第60話
嘘⁉︎ 炎で溶けちゃうの? 溶接されたように凄いくっ付いていたよ! 力入れても取れなかったよ!
「余計な事を……邪魔だ。下がっていろ」
「むっ⁉︎ 酷い! 助けてあげたのに!」
内心の驚きは一切見せずに、女剣士に向かって、僕は強気に言った。
僕が苦戦していたように見えたのならば、それは勘違いだ。
まったく余計な事をしてくれた。
『シュピー‼︎』
「来るよ! 援護してあげる!」
「その必要はない。あいつはもう死んでいるも同然だ……」
女剣士が仕切り出そうとしているので、一応注意した。
でも、どうしても、戦いたいのなら止めはしない。
とりあえず、蜘蛛糸は軽いのに接着能力が異常に高い事は分かった。
魔物の足止めとしては、かなり有効な能力だと思う。
余程のパワータイプじゃないと、一度くっ付いたら、引き剥がすのは無理だろう。
友達にして、蜘蛛糸で動けなくなった魔物に小石を打つけまくって倒そう。
『シュピー! シュピー! シュピー!』
「ひゃあ~~‼︎」
女剣士に狙って、サソリ蜘蛛は三連続で蜘蛛の網糸を発射した。
身体を焼かれてお怒りのようだ。まあ、こちらとしては都合がいい。
逃げ回っている女剣士には悪いけど、総攻撃でダメージを稼ぐ事にした。
もうしばらくは囮になってもらおう。
「虎蜂! 飛針を三発だけ当てろ!」
『『ビイイ‼︎』』
上空に待機中の二匹に指示を出した。
女剣士が与えたHPダメージは974と、僕と大した差はなかった。作戦続行だ。
あとは虎蜂の飛針が三発当たれば、友達に出来る。
『シュピーッ⁉︎』
ヒューーン、ガァン‼︎ 虎蜂から発射された飛針が、サソリ蜘蛛の背中に打つかった。
飛針は刺さらずに跳ね返って、地面に落ちてしまった。
やっぱり強靭な身体なのは間違いない。防具の素材に使いたいけど……知り合いの女鍛治師の所には戻れない。
ペールラブの街に鍛治職人がいれば、そこに頼むしかないだろう。
「スキル『魔物友達化』」
『シュピー⁉︎ シュ、シュ、シュピィィィ~~~‼︎』
サソリ蜘蛛のHPが十パーセント以下になったので、素早くスキルを発動させた。
女剣士が空気を読まずに、魔法で倒したら、ここまでの苦労が台無しになってしまう。
スキルの発動と同時にサソリ蜘蛛の身体が激しく発光する。発光が徐々に収まっていく。
身体の発光が完全に終わると、サソリ蜘蛛は元気に両手のハサミを持ち上げて、僕に向かって挨拶した。
『シュピィ♪』
「よし、影で休んでいろ」
友達になったサソリ蜘蛛がズブズブと僕の影の中に沈んで消えていく。
ある程度、HP回復させたら直ぐに実戦投入だ。
「さてと……」
この間道に出現する魔物は、あとはツーハンドスネークとカラフルキャットの二種類だけだ。
ようするに蛇と猫だ。
友達交換するなら、移動用に友達にしたワイルドボアぐらいしかない。
背中に寝っ転がっていれば、寝ているうちに目的地に到着するという、タクシー代わりに使おうと思ったけど、まだ一回も使っていない。多分、一生使わない。
「ねぇ! あんたクソ雑魚でしょう!」
「はぁっ?」
女剣士がズカズカと近づいて来たと思ったら、この僕がクソ雑魚だって?
「薄々思っていたんだけど、さっきの戦闘で確信したわ! 私の時は凌辱する為に、手加減していたと思っていたけど、魔物に手加減する必要はないもんね! 使っているのは初級魔法だけだし、伝説のダークエルフだって警戒していたけど、そもそも絶滅させられた魔物なら、元々クソ雑魚じゃん!」
なるほど。僕がクソ雑魚ダークエルフだと分かったから、強気な態度に戻ったという訳か。
なるほど、なるほど。
「……でぇ? それがどうした?」
「えっ、いや、クソ雑魚……だから、偉そうに命令しないで欲しいというか、そのぉ……」
スタスタと少しも動揺する事なく、僕は女剣士に向かって行く。
僕が本当の事を言われて、動揺すると思ったのなら、大間違いだ。
もしかすると、逃げ出すと思ったのか? 地面に土下座して許しを乞うと思ったのか?
舐めるなよ。ここは街じゃない。しかも、今の戦力は五対一だ。
この僕に舐めた口を利く勇気が、まだあった事を後悔させてやる。
「サソリ蜘蛛、あの女の足に粘着糸だ」
『シュピー‼︎」
足元の影に命令を出した。
影の中から釣り針のような曲がった尻尾が現れると、白い蜘蛛網が女剣士の両足にくっ付いた。
「ひゃあ⁉︎ あわわわわわわ~~~‼︎」
「何か勘違いしているようだから教えてやる。初級魔法しか使えないんじゃない。初級魔法しか使えないんだ。中級魔法だと相手を殺してしまうからな」
「はうっ⁉︎」
動けなくなった女剣士の目の前まで行くと、手慣れた手つきで胸当ての六つの留め具を外し始めた。
パチン、パチンと全部外し終わると、胸当てを頭からスッポリと外した。
「ひゃあん⁉︎」
ムニッムニッ♡ 口は悪いが、ここは悪くはない。
黒革ジャケットのチャックも下ろして、直揉みも開始した。
「今後の為に教えておいてやる。あと抵抗しようとしたら、蜘蛛の糸でグルグル巻きにして、ここに放置するからな」
「うぅっ……」
抵抗するつもりはないとは思うけど、一応、警告はした。
女剣士が抵抗するようならば、地面に仰向けに寝かせて、両手も蜘蛛糸で拘束するつもりだ。
そうなれば、魔物の餌になるしかない。
「こうやって魔物を使役するには、ある程度のダメージを与える必要があるんだ。だから、俺は弱い攻撃しか使えない。まったく、それなのに俺がクソ雑魚だと? ハッ。笑わせてくれる」
「はふっ、あうっ、んんっ~~」
ムニッムニッ、チュパチュパ♡ と直立状態のマグロ女のおっぱいに、罰をしつこく与え続ける。
何度か経験した事で、嫌がる女性のおっぱいを揉む事に抵抗感も罪悪感も感じなくなってしまった。
感じる事が出来るのは、生乳最高という喜びだけだ。
「はぁはぁ、はふっ、はふっ……」
「時間がない。罰はおっぱいだけで許してやる。〝燃え盛れ、意思ある炎〟」
「アチチチチ‼︎」
ボォォォ‼︎ と右手から発射されたファイヤーボールが、両足の蜘蛛糸の拘束具を焼いていく。
まったく僕も甘くなったものだ。女剣士のおっぱいを弄り回しただけで許してあげた。
以前の僕なら、黒革ハーフパンツもズリ下ろしていた。
「早く防具を着ろ。出発するぞ」
「はうっ! 外したなら、着せてくれてもいいのに……」
「はぁっ? まだ反省が足りないみたいだな」
「だ、大丈夫です! 一人で出来ます!」
「ちっ……だったら何も言うんじゃない」
女は優しくしたら、直ぐにつけ上がる。
やっぱりパンツもズリ下ろして、罰を与えておくべきだった。
とりあえず、最大友達人数の四匹になったから、女剣士にトドメを刺させながらのレベル上げになる。
そうすれば、攻撃に参加した魔物からの経験値で、僕もレベルアップできるし、トドメを刺した事で、女剣士もレベルアップできる。
まあ、魔物に攻撃しただけでは、経験値が女剣士に入らないのは少し面倒だけど、トドメを刺せば入るならば、そこまでの面倒じゃないはずだ。
今日はこの間道に泊まって、レベルを2ぐらいは上げておこう。目指す風の峡谷の魔物はレベル19だ。用心しておいた方がいい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます