第59話 リンの一日

 ギルガメシュと共に起床

 ウルクの膝の上で朝食を食べる

 エリザベスに身支度を整えてもらいギルガメシュと共に魔王城へ


 リーレンの呼びかけが優しすぎて起きないラエンをジャンプキックで起こす

 リーレンの代わりに朝の書類整理

  ギルガメシュはラエンとリーレンと朝食の支度

  リーレンはラエンの世話


  ギルガメシュ掃除

  リーレンとラエンおしゃべり


 リーレンに仕事内容のチャックをしてもらう

  ラエン朝風呂

  ギル昼の準備


 リンお昼寝

  ギルガメシュ食堂で昼食&休憩

  ラエンとリーレン昼食


 リン午後の仕事スタート

  ギルガメシュ鍛錬場で鍛錬

  ラエンとリーレンお散歩


 リーレンに仕事内容のチャックをしてもらう

  ギルガメシュ軽食準備

  ラエン軽食食べて就寝


 リンとギルガメシュ仕事終わり

  リーレン残りの仕事スタート


 リン庭園で遊ぶ

  ギルガメシュ、ビアンと談話


 リンとギルガメシュ帰宅


 夕食・風呂・就寝

 

☆──☆


「こいつ本当に泥人形か──」


 ラエンが首を捻る。

 食事をしたり遊んだり風呂に入ったり、挙句睡眠までとっている。

 プニプニのほっぺを突くといっちょ前に威嚇までしてくる。


「可愛いんだから、それでいいじゃないですか」

「まあ泥人形としての役目はちゃんとこなしているからいいんだけど……」


 ブニッと片手でその愛らしい顔をつぶすようにつまむ。


「キュ!」


 すると抗議するようにリンが鳴く。


「まるで魂があるみたいだ」

「いや、どう見てもあるでしょ」

「…………」


 そうなのだが、それを認めていいのだろうか?


「もう宰相様のお子様ということでいいんじゃないですか」


 笑いながらいったギルガメシュだったが、その笑みが途中で固まった。ラエンもその意味に気がついようでバッと仕事机に座っているリーレンを見た。


「リーレン。もしかして龍神族ってツノで増えたりするのか?」


 ジトリとした目でリーレンがそんなラエンたちを見下す。


「そんな挿し木さしぎみたいな増え方しませんよ」


 ほっと胸を撫でおろす。

 もしそんな方法で”血の呪い”まで受け継がれてしまっては大変な事態になるとこだった。


 ギルガメシュも宰相様死んだりしませんよねと、すでに半泣き顔で目を潤ませている。


「長年大切に使っていたものには魂が宿る。みたいなものじゃないですか?」

「いやこれものじゃなくてツノだし」


 確かに他のどの種族より長生きしている龍神族のツノに、獣系魔族の毛、そして鬼神族の血。まあ何が起きても不思議でないほど色々な要素が混じってはいるが。


「じゃあやはりリンは可愛いから何の問題ないということで、いいですね」


 別に可愛いことは否定はしないが、主旨は違う。


「しかしなぜリンは俺に対してだけ、こんなに攻撃的なんだ」


 リンではなくリーレンを見ながら口を尖らす。


「リーレン本当は、俺に言いたいことがあるんじゃないか」

「言いたいことなど沢山ありますよ」


 ニコリと微笑まれ逆に言わなくていいと顔をそらす。


「喧嘩できるのは血を分けた兄弟だからですよ」

「血を分けたのだから、親と思って慕ってくれてもいいんじゃないか」


 こちょこちょとリンの腹をくすぐりながら文句を垂れる。

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