第22話 チャイナ娘レイラン
三人はチーム戦に向け練習をするためにゲームにダイブしていた。
「ヤマトくんは銃とナイフだよね。私は刀で。……ツバキそれは?」
「盾と槍!!」
「最近モンスターを狩るゲームをしててそれにこういうのが出てくるんですよ」
「へ、へぇー……。ツバキそれで大丈夫?」
「全然へいきへいき~。見てよこれこんなにぶっといのに先端からすごいの出るんだよ!」
槍の先端がぐるぐる回り始めると光が収束し一気に放出、まるでSFの兵器のような極太ビームが海を切り裂いていった。
「そ、それ強すぎじゃない……?」
「まぁ、チャージが必要なのと撃つ際に隙があるので調整はされてるはずです」
「とりあえず関係ないものは巻き込まないようにね」
「は~い!」
ツバキはミハルとヤマトと一緒にゲームができるということでいつものよりテンションが高い様子だ。
大きなツバキの武器は基本的に使用時に出現させ移動時は消すことができる。欠点としては武器を展開する際に少しだけ時間がかかるため咄嗟の行動に弱い。
ディアンドル風の可愛い衣装だというのにもっている武器は完全にタンクの物。ツバキの好奇心が前面に出ている装備となっている。
ヤマトは前回のシミュレートモードの時と同じで特殊部隊風の衣装に身を包んでいる。服の隅々にまで仕込まれた道具の数々。メインウェポンはアサルトライフル。サブウェポンとしてハンドガンやナイフがある。
体術スキルもあるため接近戦闘でも見劣りはしない。
三人はモンスター相手でチームワークを高めるためにファンタジーな雰囲気のエリアへとやってきた。
町はNPCとプレイヤーにより賑わっている。
「この前のとこより人が多いね」
「プレイヤーもたくさん来てるからかな。武器を持った人もちらほらいるよ」
「狩りに行くならギルドに行ってみましょう。モンスターのレベルも分けられてるはずなので姉ちゃんでも戦いやすいモンスターを見つけられるはずです」
ギルドに向かうと酒場のように盛り上がっており食事をとる者や武器を調整する者、クエストを吟味する者や受付嬢と話している者などたくさんの光景が見える。
「すご~い! ほんとにこれゲームなんだよね!」
ツバキは目の前に広がる光景に興奮していた。
早速ギルドボードへ向かうと参加プレイヤーが一人でクエスト吟味している。
武器の類をもっていないチャイナドレスを身に纏った少し青味がかったお団子結びの女性があれでもないこれでもないとぼやいていた。
「ねぇ、ヤマト。クエストってのは何人でやるの?」
「一人から四人までってのがスタンダードかな。強いモンスターだと大人数でいったりするみたいだけど」
「そっか。じゃあ、誘ってくるね!」
そういうとツバキはチャイナドレスのプレイヤーのほうへと向かっていった。
「ねぇねぇ、何探してるの?」
「えっ。ああ、なるべく手ごわいモンスターと戦ってみたいんだけど、どれもこれも一人だと厳しそうでさ」
「だったら私たち一緒にやらない? うちのミハルはとっても強いよ!」
「ミハル? それってエキシビションマッチで戦ってた侍の子だよね」
「そうそう!」
「確かにそれは面白そうかも。いいよ。一緒にやろう」
ツバキはチャイナドレスのプレイヤーを誘い適当なクエストを受理してもらい戻ってきた。
「ミハルってあなただよね。私はレイラン。よろしくね」
「どうも、ミハルです。あの、どうやって戦うんですか?」
「それは見てのお楽しみ。そうだ、あまりかしこまらなくてもいいよ。そのほうが気楽だからさ」
こうして四人でクエスト進めることとなった。
クエスト内容は森に行きボスオークの討伐だ。
その道中にもさまざまなモンスターが待っているためツバキやヤマトはそこで感覚を慣らしていく。
ヤマトはいきなりボスオークでいいのかと心配していたがレイランは第一戦をプレイヤーと対峙しつつもモンスターなどで300ポイントを稼いだ実力者。
それに加えミハルも共闘とはいえ200ポイントの相手を倒すほどの実力があるためツバキがよほど変なことをしなければ問題はないと考えていた。
「じゃあ、早速出発~!」
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