ドッペルゲンガー
ドッペルゲンガー 【独】Doppelgänger
自分の姿をそのまま映したかのような分身
同じ時間に別の場所に存在しており
その分身を見た者は――命を落とすという
・・・
「お前は一体誰なんだ……?」
俺は目の前に突然現れた『俺』に恐怖していた。
(ドッペルゲンガーなどと、言ってくれるなよ)
敵意を
もう一人の『俺』は冷静だ。微笑んですらいる。
「お前こそ、何者だ?」
余裕の笑顔? いや、恐らく違う。
もう一人の『俺』は恐怖を誤魔化すために
冷静を装うことで自分を保たせている。
――俺には分かる。
「……!?」
俺には、分かる。『俺』の気持ちが。
これは俺と『俺』が同一の存在だからなのか
あるいは――本当にドッペルゲンガーか。
「悪いが、目の前から消えてくれ」
俺が腰に差した刀に意識をやる。
すると『俺』はそれを見越しているように――
「止めておけ。なんの解決にもならない」
「俺はずっとここにいた。お前が突然現れたんだ」
「俺がここに来た時、確かにお前はいた」
――だが、だからといって
お前が
『俺』がそう考えているのが分かる。
やめろ、やめてくれ――!!
・・・
「げーぇ」
「なに、なに出た?」
「……また同じやつ」
少年は手の中で開封した景品から出てきた
フィギュアを見て、ため息を吐く。
今流行りの鬼退治漫画のキャラクターだ。
「マジかよぉ。これで3体目!」
少年はフィギュアを無造作に鞄に放り込み、
カプセルトイのガチャガチャに硬貨を投入する。
「ラスト!!」
「何回目のラストだよ。おこづかいなくなるぞー」
「妹ちゃんが出るまで終われねぇ……!」
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