第9話、初めてのクエストからの...。初めてのダンジョン。
朝日が上り、部屋に朝の光に溢れる
「ふぁぁぁ。良く寝たぁ!」
コウは起きると裏の井戸水を被って身体を拭いた。
「この世界にもお風呂あればいいのに...。」
そんな風にぼやくと、
(ありますよ。
ただし貴族の屋敷か高級宿屋か王宮とかにしか存在しませんが...。)
そうなんだぁ...。
でもあるにはあるんだな。
(そんなにお風呂が好きなら、
クエストで山岳地帯に行けば温泉街があったと思います。)
マジで!?
(マジです。)
おぉ~。
この世界にも温泉が...
楽しみだな...。ムフフ...。
(マスター。この世界では覗きは死罪らしいので止めてください。
せっかく私、頑張ったのにそんなんで死ぬとか情けなくなります。)
わかったから。
絶対しないから...。
(お願いします!)
あぁぁ...男のロマンが....。
(マスター!!)
冗談だからそんなに怒るなよ...。
はて...?
なにか忘れている気が...。
...。
........。
って言うか、ヴォイス!?
大丈夫なのか!?
(遅っ!?
普通は最初に聞くもんですが...。)
そうだよね...。
ごめん。
(結果的に大丈夫です。
ギリギリでしたが...。
それよりもワタシ。
オリジナルスキルになったので、
ステータスの表記が変わりました。
そして、
鑑定と収納がワタシに統合されたました。
マスターがわざわざ鑑定とか収納しなくても
ワタシがしますので、
マスターは何もしなくても大丈夫です。)
マジで!?
オートで鑑定も収納もしてくれるの?
(はい。任せてください!
ただし[ミヨウミマネ]をするときだけ、マスターの任意になりますのでご注意してください。)
わかった!!
最高だよ!
ヴォイス!ありがとう!
(ハウッ!?
マスターに誉められた!
至福!!)
ヴォイスは褒められて喜んでくれてるみたいだ...。
食堂に向かうとアルトが居た。
「おはよう!」
「お、おはよう。
コウ君、昨日は....大丈夫だった?」
「おう!ぐっすりだったよ!
どうしたんだ?」
「...い、いや、何もないならいいんだ。」
「朝からそんなに考え混むなよ。
そんなに悩んでるとハゲるぞ!」
「なっ!?僕はハゲません!!」
(鑑定の結果アルトは15年後ハゲます。
間違いなく。)
ヴォイスさんや、勝手にそんなのを鑑定しないでおくれ...。
気まずくなるから...。
「とりあえずご飯食べようぜ!」
「そうですね!」
しばらくするとおかみさんが料理を持ってきてくれた。
朝食の献立
オークベーコンの月見バーガーとポテトサラダだった。
朝からめちゃめちゃ美味しい。
贅沢を言えばここにコーラがあったなら最高だなぁ...なんて思いながら完食した。
「ご馳走さまでした!
よし、朝食も食べたし、クエストを見にギルドに行くか!」
「うん!」
ギルドに着くとやはり冒険者でごった返していた。
この光景にも状況にも慣れていかなきゃな…
業に入ったら業に従えってヤツか…
人混みをかき分けてDランク、Eランク専用クエストボードにたどり着く。
ランクごとにクエストがボードに張ってあるのは、正直嬉しい。
初心者が間違って高ランクのクエストを受けないようにというギルドの配慮が伺える。
それもそうか...。
初心者が高ランクなんて受けたら瞬殺だろうし..。
そんなこと思いながら見てると、
ダンジョンのクエストがあった。
オークの魔石2個納品とゴブリンキングの核1個納品と言うクエストである。
「これいいんじゃないか?ダンジョンも行けるし!」
「そうだね!」
意見のあった2人はボード貼ってあったクエストの紙を持って受付に行った。
「あら♪青春ボーイズ!
今日はクエスト行くの?」
青春ボーイズって絶対この人年をサバ読んでるよな...。
「今失礼な事を考えなかった?」
やっぱり魔女だ!?こえぇ!!
「こんにちは!ラテさん。今日もキレイですね!」
綺麗なのは本当だが社交辞令だ。
こんな魔女は俺の好みじゃない。
「コウくん。そう言うのは好きな人に言わなきゃね♪」
何度も言うが、ただの社交辞令だ。
「こ、こんにちわ」
アルトは赤面してモジモジしてた。
あぁ...アルトはラテさんの事が好きなんだろうな~と俺は感じたが...。
止めとけ!アルト!
ああいう魔女は骨の髄までしゃぶり尽くされるぞ!
お義父さんは魔女との交際は許しません!
(誰がお義父さんですか!)
ヴォイスにツッコまれた。
(話が進まないので、早くクエストの紙を出してください。)
はーい....。
「このクエスト受けようと思います。」
「なになに…ダンジョンクエストね!
了解!!受諾するね。」
「このダンジョンはモンスター何が出るんですか?」
「このダンジョンはねぇ......。」
ラテさんは丁寧に教えてくれた!
D、Eランクダンジョンは
1F~20Fで更正されている
中に入る度地形が変わるのでマッピングの意味が無いらしい。
そして10Fと20Fにポータルと呼ばれる魔方陣があり、一瞬で外に出れるようになってるようだ。
1F2Fはゴブリン、スライム
3F4Fはウルフ、コボルト
5F6Fはオーク
7F8F9Fはオーク、ブラックウルフ
10Fはゴブリンキングが出るらしい。
10階区切りでボス部屋なので、
このダンジョンは10Fと20Fにボスが居ることになる。
「説明は以上だけど質問はある?」
「無いです!ありがとうございます!」
「ダンジョンは街の正面の門を出で東に行くとすぐわかるからね~♪行ってらっしゃい♪」
「行ってきます!」
アルトはまだモジモジしてる。
「アルト行くぞ~!モジモジしてると置いていくからな!」
「ハゥ!?ま、待ってよぉ~!」
ハゥ!?ってアルトは本当に面白いヤツだなぁ...。
これは色々と楽しめそうだ。
街の道具屋に寄ってマナポーションを多めに買って門に向かった。
回復は各々出来るし、
これから行くダンジョンは毒持ちなどのモンスターは居ないから、マナポーションだけで大丈夫らしい。
門を守る衛兵に挨拶をして東に向かうと洞穴があった。
そこを見張る兵士さんにギルドカードを見せ中に入った。
「2人か....?」
「はい!」
「普通は4~5人のパーティー組んでダンジョンに行くんだがなぁ……無理はするなよ。」
心配してくれるんだ...。
優しい兵士さんだな。
「無理はしないので大丈夫です。」
「気を付けて行けよ!」
「はい!」
優しい兵士さんに挨拶してダンジョンの入り口まで来た。
初のダンジョンアタックだ。
「ドキドキするな!」
「うん!」
二人は意気揚々と進んでいく。
このダンジョンはトラップはないのでモンスターの不意討ちだけ気を付ければ良いとラテさんが言っていた。
歩いていると10匹のスライムに遭遇する。
「モンスター居たぞ!スライムだ!
アルト風魔法!!」
「了解!
風よ唸れ!!
次々とスライムが細切れになっていく。
オーバーキルな感じはするけど、
アルトいわく魔力はそんなに使わないらしい。
「便利だなぁ。俺もやってみるか。」
ちょうどゴブリンが5匹向かってきた。
ミヨウミマネで、
「
5匹のゴブリンが瞬時に細切れになった。
.....。
やっちまった....。
これは完全なるオーバーキル。
原形どころか魔石までミンチに....。
これは弱いモンスターには禁止だな…
魔石が取れなくなる…
そんなことを思いながら順調に2階層までクリアした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます