自主企画への参加ありがとうございます。
サラリーマン作家の悲哀が伝わる作品ですね…。
プロ作家の本が溢れかえっている世の中で、無名作家に過ぎない自分の作品を読んでくれる人などいるのか?
アマチュア作家の誰もが突き当たる疑問であり、壁だと思います。
極端な話を言えば、誰にも読んでもらう必要はないのかもしれません。創作活動というのは、作品を形として完成させることに意味があり、それが評価されるかどうかは二の次だと思います。
人からの評価を気にして自分らしさが損なわれてしまうくらいなら、誰にも公開せずに自分だけのものにしておいた方がいい。
私はそう自分に言い聞かせています。
そうは言っても、評価に一喜一憂してしまうのが人間なのですけれどね。
長文失礼しました。
作者からの返信
貴重なお時間でお読みいただきまして、本当にありがとうございます!
大学の頃から執筆なされているとのこと、大変うらやましく思います。
そう言えば、私も大学の頃、村上春樹さんの小説で、例えばノルウェイの森であったりハードボイルド・ワンダーランドであったりに影響されて、自分でテーブル状の架空な大地をモデルに雰囲気先行の小説を書こうとして、最初の情景描写で断念したことを思い出しました(笑)
私はそれからキチンと短編一作を終わりまで書き上げるのに、えっと……十五年くらいかかってますね、非才の身を嘆くばかりです。
「誰にも読んでもらう必要はないのかも」というところと、「完成させることに意味がある」ということ、本当に私もそう思います。
そして、「自分らしさを損なわないこと」と、「人からの評価を気にすること」、この葛藤が、人間らしくて私もとても共感します。
私が最近感じるのは、Web小説はある種、究極のコミュニケーションじゃないでしょうか。
スティーブン・キングさんも、著作の中で「これ(文章を書いて意味が通じること)はテレパシーなんだ」とおっしゃっていました。そして、村上春樹さんは「ある日、突き動かされるように一作目を書いた」とおっしゃっていました。
作品を残す中で、やはり自分にしか書けない何かを相手に伝える、ということは大変素晴らしく、かけがえのない行いなのだと感じます。
だからこそ、止められない。でも、そもそもが「伝えよう」という衝動の結果が「書くこと」なのですから、もちろん「評価=読んだ人がどのような印象を抱いたか」は気になるのは当然だと思います。そこに、私はどうしようもなく人間としての本質、生きることの美しさを感じます。まるで、何かに恋する乙女のような純粋さ、そんなものがWeb小説には溢れています。
(それだけに、実は私は感想を残すのが苦手です汗、もし相手の方から直接お聞きしてくださったら、いくらでもお伝えしたいとは常々思っているのですが。。。感想を残されている方の勇気は、本当にスゴイと私は思っています、そういう意味でも、コメント大変感謝しております)
昨今のエンタテインメントは、本当に充実しています。
ドラマ、アニメ、映画、ゲームなど、「音」「情景」「人物」まさかの「経験」まで、すべて小説媒体よりも人に伝えるのに有利なものばかりです。
ならばなぜ、人々は村上春樹さんの小説を読むのか。
私は、文章を吸収すること、それ自体に何らかの快感のようなものがあるのだと思います。そして、それはその人にしか描けない、何とも言えない香りのようなもの、筒井康隆さんはそれを「迫力」と表現していました。
先日芥川賞を受賞していた「推し、燃ゆ」も、アイドルオタクの女の子の少し暗い日常を、完全に主人公の頭の中から覗き見しているような迫力がありました。
そして、それらは作家本人にしか書き得ない魅力が詰まったものと言えるでしょう。それこそ、「自分らしさ」が小説において最も大切であることの証左の一つだと思います。(自分らしさの定義は星の数ほどありますし、先ほどの筒井康隆さんも「小説は自由に何でも表現しうる唯一の文学手法だ」と仰っていました。なので、実際には、どんな表現手法を用いているだとか、○○が上手い下手だとか、の前に、そもそも、「その人が書いた」、という事実にこそ、実は価値があるのではないか、と私は思っています)
先ほど読ませていただいた御作も、雪山の幻想的な情景と淡い恋心のコントラストが美しい文体でとても丁寧に表現されていると私は感じました。(ここなら感想をコッソリお伝えできそうです笑 完成前に星をおつけしてしまい、申し訳ありません。いつも私が星をお配りするのは、決して適当な気持ちではなくて、自分が読んだものにはもっと多くの人にも読んでもらいたいな、という気持ちの発露なのです)
実のところ、昨今は微細な情景描写や心理描写は敬遠される傾向にあるように私は思います(個人的には大変好きなのですが。。。)。どうしても語彙豊富に表現しないと陳腐な印象となってしまう気がしてしまうのですが、それだと映像作品等に比してどうしても脳内での翻訳時にストレスとなる印象があるのですね……ただ、プロの方はどなたもそれは存じ上げていて、例えば北方謙三さんの「チンギス記」は異様に軽い文体なのに、それが妙にモンゴル平原の荒涼とした雰囲気にマッチしておりますし、東野圭吾さんの「恋のゴンドラ」では若い男女のカジュアルな様子をあえてシンプルな言葉で紡いでいらっしゃいます。濃厚な文体も十分に発揮できるお二方なのに。
これは、やはり一朝一夕には真似の出来ない芸当なのだと思いますね。
おっしゃる通り、「完成させることに意味がある」というのもこの辺に尽きます。
一作完成させるごとに、違う世界が見え(る気になり)ますから。
それを積み重ねていった先に、何かがあるのだと信じていたいですよね。
そして、それは誰にも許された行いなのだと、私は思います。
小説を書いていますと、それが誰にも受け入れられないだろう恐怖を感じることもあると思いますが、それでも書かずにはおられませんよね。
誰か(優れた方はきちんと対象も絞っておられる!)が面白いと思ってくれたいいなあ、なんて夢を抱きながら、孤独に言葉を紡ぐのです。
なんだか、ラブレターみたいですよね。(書いたことはありませんが。。。笑)
誰だって、ラブレターを書いていたらそんな不安な気持ちになると思うのです。
どなたか(きっと複数の作家さん)は、「そもそも誰かに小説を読んでもらおうなど、大変傲慢なことだ」とおっしゃっていました。
大変にそのとおりだと思います。
そのなかで、一字でも、一行でも気軽に誰にでも読んでもらえるなんて、Web小説のコミュニティは、なんてありがたいところなんだろうと、私はいつも思っています。
そんな思いを表現するのに、なんだか絶妙なお題でした。
私の方こそ、とりとめもなく長文大変失礼いたしました。
コメントいただきまして、本当にありがとうございます。
またよろしくお願いいたします!
>切磋琢磨する仲間がいる前提で書かれている
切ないです(ノД`)シクシク
主人公にせめて良い執筆仲間が見つかればと思いましたー(`;ω;´)
作者からの返信
いつもありがとうございます!
そうですね、良い執筆仲間が身近にいるというのは、とても幸せなことなんだと思います。
でも、今の時代はこういったWeb小説なんてコミュニティがあるのですから、それはとても幸せなことなのかも知れません。
みんな、お互いに少しでも良いものを目指して、魂を削るように文字を刻んでいますよね。
きっと、主人公の三田さんも、もう自分は少なくとも世界に一人だけではないことには気づいていらっしゃるのだと思います。
お読みくださり、ありがとうございます!
またよろしくお願いいたします!
あの、ほんとうに、偶然だと思うのですが……タイトルとか、私の思っていたこととか、どこか重なる作品で、驚きました……。
入川 夏蘭さんとしては、「何のことだかさっぱりだ」と感じると思うのですが💦
きっと、旧星とは立場も環境もまったく異なる書き手さんなのだ、と文章から感じますが、驚いただけではなく、不思議と嬉しくて……。
作品そのものの感想にはなれませんでしたね。💦
この作品の、語り手の心情にたくさん共感しました。それだけが伝わったら幸いです!
作者からの返信
拙作をお読みいただけまして、誠にありがとうございます。
この作品はもしかしたら、純粋な作品としては二つの意味で失格なのかも知れません。
一つは、テーマとして作品を書く者の悲哀というのは、誰しもが抱く普遍的なものであり、それをあえて描くからには、強烈な個性と共に描くべきなのかもしれないと思うからです。それを個人の日記のように穏やかに描くだけでは、エンタテインメント上の価値という観点からは、いささか不足であろうかと思うのです。
いま一つは、そもそもの筆力の不足が顕著である、という点に尽きます。
つまりこの作品は、筆力の不足者が日記のごとく想いを具現化したものであり、立派なエンタテインメント作品、文学作品としての視点から俯瞰しますと、甚だ失格な作品、といえるかと思うのです。
私もいろいろな活動を通して、いっぱしの作品には膨大な記憶力、綿密な取材、徹底的な読者目線が必要なのだろう、と感じています。
それらをやりきるグリッド力含めて全てを才能という便利な言葉でくくるのなら、私にはそんなものは欠片もないし、身につけようという意欲も足りぬのだ、と思う次第なのです。
要は、自分のために作品を書いているだけ、それにも関わらず、読んでもらおうなどと甘い夢を見ている未熟者。
それが、この作品で描かれているものであり、私の本質を表している、とも言えるでしょう。
ただこの作品には、誰に見られることを約束したものでもない、草莽に埋もれる自由な創作物としては、いささかの味わいがあるのかも知れません。
……と、何を言いたいのかと言いますと、このような作品に共感の感想をお寄せいただけて大変うれしく思っています、とお伝えしたかったのでした。
ありがとうございます、皆さまの明日がまた良い日になりますように。