第5話、ゴルドさん...死にました?俺まさか、捕まります?
アルトの試験が始まった。
アルトはぶつぶつ言っているが多分、
魔法詠唱に入っているのだろう。
この世界で初めての魔法にドキドキする。
「
その瞬間。
弓矢の形をした炎がゴルドを襲う。
ゴルドは避ける素振りもなく、剣を身構えた。
「
まさに閃光の
えっ?
魔法って切れるの....?
(マスター。
達人級になると剣で魔法どころか、
時空まで切るなんて話もあるんですよ!)
やっぱり剣って最高だな!
格好いいし、何よりロマンがある。
俺も早くかっこ良く魔法を斬ったりしたい...。
そうすれば、モテるぞ...。ムフフフフ...。
俺は
(..............。)
「中々の威力だ。
少し火傷してしまったじゃねえか。
ゴルドはそう言うと火傷した箇所がみるみる回復していく。
アルトは焦ってた...。
まさか魔法を斬られるとは思ってなかったのだ。
「
と、次々魔法を詠唱していくが、
焦ったアルトの魔法は命中率が下がり、ゴルドは難なく避けてく。
アルトはさらに焦り、距離をとって詠唱を始めた。
アルトの回りに炎、水、風がまとわりだす、
そして
「
三つの属性の混じった魔法は槍の形をもして、ゴルドを襲う。
「おいおい....。俺を殺す気か.....?」
そんなこと言ってるゴルドは、
まだ余裕があるように見える。
そして剣を構え、
「一閃!!」
閃光の太刀筋。
アルトの魔法を一刀両断。
その瞬間アルトは崩れ落ちた。
アルトはどうしたんだ?
(あれは
あの特殊な魔法を使った事でMPが0になったんでしょう。)
敵と交戦中になったら間違いなく死ぬな...。
「
ここまでだな。
それにしても多彩な魔法と威力は申し分ない。
冒険者として十分やっていけるな。合格だ。」
「あ、ありがとうございます。」
疲れ切ってたアルトは嬉しそうだった。
「次で最後だな。」
「お願いします!」
そう言ってコウは前に出た。
(マスター。
自身のステータス確認した方が良いですよ。新なスキル覚えてるはずですから。)
あ、そうだった。
鑑定。
コウ・タカサキ(15)LV8
職業・無職
・HP500・MP400
ユニークスキル
「ミヨウミマネLV2」「英知の書LV1(仮)」
スキル
・上級剣術(仮)LV1・細剣士(仮)LV1
・盾術(仮)LV1・鑑定LV1
バッシブスキル
・腕力LV1・鉄壁LV1・回避LV1・集中LV1
・気品LV1・魔力増大LV1・魔力回復LV1
技
・シールドバッシュLV1
・一閃LV1
魔法
ファイアアローLV1
ウインドカッターLV1
ウォーターボールLV1
ヒーリングLV1
合成魔法
トリプルスピアLV1
ギフト………
........。
..................。
おっふ。
これぶっ壊れチートだ...。
こんなに俺は使いこなせるのか....?
(マスターなら大丈夫!
使わなさそうなスキルは今後整理して起きますね。)
お願いします....。
「いいか。始めるぞ!」
「は、はい。」
こうして俺の試験が始まった。
ジリジリと摺り足で距離を詰めてく。
自分より格上のプレッシャーを感じる。
これがCランク冒険者の圧力か...。
コウは胸を借りるつもりで、ゴルドに剣をふりおろす。
ガンッ!!!
ガンッ!!
「くっ!?」
(は、早いし、重い。何なんだコイツ...。
本当に新人冒険者か...?)
ゴルドはコウの剣撃に焦る。
さすがに剣術だけじゃゴルドは崩せないか...。
ならば...。
上級剣術のレベルの差はあるけれど、
異世界は優遇されてるので(仮)でも並の上級剣術のスキルを持つ者と同等になってるようだ。
コウは距離をとって、
アルトがしてたのを「ミヨウミマネ」してみる。
詠唱はわからんから、
魔法名だけ言ってみるか…
「
と言ってみると、
手からあり得ない程の炎の量が出た。
「あ、あれは!?
上級魔法
アルトは言う。
.....いいえ。
チートですいません....。
その炎の塊がゴルドを襲う!
「ま、まずい!一閃!!」
閃光の太刀筋でコウの魔法が一刀両断!
......とはならなかった。
ドガァァーン!!
「ま、参った.......。」
そう言うとゴルドは膝から崩れ落ちた。
そしてそのままゴルドは動かない...。
「大丈夫ですか!?」
コウはすぐにゴルドに駆け寄った。
返事がない只の屍の様だ....。
じゃなくて!!
焦った俺はおもっきり魔力を込めて回復の魔法を[ミヨウミマネ]した。
「
キラキラとゴルドを淡い光が包んでいく。
焼けた肌が段々元通りになっていく。
完全に治った所で、
「ゴルドさん!ゴルドさん!大丈夫ですか!?」
俺が声をかけると、
「ん、ん...ここは?俺は死んだのか?」
あまりの衝撃と意識が断たれたことで頭が回ってないみたいだ。
「ゴルドさん!大丈夫ですか!?」
「あぁ...すまない。気絶してたんだな。」
死にかけてた事はゴルドさんに内緒にしとこう。
「それで、試験の方は...。」
恐る恐る聞いて見た。
殺人未遂で牢屋行きなんてなりかねない...。
本当、冷や汗が止まらなかった。
「何言ってるんだ?合格にきまってるだろ。俺を余裕で倒しちまいやがって...。Cランクが名折れだよ...。」
ゴルドはちょっと悔しそうだった...。
「お前ら全員合格だ!
受付行ってギルドカード発行してもらえ。」
「「はい!」」
「ちょっと、お前!」
「はい?」
「名前は?」
「....コウ・タカサキです。」
「コウ・タカサキ...っと。」
スラスラと何かを書いている。
その紙を渡された。
「....これは?」
「これはDランクから始められる推薦状だ。
俺に勝った奴が一番下から始められると面目立たないしなぁ...。」
そんな風に言われるとなんか気まずい...。
「あぁ...気にしなくていいぞ。
将来有望の奴に少しでも上にいって欲しいっていうギルドの方針だからな。
一応、俺もギルドの職員だし。」
「そうでしたか。ありがとうございまいます。」
「良いってことよ!頑張れよ!コウ!」
「はい!」
コウは深々とお辞儀して練習場を後にした。
こうして無事に冒険者試験は終了した。
本当にゴルドさん死ななくて良かった...。
心から思うコウだった。
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