第10話、素晴らしきかな英知の書。
俺達は3階層についた。
ここで出現するモンスターは、
コボルトとウルフだ。狼系のモンスターである。
コボルトはパワータイプで、ウルフはスピードタイプらしい。
(嗅覚に優れているので1度見つかると相手を倒すまでしつこく付きまといます。
後、吠えて仲間を呼ぶので厄介ですね。
まぁ、マスターなら大丈夫でしょうけど…
アルトは身体能力低いから狙われそうなので、
マスターがカバーしないと危険ですね。)
ヴォイスが的確にアドバイスをしてくれる。
なるほどなぁ....。
守りながら戦うのはしたことがないから、
実は俺はかなり不安だ。
「コウくん今不安に思ってるでしょ??」
「えっ!?」
「顔に出てるよ。」
やっぱり俺って分かりやすいのかな...。
なんて考えてると、
「心配しなくても大丈夫!
レベルが上がって新しい魔法を覚えたんだ!
プロテクションとライトニングって言う魔法で、
プロテクションは防御力を2倍にする魔法と
ライトニングは雷魔法だね。」
「おぉ~!流石は賢者!」
「覚えるのは、
僕のユニークスキル「英知の書」で覚えるんだ。
賢者っていう職業は、その魔法を色んな使い方に応用出来るんだよ。」
「そうなんだぁ~!
いいユニークスキルだな!」
(マスターも「ミヨウミマネ」で「英知の書」を
獲得してるので、
レベルが上がれば新しい魔法を覚えられるはずです。)
そっか!
どんな魔法を覚えられるんだろう?
(基本的には本人の性格と想いが関わってくると思います。)
性格と想い?
(はい!
熱い性格の人は炎魔法を覚えやすいですし、
クールな性格の人だと水魔法を覚えやすいと言うところですかね。)
想いは?
(言葉には変換しづらいですが、
例えば「守りたい」だったらアルトが覚えたプロテクションとか覚えますし....。)
なるほど...。
素晴らしきかな英知の書....。
例えば、
俺は絶対女子の服の下の下着が見たぁぁい!!
と、
想い続けてれば透視魔法を覚えられるとか?
(覚えられるか!バカ!
そんなに便利に出来てねーわ!!)
おぉ~。ナイスツッコミ!
ヴォイスと2人なら某漫才グランプリでいいとこまで行けそうだな。
(行けません!ってか、この世界にないし。
マスターとしか脳内で話せないし...。)
ん?
ヴォイスは他の人と話して見たいの?
(特には今は興味は無いですけど...。)
なるほど。
そのうち、色んな人と話がしたいと...。
ヴォイスの思いに応えられるように俺も頑張らなきゃな...。
[英知の書]でそういう魔法も覚えるかも知れないし...。
(マスター...。ありがとうございます...。)
「コウくん大丈夫?
そろそろ行こうよぉ~。」
「あぁ!先に進もう!」
歩いているとふと疑問に思うことが……
「この通路の灯りってどうやって付いてるんだ?」
ゲームとかやってるとダンジョンの通路に灯りがついてるけど、
親切に誰がしてくれてるんだろうとか不思議思うことがあった。
「あぁ。
それはダンジョンを一番最初に発見探索した人が付けて行ってくれたんだよ。
灯りが光続けてるのは、
ダンジョンは魔素溜まりの場所だから、
魔素のエネルギーで光続けてるんだって。」
「アルトは物知りだな。」
「てへへ。
モンスターとかも魔素エネルギーから、
誕生するから時間が経つと
「なるほど。」
アルトは物知りだな。
アルト博士太郎と改名してやろうかな……
(それぐらいワタシでもわかります!
って言うかネーミングセンス無さすぎ!!)
ヴォイスさん....ギャグですから。
ただの親父ギャグですから。
お気になさらず....。
(もう...マスターったら...。)
俺が脳内でヴォイスと談話しているその時だった。
「コウくん来るよ!」
その声と共に俺は身構えた。
前方にはウルフ5匹とコボルト1匹。
「アルト!
俺にもプロテクションかけて、後方からの援護を頼む!」
「了解!!
神の加護の元私達を護りたまえ。
....プロテクション!」
アルトが魔法をかけると薄い光が2人を包んだ。
そして、ウルフ3匹が俺に向かってきた。
「この程度のスピードなら...。」
ウルフ3匹は同時に飛びかかって来る。
俺は集中し、タイミングを見計らい。
「一閃。」
放たれた横薙ぎで3匹を一瞬で絶命させる。
残りのウルフ2匹も向かってきた。
1匹は俺、1匹はアルトに行った。
「アルトそっちに行ったぞ!!」
「分かってる。神雷の嘆き!!ライトニング!!」
杖から放たれたものすごい速さの雷はウルフに直撃。
プスプス…
と音を立てて絶命。
雷魔法かっけーとか思いながら、
俺も難なく一太刀でウルフを絶命させたのであった。
「これで残るはコボルトだけだな。」
と思った瞬間。
「ウオォォォォォォォン!!!」
コボルトは叫んだ。
仲間を呼んだらしい...。
するとコボルトの後ろから
この3階層全部のモンスター来たんじゃないかと思うくらいの大勢のウルフとコボルトが現れた。
「おいおい...。
この数は
「流石に魔力を温存しながら戦うのは出来ないね...。」
「あぁ...。この数はさすがにな...。」
俺の額に冷や汗が出る。
「コウくん。頼みがあるんだけど...。」
「頼みってなんだ?」
「この状況を打開する魔法があるんだけど、詠唱が少し長いんだ...。」
「マジか!?どれくらい掛かるんだ?」
「1分。」
「任せろ!その位の時間、俺が作って見せる!!」
「コウくん、頼むね!」
アルトはそう言って詠唱を開始した。
俺は向かってくるウルフに、
「
さらに近づいて来るウルフには剣で対応した。
倒しても倒しても次々と襲ってくる。
まだか…
流石の俺も圧倒的な数の暴力の上では、
じり貧だった
まだか...。
まだかなのか...。
俺の焦りがピークに達する。
「………………神雷の嘆きと共に。
コウくん伏せて!!」
来たか!?
アルトの声と共に俺は素早く伏せた。
「
無数の雷が線上で分裂して100以上居たウルフとコボルトを次々と黒焦げにしていく。
奥の方にまだ生き残りがいた。
残るは手負いのコボルト5匹。
「ハァハァ。ごめん。数匹に避けられた。」
「何言ってるのって、アルト。
お前はスゴいよ。後は俺に任せろ!」
「テヘヘ。うん。後はお願い...。」
そう言うとアルトはマナポーションを飲む。
俺はダッシュで手負いのコボルトに近づき絶命させていく。
全てのコボルトを倒し、
疲れて座り込んでるアルトに近づいた。
「アルト!お疲れ様!
さっきの魔法凄かったな!」
「うん!
ライトニングを賢者の応用力で広範囲にしたものなんだ。
ただあの威力を出そうとすると詠唱は長いし、魔力をかなり持って行かれるから乱発は出来ないんだ。
後、いいとこ2、3発って所かな?」
「それでもスゴいな...。
この魔法。
範囲はそのままで威力を落とすことは出来るのか?」
「出来るよ!
威力は痺れさせ程度だけどね。
詠唱も10秒位だし、
魔力も5分の1で済むんだ。」
「流石アルト!天才だな!」
「そんなに褒めないでよ...。
恥ずかしいじゃん...。テヘヘ。」
「そんなに恥ずかしがるなよ~!
可愛い奴め!
まぁ、これで戦術の幅が広がったな。
大勢のモンスターが来たら、
アルトが痺れさせて俺が突っ込んでいく!
倒し損ねたモンスターは、
アルトが魔法で倒していくって方法だけど。
どうかな?」
「良いね!
それなら僕もMP を節約できるし!」
二人の意見が一致した。
「そう言えばあれだけ倒したのに魔石や素材が落ちてないんだけど…」
「あぁ!いい忘れてた!
俺の収納スキルはオートで収納してくれるんだよ!
ほら、この通り!」
と言って魔石を出す。
「コウくんってさ、規格外だよね...。
そんなスキル聞いたことがないよ...。」
(エヘン!
それはこのワタシの優秀なオリジナルスキルですからね!)
ヴォイスは本当に優秀だよ...。
ヴォイスありがとう!
(ハウッ!!もっとマスターの為にワタシは頑張ります!)
あぁ...。
俺もヴォイスやアルトに負けないように頑張るよ。
3階層を探索したがこれ以上モンスターは現れなかった。
4階層も同じモンスターだから、
アルトが痺れさせてコウが突っ込んで殲滅していくという作戦が見事にはまり、
楽々と進んでいくのであった。
「次は5階層だな!」
「クエスト素材のオークの魔石だね。」
「気合い入れて行くぞ!」
「オーッ!」
二人は5階層に降りていった。
ちなみに、ヴォイスも(オーッ!)と気合い入れてたのは内緒だ。
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