そうか!?わかった!

脳が一つしかないってことは、

挟み撃ちで攻撃すれば、脳がパニックを起こす!

そこに攻撃をすれば...。

(そうです。

パニックでフリーズした隙にマスターは首を、アルトは蛇を切断できると思います。)


ヴォイスありがとう。その策に乗るよ!


俺は早速アルトに策を伝えた。


「なるほど…。うん!コウ君を信じるよ!

僕も魔力が残りわずかでもう一発が限界だから....。チャンスは一度だね...。」


「よし!やるぞ!これで終わらせよう!」


2人の覚悟は決まった。



バジリスクは身体を燃やしてた炎を消しこちらを睨む。

2人はジリジリと近づきタイミングを計る。


タイミングがずれたら2人共殺られる...。


緊張で心臓の鼓動と冷や汗が止まらない。




バジリスクが俺に向かってきたその瞬間!


俺はバジリスクの半周左に周り、

アルトは蛇の方へ半周右に回った。


各々対峙した時にバジリスクの動きが止まった。


思惑通りパニックを起こしたのだ。




「今だ(です)!!」

「一閃!!」「風の刃ウインドカッター!!」





バジリスクの首と蛇を同時に落とした。

俺たちが勝利した瞬間だった。

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