最強の白龍使いはお金がない!だって魔物倒せないから。~龍もゴブ達も使い魔にしてやたら仲間が増えるんだけど…やっぱお金より愛と友情でしょ !
第5話 仲間が100人増えて住みかに食べ物に… ああ大変だぁ !!
第5話 仲間が100人増えて住みかに食べ物に… ああ大変だぁ !!
ゴブリン達は皆、僕の話を聞いて握手を求めてきたんだよ。
感動して泣いている奴も居たよ。
特にその中でも、抜群の知能を持つゴブリンジェネラルは僕から “争う前に話し合いをする” という考え方に、天地がひっくり返る程の戦慄を覚えたようだ。
見れば、さっきまで対立していたゴブリンのリーダー二人はお互いにすっかり分かり合えたようで、ずいぶん熱心に話し込んでいた。
うんうん。いい傾向だ。
すると突然、二人同時に何やら感極まったように泣きはらして僕の方に向き直ったのだ。
""リョーマの手下になりたい !!""
「えーーーー !!!! 何でそうなったーー ??」
""どうかどうか、お願いしまーーす !!""
「うーーん………… まぁいいかぁ ?」
ゴブリンジェネラルとハイゴブリンのリーダーふたりは僕に心を許し、手下になりたいと心から願った。
僕は流れで軽く受け入れてしまった。
すると、僕が(まあいいか)と思うやいなや、彼らと僕の間に金色の糸が結ばれた。
双方の同意で、テイムされたのだ。
更に、リーダーがテイムされると、その群れの仲間たちも次々とテイムされていったのだ。
100体はいるよね ?
ものすごくたくさんのゴブリンがいるけど全部テイム出来てしまった。
あれれっ ? こんな簡単にテイムできたっけ ?
リーダー達と心が通じ合えたからかな ? 我ながら驚きだ !
しかし、こんなにたくさん仲間に出来るなんてスゴく嬉しいなぁ。いったい何人までいけるのかな ?
……ということで、あろうことか、僕は突然ゴブリンの一族の長になってしまったんだ。
"君たちの名前は ?"
リーダーたちに聞いてみた。
"我々に名前などありません !"
"ええーー ? こんなにたくさんいるのに名前が無くちゃ困るよー。個性は大事だから ! 君はゴブリンジェネラルだよね ?
んーー ‼ だったら今日から金さんと名乗ってよね !!"
すると、元々ゴツい体格が更にぐぐっと逞しくなって、随分人間に近くなったんだよ。
(おお~~ !! ごりマッチョか ? )
「イヤイヤ、それどころじゃないよ ! 進化しちゃったよ」
「「「ワーワーワー !! モモモー !!」」」
ゴブリン達からはかなりの歓声が上がっている。
「命名ありがとうございます、リョーマ様。心からの忠誠を誓います」
「わーい、金さんも話せるよーになったねー ! 僕はスラクだよ」
「よろしくお願いいたします。スラク殿」
「うん、よろしくね !」
続いて、もう一方のリーダー。
"ハイゴブリンの君は、今日から銀さんと呼ぶからね !"
すると、銀さんもスラッと一回り大きくなり、細マッチョな感じで、人間っぽくなったんだよ。
「「「 ワーー !!!」」」
また、ゴブリン達から大きな歓声が上がった。
「リョーマ様、名前、ありがとう !」
「君達二人がリーダーだからね。しっかりと皆をまとめてくれよ」
「いいえ、それは困ります。リョーマ様が私たちのボスです !」
「そっか、まあね ! 僕がボスでも良いけれど、二人共、それぞれの集団のリーダーとしてサポートしてくれないかな ?」
「はい、ボス !」
……ちょっとウルボスとかぶってるなぁ、ハハハッ !
気を取り直してメイジゴブリン達には、メイト、メイヤ、メイナ、メイルと名付けたよ。
ハイゴブリンには、ハイド、ハイラ。
平ゴブリンには、ゴブゾー、ゴブキチ、ゴブ斗(ト)、ゴブ花(カ)、ゴブミ、ゴブナ、等々、頑張って名付けた。全員で100人以上いるからね。ひとりひとり名前を考えるのがメチャ大変だよ~ !!
ゴブリン達は…… ううん、ゴブリンと呼ばれたのはさっきまでで◁◁今後はゴブリン改めゴブ人と呼ぼう▷▷そのゴブ人達は自分の名前が決まって大喜びだった。
そして、下っ端ゴブ人の女の子も相当可愛く進化したし、全員が
そして、僕のステータスも跳ね上がったんだ。テイマーと使い魔はお互いの能力によってステータスが影響されるからね !
ジェネラル達の力と、メイジゴブリンの魔力の影響は大きいよな ?
金さんや銀さんなどは僕と心が通じ会うことで使い魔になったけれど、敵として一対一で戦っていたら、きっと勝てなかったと思うんだ。それくらいの自分よりも強い魔物と契約できたことはステータスにも大きく反映しているんだろう。
下っ端ゴブリンとの契約も一人一人の加算は僅かでも、数がとんでもないからステータスにも大きく影響していたんだ。
スキルも同様なんだ。僕は新しいスキルの土魔法、水魔法、弓術、剣術、槍術、回避、身体強化、威圧、
ステータスやスキルも良いけど、なにより仲間が増えたことが嬉しかった。早速ゴブ人とダークウルフの交流も始まったよ。
ウルフは、よしよしと撫でてやると喜ぶことを教えたんだ。
ゴブ人にも懐いている。良かった !
んっ ? 何だ、僕じゃ無くても懐くのか ? 浮気者め。
でも、僕が撫でた方が喜んでくれているよね ?
きっとそうだよね ?
もう、ブラシで洗ってやると喜ぶことは教えないからね。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
僕はどこにも行くあてなど無いので、ゴブ人達と一緒に暮らすことにしたんだ。
金さんの群れの住まいは大きな洞窟に入口を設けた巣穴で、中はかなり奥まで続いていた。
自然の洞窟を掘り進めて横穴の部屋がいくつも作られているが、とても汚れていてかなりキレイにそうじをする必要があった。
まずは、僕とスラクでそうじをした。
すると、見様見真似でゴブ人のみんなもそうじをし始めた。これまでの彼らは、そうじ、という概念がなかったようで、ゴミはし放題、汚れ放題だった。
少しずつ教えてあげると、完璧にはできなかったけど、前よりはずっとマシになった。
メチャクチャ汚れているところをキレイにすると、やりきった感がハンパないから、そのほうが良かったのかも知れないね。そうじ好きになるヤツもいたほどなんだ。
銀さんの群れは木を組み合わせた家らしきモノに簡易の屋根を乗せたもので、こちらはかなり改善が必要だった。少しずつ取り組もう。
しかし問題はどちらも蓄えが全く無いことだ。剣やナイフはあるのに、金目のものどころか干し肉や木の実も無いんだ !!
良く見てみるとゴブたちはみんな、ガリガリで弱っていた。いつもお腹を空かせて満足な栄養が行き渡ってないのだろうね。
どうも彼らはその日暮らしで、無ければ奪うという毎日らしい。コレだけの人数が明日食べる物も無いんだから大変だよ !
なおかつゴブ人はダークウルフよりも臭かった。
これはまずいぞと、ゴブ人を全員連れて、前に来た小川に再びやって来たんだよ。
ウルボス達は又、水浴びをしている。飽きない奴らだなぁ。
僕はスラクと一緒にゴブ人達を洗ってあげたんだ。
ゴブ人の汚れは凄かったよ。
小川の下流の色がにごるくらいの汚れだった。スゴすぎだ !
すると、ウルボス達はイソイソと下流から上流へ移動したのだ。
ウルフでも気になるのか ? スゴいな、ちょっと意外だったよ。
ウルフ達は洗ってあげてキレイになったからなぁ。
「スラクは汚いのが嫌じゃ無いのかい ?」
「全然嫌じゃないよ。汚いのがキレイになると気持ち良いよ」
この子は掃除係のかがみのような子だ。素晴らしいね。
ゴブ人はダークウルフと違って自分達でも手を使って洗えるので、教えてあげると、それなりに自分で洗えるようになったんだ。
やがて、ナワバリに戻って情報交換なんかをしていると、女子のゴブ人達がワラワラと突然やって来た。
僕の前を後ろを取り囲む。
まさか、命を狙おうって訳じゃあ無いよね ?
「シツレイシマース !」
少しだけハラハラしていると、ボクの肩と、腕に手を置きモミモミし始めた。
なんと、4、5人でマッサージをし始めたのだった。
けっこう驚いたけど彼女達は可愛いし悪い気はしないね !
「ボスの特権デスので遠慮なくどうぞ」 と金さんが言う。
「ボスは何だか良いにおいがするわ」
「素敵です❤」 などと言われ、キュッキュッと肩や太ももを揉んでくれるんだ。
あれ ? モテ期が来たか ? と調子にのってしまうよ。
あっそんなところまで…… こっちが照れてしまう。
ヤバイよ、みんな上手過ぎだろ ? 一応マッサージだからね……
△△△リョーマがモテていたのはテイムマスターの能力が彼女らに強力なチャームを放っていた為でありモテ期ではなかった。見事に勘違いだったのだ。
モテたことのない人が急にチヤホヤされると こうなってしまうのは至極当然のことだよね ! ……と、ここまでは良かった。
やがて食事も用意された。きっと彼らにとっては最大限の"おもてなし"なのだろうけど、ゴブ人の食事はそれでも粗末なものだった。だから彼らは ひ弱なんだろう。
……そうだった。のぼせていたけれど急に現実に引き戻された気がした。
僕には味気無いものだったけれど、もてなしてくれたゴブ人達に感謝していただいたよ。
そして、彼らを率いて皆に明るい未来を届けたいと強く思ったんだよね。
それからすぐに、食料の確保を最優先にして動いた。
金さんと銀さんに、今の食料を見せてもらった。
どうだったのか ?
結果は見せてもらって良かった。
少なくて、質もひどくて、やっぱりほとんどゼロだった。
予想はしていたけど、逆に見せてもらっておいて良かったよ。
ゼロならゼロと、覚悟しておいた方が良い。
すでに昼は過ぎていたけど、この日は出られる者が全員で狩りに出ることにした。女子は採集に出た。
時間も短かったこともあるけど、満足のいく量にはならなかった。
人数が多すぎるんだ。それでも、全員で等分に分けて、空きっ腹を満たすことはできた。
翌日も頑張った。ウルフの加入とゴブリンからゴブ人に一段階進化したことで、狩猟の成果は上がったはずなんだ。
この日はオークとライトボアを2体、そして鳥などの小物をたくさん狩ることができた。
途中から雨が降って、中断したのが痛かった。何とかお腹に入れることはできたけれど、満足のいく量にはとても及ばなかった。
それというのも、全員でウルフも入れて150体を超える群れを率いているのだから、必要な食料は途方も無い量になるんだ。まだまだ、全然たりないよ。
その夜、金さんと銀さんと会議をした。
その中で金さんから、全員で狩りをするのではなく、グループごとに分けてはどうかと、提案された。
それは良いね ! ということで、採用することにした。
その翌日は、金さんグループ、銀さんグループと、僕、リョーマグループに分けてウルフも3つに分け、それぞれ3人のリーダーについて狩りをした。
すると、一日晴天だったことも加味してか、その日は3倍ほどの成果を上げることができたのだ。
やっと、食べ切れないほどの獲物を獲得することができた。嬉しかった。
そして、僕が教えると、食べ切れない分は干し肉にして保存が出来るようになった。
その次の日はゴブ人の採集組と一緒に野山へ出掛けたんだ。女の子ばかりだ。
木の実やキノコ、山菜、芋、果実を見つけて食べられる物を教えると、彼女らの飲み込みは早かった。
余裕なんて全然無いけど… 頑張って集めたら、少しずつ食料事情は良くなっていくんじゃないかな ?
町から追い出された時にはお金もアイテム類も持ち出せなかったから、こうしてゼロから蓄えていくことしかできなかったんだ。
ウルフも入れれば突然に仲間が150人(頭)以上増えたのだから、今日食べるモノを揃えるというか、今この空腹を埋めるモノをかき集めるだけでも本当にギリギリだったのだ。
ゴブ人のリーダー金さん銀さんに聞いたら、これぐらいなら全然良い方で、その日その日をやりくりして、空腹をやり過ごすのが日常なのだという。
何ともひもじいよね ! こんな頼りにならないリーダーで本当に申し訳ないなぁ。
その時だ。森の奥の木陰でキノコを採っていると、コタローがしっぽでペシペシしてきた。
"あっちに悪い奴らがいるぞ"
魔狼の索敵はとてつもなく優秀なんだ。
何も言わなかったけど、やっぱり痛いからね。コタローったら、チカラ強すぎだよー !
それはそうと、僕らは採集を中断して、コタローのしっぽの指す先に行ってみた。
コタローとウルフの後を付いていき、辺りを良く調べてみると、判りにくいけどバラックのような古びた、今にも崩れそうな建物を見つけたんだ。
警戒しながら近付いて行く。
「コタロー、ここだよな、小屋の中に何人いるんだ ?」
"臭い奴8人、犬5匹、キツネ2匹だ"
ウルボスは兄貴スゲーなー、俺わかんねーわ、とか言っている。
ウルボスお前、ちょっと進化したウルフのくせにダメダメじゃん。
しかし、相手の方が数も多いし、もし戦いになったら危険だろう。
「そうすると、このメンバーじゃあ無理だね。一回帰ろうか ?」
採集には女子ゴブ人5人とやって来ていた。僕の中では、微モテ中なのだ。
"あれぐらいの奴らならモンダイない。任せろリョーマ ! 仲間を呼ぶぞ !!"
コタローは小屋から少し離れた小高い場所まで疾走して仲間を呼んだ。
「ワウォーーーーーーー !!」
しばらくすると、コタローのひと吠えでダークウルフはゾロゾロと集まって来た。
「バウバウ !」
「ナニナニ ?」
「美味しいモノある ?」
金さんと取り巻きも、ややするとそれを聞いて駆け付けた。
「悪い奴がいるようなんだ ! どうやらこの雰囲気からすると盗賊のようだね」
コタローとダークウルフ軍団は僕と連携して小屋に取り付いたんだ。
「本当に悪い奴かい ?」
"血のにおいと悪意、間違いない"
「良し ! じゃあ突入しよう !」
バキバキバキッ !!!!!
コタローが先頭でドアを破壊して侵入する。
「うおおおおおーー !!! なななな、何だコイツらは !」
「ガルガルガルー !!」
見る見るうちに小屋の中はダークウルフで
ウルフたちは僕と遊んでいる時と違ってキリッとして威圧感を放っていた。
(おおー、こんな一面もあるんだね !)
進化して単体Cランク級以上の魔物が突然、20頭も30頭も現れたのだから、盗賊達は悪夢を見ているようだろう。それはもう大慌てだったね。
「うおおお、助けてくれ !!」
「みんな、食べちゃダメだよ」
「食べないでくれー !!」
盗賊のボスらしき男にはさっそうとコタローが襲いかかった。
ボスらしき男の最初の一撃をサッとかわして、肩から首を強烈にひと噛みすると、あっさりと勝負がついた。
それでもまだ、逆転を狙って剣を握った右手で腹の辺りを斬ろうとしたが、コタローの爪撃で叩き落とされてしまった。こうなってしまうとコタローとの実力差になんの抵抗もできなかった。
やがてコタローは盗賊のボスの首をくわえたまま、ずるずると表へ引き連れて行ったよ。
なすがままだな…… 人間ああは なりたくないものだ。くわばらくわばら !
すると、それを見習うようにウルフ達も盗賊をどんどんと連れ出して行ったんだ。
コタローとウルフ達の活躍で僕達の見せ場も無く、あっと言う間に全員を
僕とゴブ人達は縛るだけたったからね。
何なら死にそうな盗賊が死なないように回復魔法を掛けるくらいしか出番がなかったくらいだよ。
せっかく僕も金さん達もステータスが上がったのに、全然良いところを見せられなくってちょっとだけ残念だったね。
ところがそれだけじゃなかったんだ。小屋の中には犬耳族5人と狐人2人が囚われていて、彼らの様子は何だかおかしかったのだ。
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