第13話 迷宮ミッション
攻略難度 レベル3 獣系 100匹討伐
「ミッションエリアに到着しました」
「打ち合わせ通りに頼む」
「了解しました。探査ドローン、ミニチャウス展開」
僕となつ様は、最初の迷宮攻略の課題に来ています。
学園では、定期的に迷宮を攻略する必要があります。学園が調査して、難易度が設定された迷宮の攻略。
完全に攻略する必要は無く、課題を達成する必要があります。
今回は、獣系の魔物を100匹倒すと言う物。
クラスメイト3人が、今回一緒に参加しています。
2年になると、ある程度組織が出来上がっているのですが、溢れていたメンバーを強引にまとめられました。僕となつ様だけなら、レベル5に挑戦するつもりでしたが、ランクを落としました。
同行者は、佐々木愛、山田勇気、藤山力という3人。佐々木さんと山田さん、そして藤山君は生産特化のメンバーです。チーム”海の底”という不思議な名前を、あえて名乗る仲良し3人組です。
巨大ロボを作るという目的で、活動しているみたいです。戦闘力は、微妙。彼等が作った、装甲車は中々のものです。ただ、運転技術が無く、それを活かしきれていません。今回は、装甲車の試作品に乗って、後ろについてくる事になっている。
「12方位結界、作動」
12機のミニチャウスが、指定の方向に展開する。12時、時計の要領で、本体を中心に500メートル離れた場所に移動。このミッションは、草原ステージなので、遮蔽物は無い。それでも、岩などがあるので、死角はある。全方位を警戒する必要がある。
ミニチャウスは、なつ様のスキルを使用できるという特別仕様の観測機だ。存在除去、本来はこうやって使いべだったかもしれない。
機械であるから、裸という概念は必要ない。壁抜けも出来るし、ある意味、精霊みたいな存在になっている。
まだ、策定範囲が狭いので、今後の課題は色々とある。
「こちらの準備は出来ました」
「よろしくお願いします」
「・・・」
チーム海の底から通信が入る。準備は出来たみたいです。
藤山君は、無口なので声を聞いた事が無い。
「なつ様、お願い」
僕は、チャウスの後部に立ちます。蜘蛛の背中に立つ感じです。3人は、ジープに盾をつけた感じの車に乗っています。
「索敵開始」
VR表示で、索敵結果が表示されます。狼型の魔物が、周囲を包囲しています。更に、猪みたいな魔物が、こちらに突進しています。
「マグナムッ!」
威力のありそうな猪から始末します。数は5匹です。視界に入った瞬間にlマグナムを撃ち込みます。
威力が向上した事により、当たれば一撃で砕け散る。塵となり、後には魔石が残るだけ。
時々、ドロップアイテムを産み落とすのがいまだになれない。
今回、海の底のメンバーは、アイテムの改修をお願いしている。ミニチャウスは存在除去の影響で回収が出来ない。そこを悩んでいる時に、3人が話しかけてきたことで、問題が解決した。
パーティメンバーは4人が基本だけど、同盟という形式で2パーティの合同任務となっている。
「狼接近」
「お願い」
僕が攻撃しやすいように、なつ様は常に場所取りをしてくれる。マグナムの弾が切れないように、残弾数を教えてくれたり、サポートをしてくれるので助かる。
「目標数を達成しました」
「周辺に敵は?」
「猪タイプが5と狼タイプが20います」
「ついでに、倒そう」
「了解」
任務は、それ以上の結果を残しても問題が無い。今後も迷宮に入るので、出来る事はやっておこう。
特に危険な目にあうことなく、任務は終了。レベル5でも良かったですね。
2年生の間は、基本レベル3±2を目安と聞いています。海の底と一緒でも、大丈夫そうです。
「今後も、お願いしても良いですか?」
リーダの佐々木さんが、聞いてきます。今後も、協力体制を組ということで、話がまとまりました。
なつ様も、問題ないと言う事なので、同盟を結成。3人組の夢である、巨大ロボの製作も出来れば協力する事になりました。聞けば、3人の前世は別々の世界で、ロボのあった世界もあるそうです。
前世の記憶、漠然としていますが、色々な世界の人間が集められている様な気がします。
「知ってる事ある?」
「色々な可能性を、求めているそうです」
「誰が?」
「神様」
なつ様の話だと、山野家の伝承で色々と伝わっているみたいです。神様の存在は、前世では希薄だったので、今ひとつ感じません。
ですが、スキルをくれたシステムという神様が実在しているので、対応に苦慮しています。感謝して、お祈りはしていますが、神様のために身をささげる気はない。
それで良いと、なつ様は言います。
今日の迷宮で、生きていく自身が少しだけ出来ました。
3人組は、危険な目にあいませんでした。なつ様のサポートのおかげです。色々と、まだ不安があります。
強くなる為に、他の人との協力は欠かせません。それがだけが目的ではないけど、他人との縁を、増やすべきなのでしょう。
そのことを、なつ様と相談したのですが、良い顔をされませんでした。
「女の子の友達、増やしたいの?」
不機嫌ななつ様も、可愛いです。
「藤山君がいるけど?」
「りきちゃんだよ?」
「えぇ?」
「気づいていないなら、女の子目当てで、仲間にしようとしてないと信じてあげます」
「この事は・・・」
「言わない。力ちゃん、結構気にしているからね」
「反省します」
ショートカットだったし、喋らないからわからなかった。別に、女の子だからといって、同盟を組んだわけじゃない。
でも、女の子でロボを作りたいと思っているのは、珍しいのかな?海の底というネーミングセンスも、不思議だし、謎の多い3人組です。
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