第11話、オーク達のランデブーを邪魔をする俺!
2人は五階層に着いた。
「凄いなこれは……
本当にここはダンジョンか?」
目の前に広がる景色に驚いた。
太陽があり、風があり、森があり、草原が広がり、川まで流れてる。
さっきまでの洞窟ステージとは、
全然景色が違うのだ。
「コウくん。ダンジョンって本当に凄いね!」
「そうだな!」
「これがダンジョン!!ロマンだね!」
「あぁ!!」
2人は気分が良かったのはここまで、
この後ものすごい嫌悪感に襲われるのだった。
「この階層からはオークだな!
クエストのオークの魔石2個取らないとな!」
「だね!」
いい天気でコウはピクニックに来た気分になっていた。
しばらく歩いていると、
見晴らしが良いのでオークはすぐに発見出来たのだが……
「コウ君、あ、あれは……?」
「アルトは見ちゃダメだ!!」
なんとオーク達は交尾中だった。
腰を振ってる...。
めっちゃ腰振ってる...。
ヨダレ垂らしながら...。
めっちゃ腰振ってる...。
最悪だ...。
気持ち悪すぎる...。
そもそもモンスターって勝手に
交尾する必要はないんじゃ...?
(マスター。
この階層のオークは食欲と性欲が普通のモンスターの10倍は強いので、
ああして性欲を満たしているのです。
下の階層のオークは戦闘狂で、
この5、6階層のオークは性欲狂ですね。)
親切に解説ありがとう...。
性欲狂なんて言葉は聞いたことないが...。
さっきまでダンジョンはロマンだ何だって言ってたのが、今は嫌悪感でいっぱいだ。
アルトは手で目を隠しているが、
指の隙間からチラチラ見ている。
...チラ。
.....チラ、チラ。
アルトは興味あるのかな...。
いやいや!
あんなもんアルトに見せちゃダメだ...。
息子にいい教育するのもお義父さんの役目。
(だから誰がお義父さんですか!?)
ヴォイスはツッコむ。
あんなゲテモノに興奮するアルトは見たくない...。
そもそも俺は見たくない...。
気持ち悪すぎる...。
...。
.......。
駆逐だ...。
目に見える全てのオークを駆逐してやる...。
俺の中で何かがキレた...。
俺は腰を振ってるオークの背後に近づき、
首に
雄のオークはアッサリ胴体から首が落ちた。
雌のオークは、一瞬何が起きたか分からなかったが、
すぐにコウに気付き威嚇する。
「ピギィィィィィッー!!!」
と発狂した。
「うるさい...。」
コウは雌のオークの首元に一太刀入れた。
一瞬で雌のオークも倒されたのだが、
発狂した声を聞きつけたオーク達が20体近く、
集まって来た。
「.......。
........何でオーク達は全部、裸なんだぁぁぁー!!
あぁぁ!!気持ち悪い!!あぁぁー!!」
俺も発狂した...。
そして益々、キレた...。
「アルトォォ!!
オーク全てを
俺はキレてていつもの口調にはなれなかった。
「わ、わかった。」
オドオドしたアルトだったが、
「行くよ...。
神雷の呟き。
薄い雷状の帯広がオークのいる方向全域に広がる。
雷を受けたオークは痺れて動きが鈍った。
そこに俺が突撃する。
「一閃!!!」
「一閃!!!」
「一閃!!!」
「一閃!!!」
「イッセンンンンーーッ!!!」
これでもかとオーク達に次々と[一閃]を繰り返す。
オークの残りは10体と半分に減った所で、
俺はオリジナルの技を思いついた。
足に魔力を流し身体能力をあげて、
超高速移動の連続一閃の技。
「
超高速移動をした瞬間!!
.....ブチブチ!
俺の足の筋肉の切れる音と共に、
全てのオークの首が宙に舞った。
一瞬でオークを殲滅したのだ。
しかし、思わぬ代償が...。
魔力を使って無理矢理に足を動かした為、
身体が耐えきれなくなり筋肉が断裂していた。
「いってぇ...。これはまだまだダメだな...。
淡い光がコウを包む。
全てのオークを倒したことと、
痛みでコウは冷静さを取り戻した。
「アルト...。取り乱して悪い...。」
「い、いや。ちょっと怖かったけど。」
「だよな...。」
「...それにしても、最後のは凄かったね!
速すぎて、目で追うのが精一杯だったよ。」
「あれは
早く倒したかったから、
足に魔力を流して高速移動の剣撃を試したんだ。
無理矢理魔法で筋肉を動かすから、
結構負担が掛かって足の筋肉が切れたし...。
実践でちゃんと使えるまで練習しないと使えなさそう...。」
「うわぁ...。めちゃめちゃ痛そう..。
でも急にスゴい技思い付くなんて、コウ君天才だね!」
「そう言ってくれると嬉しいよ。
しばらくはオークも
「うん!
でも、お弁当なんて持ってきてないよ?」
「何言ってるんだよ!?
今いっぱい倒したじゃないか!」
「あ!なるほど!!オークの肉か!!
僕はオークの肉大好き!」
「俺はエグいの見た後だから、ちょっと複雑だけどな...。」
「美味しいんだから気にしないのが一番だよ!」
「そうだな...。
じゃあアルトは火を起こして置いてくれないか!?
俺はハーブとか、なんかしらあるか探してくるから。」
「了解!!」
ヴォイス。
ここら辺でハーブとか塩に近い物ってあるかな?
(ありますね!
あの川辺に生えてる草は肉の臭みを取るハーブと、
あの辺りにある石は岩塩ですよ!)
おぉ~!!
流石ヴォイス!
...ん?
そういえば、塩は貴重なんて異世界系の小説読んだ時に書いてあったような...。
ヴォイス、この世界で塩の価値どれくらいなんだ?
(この世界では少々高めですね。
塩は沿岸地帯か、火山地帯しか取れないので輸送代でかなり高くなってるんです。)
でも、ダンジョンにこんなにゴロゴロあるのに?
(鑑定を持っている商人はダンジョンに来ませんし、
冒険者も基本モンスター倒しに来てるので、見向きもしません。)
えっ!?
それじゃ、
ダンジョンの塩を取って売れば大儲け出きるんじゃ...。
(そうですね。
しかし、オススメは出来ません。
ダンジョン産の塩は魔力が含まれていて、
普通の塩の10倍以上の値段はすると思いますが、
売るとなると商業ギルドに登録して塩の出所を聞かれます。
そうすると各地の塩の価格が下落するのと共に、
利権争いや暴動など起こりかねません。
マスターが貴族に狙われるなんて事も...。)
塩1つでそんなめんどい事になるんだな...。
狙われるって...。
この世界もそういうのはめんどくさいんだな。
(しょうがないですよ。
いつの世も世知辛いもんですから。
自分達で使う分にはいっぱい取ってもいいんじゃないんですか?)
そうだね!
じゃあ、ヴォイスお願い!
当分困らない位の量の岩塩を収納して!
(イエス、
ヴォイスさんや...そんな言葉どこで覚えるの?
(それは...内緒です♪)
あらかた取り付くしてアルトが待つところに向かった。
「ただいま~!」
「お帰り!」
早速、オーク飯作り開始だ。
収納からオークの肉を出し、
そこら辺で拾った大きめ木の枝に刺して、
岩塩を削り肉にまぶす。
そして大きめのハーブの葉っぱに包んで焼く。
10分も経つとお肉の焼けたいい匂いがしてきた。
後は3分ほど蒸らして完成!!
料理名
~オークの香草焼き~
バーベキュースタイルで召し上がれ!!
「食べようぜ!」
「うん!」
一口食べてみる!
なんと言うことでしょう!
肉汁と言う旨味がこれでもかこれでもかと流れてくるではありませんか!
肉の臭みは全く無く、
心地よいハーブの香りと
魔力を帯びた岩塩で味を締める。
これはもう高級ホテルで食べるレベルだ!!
2人は一心不乱に食べ尽くした。
オークの生態は気持ち悪いが、味は天下一品だ。
お腹いっぱいになった二人は、
6階層をどうするのかを考えた。
オークの魔石は余るほど有るし、
肉もいっぱいあるし悩んでいるとヴォイスが言った。
(交尾中のオークはこちらに気付かないほど夢中ですし、
終わったら爆睡するので無視しても問題ありません!
オークは交尾を邪魔されると激怒するので気を付けてください。)
そうなんかい!!
先に言えよ!!
(テヘ♪)
こうして俺たちの作戦は決まった
交尾中のオークは無視して、
「ガンガン行こうぜ!」だ。
驚くほど用意に5、6階層を突破したのであった。
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