赤道直下サーキュレーション
@oh_shu
第1話:一撃目は唐突に。
雷に撃たれるような
何かの衝撃を喩える時に、このような表現を使うことがある。
唐突で、大きな衝撃をこのように言うのだろうか。
私の短い人生の中でこの語句がピタッと、熟練の職人が作る桐箪笥のようにハマる感覚は、二度覚えたことがある。
一つは、現実で。もう一つは、夢の中で。
現実の方はおいおい話すとして、夢の中で遭遇したその衝撃は、それが正に私の
初恋
であった。
恋愛の感情というものが、誰かを愛する感情というものが、人間という動物に宿る生殖的な本能なのだという人がいる。まあそれは正しいのかもしれないし、(そんなことがわかるような経験はしているはずもなく)自分には到底真偽がわかるはずもないのだが、それでもなぜか、これは違うのだと、弁解したくなる自分がいる。
そんな、淡い、いとも儚く、そして特に美しい散り際を見せたわけでもない、初恋の変遷を辿ってみようと思う。興味のある方はこの後もお読みいただければ幸いだ。
また、この物語は、初恋について書くだけではない。偶然にも人より少しだけ記憶が持続する自分の能力というやつを活かしながら、半生を拙文に綴ることとする。
それでは、第二話にページを進めていただけばと思う。
赤道直下サーキュレーション @oh_shu
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