第14話 ぷっぷちゃんはやれば出来る子 ①
一旦気になり出すと、頭にモヤが掛かったようになって集中しにくくなる。
これから長いこと付き合っていく相棒というべき存在が何なのか、どういう存在なのか、それを詳しく調べてみたい。どうにも気になって仕様がない。
(私達人間も神様がお造りになられた)
(人間には男と女の性別があるようにされたのに、ぷっぷちゃんには性別がないの?)
(神のシステムも神様がお造りになられたはずだから、どういう仕組みになっているのかな?)
分からなければ直接聞いてみればいいと私はぷっぷちゃんに話しかけてみた。
「ねえねえ、ぷっぷちゃんって男の子なの?女の子なの?」
「ぷっぷちゃん!どっちか教えてほしいな」
その私の疑問に答えるように画面が激しく点滅しはじめた。
だけどその行為が何が言いたいのか、それでは全然伝わらない。
ぷっぷちゃんは自分の意思で、自由に神の御声を使えるわけではなさそうで、今は単にパネル上がピカピカ光って眩しいだけだ。
「それじゃあ、わかんないよ」
「そうだ、私がそれぞれの言葉をもう一度いうから、それに反応して」
「じゃあ、いくよ」
透明なパネルは合図がわりに1回光った。
「ぷっぷちゃんは男の子」
透明なパネルはピカピカ眩しく光った。
「ぷっぷちゃんは女の子」
透明なパネルはピカピカ眩しく光った。
「どういう意味??」
「じゃあ、ぷっぷちゃんは、男の子と女の子」
透明なパネルはピカピカピカッと眩しく光った。
「ぷっぷちゃんは2人いるの??」
透明なパネルは薄くなって消えそうになる。どうやら違うようだ。
その後、何回か人数を増やして聞いてみても、画面は薄くなったままの状態をキープしている。
質問するのが飽きてきた私は、最後の質問にしようと次の言葉を問いかける。
「じゃあ、ぷっぷちゃんは沢山いるの??」
透明なパネルはかなり眩しく点滅し続けた。
「そうなんだ、ぷっぷちゃんは沢山いるのね」
「なんとなくぷっぷちゃんのことが少しわかったような気がする」
(沢山いるってことは、意識が沢山あるっとことよね)
大勢のぷっぷちゃんが私のことをサポートしてくれているようだ。
それがわかっただけでも、聞いてみた価値があった。
多分、小さなぷっぷちゃんが集合して、色々な情報を集めているイメージだと思う。
私が思い描くぷっぷちゃんは、手足の生えた小さなたまごだ。
その子達が大勢粗せ集まって、私の為に色々仕事をしているのをイメージしてみたら、なんだかほっこりしてきた。
「あんまりぷっぷちゃんのこと聞いてたら、本来の調べ物をする時間がなくなるから、またこんど、質問するね」
ぷっぷちゃんはパネルをピカッと1回光らせた。
私がパネルを直接操作しないで言葉でお願いしたら、今のぷっぷちゃんなら、なんだか出来そうに思えてくる。
(これも、結果が見てみたいから、試してみてもいいかもね)
試しに言葉を使ってぷっぷちゃんにお願いしてみる。
「じゃあ、ぷっぷちゃん、次はたまごSPを検索してみて」
いままで、ちまちまと手入力パネルを操作していたけど、ぷっぷちゃんが操作するほうが断然早く画面が切り替わる。ぷっぷちゃんにお任せしたほうがスムーズにいくことが分かった。
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────検索画面────
たまごSP 合計 190
└神代スキル(御使い)のスキルレベ
ルを上げる際に必要なポイント。
一定数のポイントを割り振ることで
スキルレベルを上げることが出来る。
また、一定数のSPを使用して未取
得スキルとポイント交換できる。
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────────────────
「ほうほう……」
(なるほどね)
レベル上げに消極的な私でも、これならできる。
これなら嫌な気分にならないですみそうだし。
怖いのが苦手だから、このやり方なら変に強がる必要もないし、戦闘に備えるために体調を管理を生真面目にしてやる必要性もない。
「ぷっぷちゃん、次はパネルに、たまごコインを検索して出してみて」
私が頼んだら、すぐに反応してパネルの画面が切り替わる。
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────検索画面────
たまごコイン 合計1000
└たまご通販で利用できるコイン。
たまごコインを一定数消費すると、
素敵なプレゼントがもらえる。
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────────────────
何なに、私は、プレゼントなんてもらったことないから、これは絶対欲しいったら欲しい。
なかなか面白そうな企画だから、積極的に参加していって必ずプレゼントをゲットしてやるぞ。
これは、またまた楽しみが増えちゃった。
どんなプレゼントがあるのか、時間があるときでも調べてみようっと。
それと、後で【たまご通販】スキルがどんな物を扱っているのか、それも確認しておこう。
「ぷっぷちゃん、お次はたまごクエストを検索してくれないかな」
私の声に反応して、自分で操作するよりも、早く画面が切り替わる。
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────検索画面────
たまごクエスト 達成5/追加10
└クエストを達成すれば、たまごSP
やたまごコイン、時には珍しいアイ
テムが貰える。是非挑戦してみよう。
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────────────────
わざわざ冒険者ギルドで登録してクエストを選ばなくていいのが気にいった。
大農場には、他の街にあるような冒険者ギルド自体が存在しない。
だから、そもそも冒険者も見かけたことが滅多にない。
当然私も冒険者なんてここで見かけたことはない。
それに、私のような奴隷が1人だけで冒険者登録ができるかわからない。
そもそも、ここにいる限り冒険者登録なんて到底かないっこないから、これはいい感じ。
こちらのほうがすぐにクエスト確認できるから断然いい。
報酬も直ぐに貰えるのが手っ取り早くていい。
「でも、どうせなら、こちらで流通しているお金も一緒に報酬でもらえるとか、普通の経験値なんかも報酬で貰えたら、もっといいんだけど……」
(そこまで高望みしちゃいけないよね)
「まあ、念のため、他のクエストも確認してみよっか」
「ぷっぷちゃん、今あるたまごクエストをパネルに表示して」
そのお願いに反応して、検索項目が上から下に流れていく。
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────検索画面────
たまごクエスト
たまごスキルを4回使用してみよう
(1/4)
報酬:たまごSP40
報酬:たまごコイン400玉
追加報酬:400ギル(NEW)
追加報酬:400経験値(NEW)
────────────
────────────────
────検索画面────
たまごクエスト
たまごを3個食べてみよう
(1/3)
報酬:たまごSP30
報酬:たまごコイン300玉
追加報酬:300ギル(NEW)
追加報酬:300経験値(NEW)
────────────
────────────────
────検索画面────
たまごクエスト
たまご魔法を1回使用してみよう
(0/1)
報酬:たまごSP10
報酬:たまごコイン100玉
追加報酬:100ギル(NEW)
追加報酬:100経験値(NEW)
────────────
────────────────
────検索画面────
たまごクエスト
【たまご創造】スキルを使用して5
種類のたまごを作ってみよう
(4/5)
報酬:たまごSP50
報酬:たまごコイン500玉
追加報酬:500ギル(NEW)
追加報酬:500経験値(NEW)
────────────
────────────────
────検索画面────
たまごクエスト
スキル取得画面を開き、たまごSP
を投入し【たまご操作】を取得しよ
う。
(0/1)
報酬:たまごSP500
報酬:たまごコイン500玉
追加報酬:500ギル(NEW)
追加報酬:500経験値(NEW)
────────────
────────────────
────検索画面────
たまごクエスト
作成したたまごを沢山の人に食べさ
せよう。
(0/100)
報酬:たまごSP10000
報酬:たまごコイン10000玉
追加報酬:10000ギル(NEW)
追加報酬:10000経験値(NEW)
────────────
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────────────────
────検索画面────
たまごクエスト
【たまご創造】スキルを100回使
用しよう
(5/100)
報酬:たまごSP10000
報酬:たまごコイン10000玉
追加報酬:10000ギル(NEW)
追加報酬:10000経験値(NEW)
────────────
────────────────
────────────────
────検索画面────
たまごクエスト
【たまご合成】スキルを100回使
用しよう
(0/100)
報酬:たまごSP10000
報酬:たまごコイン10000玉
追加報酬:10000ギル(NEW)
追加報酬:10000経験値(NEW)
────────────
────────────────
────────────────
────検索画面────
たまごクエスト
【たまご進化】スキルを100回使
用しよう
(0/100)
報酬:たまごSP10000
報酬:たまごコイン10000玉
追加報酬:10000ギル(NEW)
追加報酬:10000経験値(NEW)
────────────
────────────────
────────────────
────検索画面────
【たまご変換】スキルを100回使
用しよう
(10/100)
報酬:たまごSP10000
報酬:たまごコイン10000玉
追加報酬:10000ギル(NEW)
追加報酬:10000経験値(NEW)
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────────────────
「──うひょっ」
何気なく呟いた言葉が現実になった。追加報酬項目が追加されたことに驚いてしまった。
「1番と2番目のクエスト達成の時には、ギルが貰えなかったのに」
「まだ達成してないクエストからは、追加でギルと経験値も報酬に加わった──」
「これ、ぷっぷちゃんが対応してくれたの?」
私の言葉に反応して、1度だけパネル全体が点滅してYESのサインがあった。
「凄いよ、さすがは、私のぷっぷちゃん」
「ぷっぷちゃんはやれば出来る子だって私は信じていたよ」
「私の話したことをすぐに対応するなんて、まさに神対応」
「もう、感動しちゃった」
「仕事がめっちゃ早すぎだよ」
「これで、私が密かに企んでいた野望──夢の食っちゃ寝レベルアップの第一歩が踏み出せる」
「ありがとう♪ぷっぷちゃん♪」
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