第4話 テレカクシ

 あの夢は本当に何だったんだろう。私は薬を一回もやったことがないのに。しかも毎回毎回感覚などがリアルすぎる。あんな夢あと2回ぐらい見たら死ぬと思う。あと、まふゆのベットで寝てた理由がわからなかったのでまふゆに聞くことにした。

「あの後、何があったの?」

「言えないからメッセージで送った」

何それ。スマホをポケットから取り出しメッセーシを確認した。そこには生々しく書かれていた。

『キス→鎖骨辺りを舐める→耳を舐める、噛む→肩を噛む→うなじを舐める、噛む→一回ヤった→気絶』

した?私とまふゆが?ありえない。メッセージの通り首や肩に傷があった。でもそんなの信じない。嫌だ。嘘でしょ。ねぇ、嘘だと言ってよ。

「残念。嘘じゃないよ。もう一回スマホ確認してみて?」

何なの。怖い。何でまふゆは心が読めるわけ。恐る恐るスマホを確認すると、一本の動画が送られていた。動画をタップするとまふゆと私がヤっているところが写っていた。静かなセカイに私の喘ぎ声が響く。動画自体は15秒ほどだったのにすごく長く感じた。

「嘘……ありえない。まふゆ、なんて事してくれたの!」

「もしかして、処女だった?」

「そう言う問題じゃない!本当にありえないんだけど!」

私は胸倉を掴んで叫んだ。まふゆには私の気持ちが一切届いてないように見えた。ただひたすら冷たい目で私を見ていた。私は関係ないみたいなオーラ出しやがって。絶対。絶対に許さない。いつか、いつか殺してやる。そう言う思いで叫んだ。

「私が初めてで嬉しいくせに」

「っ……」

言い返せなかった。殺してやると思っている方は表側。裏はまふゆが好きと言う事で埋まっていた。整いすぎて憎い顔を見てるだけで嫌な気分になるのに、なぜか一緒にいたくなる。付き合いたいだなんで叶わないって分かっていても好きなのはやめられない。付き合わなくてもいいからそばにいて欲しい。慰めて欲しい。泣きたくなった、けどもう泣いていた。涙が止まらない。掴んでいた胸倉に顔を疼くめ声をあげて泣いた。まふゆと私にしか聞こえない。けど、遠くまで響くような声で。あんなにひどい事したのにも拘らず頭を撫でてくれた。嬉しくて止まりかけて涙がまた出た。このまま泣き疲れてまふゆと一緒に寝たい。30分ぐらいたった頃、あたりは静まり返り、二人とも深く眠りについていた。

 ほんっと可愛い。泣き疲れて寝るなんて子供みたい。寝顔も憎いほど可愛い。絵名が寝返りを打った。膝枕していたので髪が太ももに擦れてくすぐったかった。その時、絵名の左耳が見えた。髪がかかっていて少し分かりづらいが綺麗な形をしている。さっきも怒られたからやめようか迷った。でも、噛んだのは右耳だし……。とりあえず髪をどかした。ついでに耳も触った。多分寝てなかったら怒っていると思う。って言うか寝てるのか?急に耳を食べたくなった。見たからなのかわからない。自制心をなくしスイッチを入れる。恐る恐る耳に顔を近づける。もう、舌を出せば届く距離だ。さっきよりゆっくりと近づき口を開ける。噛み付こうとした瞬間誰かに呼ばれた。

「まふゆー?何してるの?」

慌てて体を起こした。目の前に瑞希と奏が居た。少し遅れてミクとリンも来た。最悪だ。さっきのを見られてしまった。瑞希たちになんて言えばいいか。絵名にバレたら絶対怒られる。

「もしかしてまふゆ。絵名の−−」

「黙って。絵名が寝てるでしょ」

「ちぇっ。後で聞くからね」

瑞希はそう言って帰ってった。恥ずかしすぎる。絵名とセカイでいちゃつくのは控えよう。絵名は寝てないと思うが起こすことにした。まず、肩を揺さぶる。起きない。頰を軽く叩いた。起きない。頬をつねった。起きない。耳を触った。起きない。耳を食べた。起きない。肩を噛んだ。起きない。首を舐めた。起きた。ん?起きた?絵名は眠そうな目を擦りながら尋ねてきた。

「ん……。まふ、ゆ。ふわぁ〜。何かあった?」

よかった。絵名はさっきのこと知らないようだった。やっぱ訂正。逃げないと。

「絵名。寝起きですまないけど、絵名の家に行きたい」

いいよ〜と何一つわかってなさそうな声でセカイから出た。

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