第4話、冒険者になるために試験が必要なんだって...。
ギルドの中に入ると大勢の冒険者でごった返していた。
体格のいい屈強そうな冒険者。
いかにもヤンキー見たいな冒険者も居れば、魔法使いの格好してる冒険者など様々...。
ここは渋谷のハロウィンか!?
とツッコんでしまいそうになるほどだ...。
うぅ...人混み嫌い....。
人の波で酔いそうだ…
俺は田舎育ちの為、人混みには慣れてはいないのだ。
....とりあえずは受付を探そう。
冒険者達の人混みを掻き分けて、
ようやく受付にたどり着いた。
その頃にはちょっと俺の顔はげっそりしていた。
「おや、初めての方ですか?」
「あ...はい。冒険者登録をしたくて来たんですけど...。」
ってなんでこの受付嬢は俺の事を見て、
初めてだと分かったんだろう?
この人混みでごった返しているのに...。
まさか...1人1人分かるのだろうか...?
「あ、今。貴方が何で初めてって分かったんだろうって顔してますね。」
こ、コワ!?魔女か!?
心の声でも漏れてましたか!?
「私たちはプロですからね。」
さすがプロだ...。
「今、さすがだって思いましたね。」
本当に怖っ!?
なんなのこの人...。
「冗談ですよ~。
大体初めての方皆さん同じ反応するんです。私たち受付嬢はスキル[鑑定]を持っているのでわかるんですよ。
その反応が見たくて、つい....テヘ♪」
……。
テヘじゃねーよ!
インチキじゃねーか!?
でも、美人だから許す!
俺は美人には優しいのだ。
俺は自分自身に納得させて受付嬢の話を聞く。
「まず冒険者になるためには試験を受けてもらいます。」
「試験?」
「はい。冒険者に向いてるか、向いてないかの試験ですね。
実力もないのに冒険者にさせてしまうとすぐに亡くなってしまったりする事があるので、試験を受けてもらってるんですよ。」
「試験って実際何をするんですか?」
「模擬戦ですね。
今日の担当はCランクハンターのゴルドさんです。
地下に行くと他の新規冒険者の方も居ますので地下の練習場へ行って下さい。」
「わかりました。」
「試験が終わりましたらまたこちらに入らしてください。それではご武運を。」
「はい。行ってきます!」
そうして地下の練習場に歩いて行った。
「ウフフ。行ってきますかぁ。
久しぶりに言われたな。受かってほしいな...。
でも今日の試験員のゴルドさんかぁ...。
ちょっと厳しいかもな...。」
受付嬢が呟いてたことはコウは気付かなかった。
地下練習場に着くと冒険者らしき人と試験受けようとしてる3人がいた。
「俺はゴルド。今日の試験官だ。
俺はこの木剣を使うがお前らはそのままの武器でかかってこい。
俺に傷のひとつでも付けたら即合格だ。」
さすがはCランクハンターだなと思ってると、
(マスター、鑑定を!)
あ、そうだった。すっかり忘れてた...。
俺のスキルは鑑定した上に見ないと獲得できないんだった。
鑑定
ゴルド(29)LV20
上級剣士
HP 800
MP375
スキル
上級剣術LV8
鉄壁LV6
パッシブスキル
腕力LV5
集中LV5
技
一閃LV5
魔法
ヒーリングLV3
おぉ~!さすがCランク冒険者!
けどレベルの割にはステータスが低いような...。
(それはマスターが異世界人だからですよ。
異世界人はこっちに来る時に神様に肉体を作ってもらうので、
この世界の人間とはステータスの成長率が大幅に変わってくるのです。)
なるほど...。
俺にとっては異世界人最高!って事だね。
「まずは右の奴から順番に試験を始める!」
「ミーからでやんすか!?」
そう言って前に出た奴は、
七三分けで出っ歯でいかにも「シェーッ!!」って言いそうな奴だった。
(マスター!鑑定!)
ププゥーーッ!!
鑑定すると名前で吹いた。
鑑定
イヤーミ・ザイオンス(16)LV5
職業・貴族
・HP100・MP80
スキル
細剣士LV2
パッシブスキル
回避LV2
気品LV1
技
2連突き
イヤーミってお○松くんに出て来るキャラクターまんまじゃん!
俺は笑いを押さえるので必死だった。
お腹痛い!笑堪えすぎてお腹痛いって!?
「これから始めるぞ!」
「行くザンス!」
ザンスって!?....止めてくれ!
笑い死にする!
コウが笑いを堪える中、試験が始まった!
イヤーミが持ってる細剣で突いていく。
ゴルドは難なく受け流している。
ステータス的にも実力差は圧倒的だがイヤーミも食らいついてる。
回避のスキルがかなりの有効な事が見て窺える。
しかし、ゴルドの剣技はイヤーミの回避技術を上回ってた
さすが上級剣士だ。
「そこまでだ。中々良かったぞ。合格だ。」
「やったでヤンス。」
イヤーミは嬉しそうだ。
「次の奴、前に。」
「うす…」
のそっと2メートルはあるだろうか大柄な身体で歩き出す者が居た。
大きい盾とハンドアクスを持ってる所を見るとポジション的には前衛で守り主体のタンクって所か……
おっと!
鑑定!
ダン(16)LV5
職業・騎士
・HP200・MP50
スキル
盾術LV2
鉄壁LV2
パッシブスキル
腕力LV2
集中LV1
技
シールドバッシュLV1
「それじゃ、始めるぞ!」
「うす…」
ダンは盾を構えたまま前に出る。
ゴルドは構わず剣をふる
ガゴンッ!!ガゴンッ!!
と重そうな音が鳴り響いてる
ダンは堪らず、
「シールドバッシュ...。」
大きな盾で攻撃するが、
ゴルドはそれをかわして首筋に剣を当てる!
「そこまでだ。硬い守備だった。
最後の技の出し所を間違わなきゃいい線行ってたな!これなら大丈夫だろう。合格だ。」
「うす!」
ダンも嬉しそうだ。
イヤーミとハイタッチしてる所を見ると仲間か...。
同い年同士だったもんな....。
(マスター、うらやましがってます?)
そ、そんなことないやい!
寂しくなんか無いんだから!
シクシク...。
(ププー!マスターはボッチですもんね。)
天ちゃん。勇者とはボッチなのだよ...。
(へぇ....勇者ねぇ....。)
天ちゃんは呆れているようだった。
「次だ!前に!」
「は、はい!」
何だかヒョロいのが出てきてぞ...?
頼り無い感じだし、大丈夫なのかぁ...?
まぁ、なんだ一応鑑定してみよう。
鑑定
アルト(15)LV5
職業・賢者
・HP60・MP320
ユニークスキル
「英知の書」
魔法
ファイアアローLV3
ウォーターボールLV4
ウインドカッターLV3
ヒーリングLV5
合成魔法
トリプルスピアー(火、風、水)
スキル
鑑定LV1
パッシブスキル
魔力増大LV2
魔力回復LV2
えっ!?何この子!?
めっちゃ強くない??
LV5でこの強さはヤバイでしょ??
ユニークスキルあるし…
(おぉ...。さすがは賢者ですね~。)
そう言えば皆、職業とかついてるけど何で俺は無職のままなの?
(職業自体は教会に行けば授けて貰えますが、職業は選べませんし、
ステータスに補正がかなり掛かるのでマスターのスキルですと無職のままの方が満遍なく伸びるのでおしえませんでした。)
えぇ...。
無職かぁなんか響きがやだな...。
(ギルドカード作って貰うときに無職ではなくてノービスと表示されるので大丈夫かと...。)
ノービスも言ってしまえば、無職なんだよね...。
まぁ考えてもそればかりは仕方ないかぁ...。
(そうですよ!マスター強いので大丈夫です!)
だね!うん!
前向きが1番!!
(でも、マスター。
さっき勇者がなんたらって言ってましたよね~?無職でボッチ……プププ。)
.....後ろ向きになりたい。
そして私は貝になりたい...。
誰にも知られずひっそりと...。
(マスター!試験始まりますよ!)
あっ。そうだった...。
「それでは始めるぞ!」
「は、はい!」
心を痛めつけられてるコウをよそに、
ゴルドとアルトの試験が始まったのだった。
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