第10話 ここから始まる

 この世界は、ゲームに似ている。

 レベルがあり、スキルがあり、魔法もある。

 銃もあり、メカもあり、何でもある。

 魔物がいて、迷宮があって、お宝がある。

 前世の記憶を持つプレイヤーという存在もいる。

 これは、ある意味当然の世界。

 目的があって、作られた世界だから。

 巨大な魔物を倒す為の実験場。そのための戦力を育てる世界。それが、この世界。

 過去、幾度も無く討伐を試みて、失敗した魔物。

 星喰いと呼ばれるそれは、いくつもの世界を滅ぼした。

 それに対抗すべき、高位次元の存在、システムが作り出した世界。


「作られた世界でも、生きているのだから戦おう」

 なつ様から、そう言う話を聞きました。彼女達の一族だけでなく、色々な勢力がこの事を受け止めて動いているそうです。

 なつ様と話し合った結果、一緒に戦い、生きていくとこにしました。

「この一年の成果を見せるときが来ました」

 訓練と実戦を繰り返し、少しは成長したはずです。

 1年の間に、100人いた同級生は30人ほど脱落しました。死んだもののいれば、逃げ出した人もいます。元々、向いてないといって、退学した人もいます。

 2年になると、学校の保護の下、本格的魔迷宮攻略が始まります。

 レベルにあった迷宮を攻略して、魔物を倒す。

 魔物は、星喰いに滅ばされた怨霊が実体化したもの。だから、悪意の化身。

 生きている存在を許さず、滅ぼそうとする。

 されど、無念を晴らして、星喰いを滅ぼす為に、生きている存在に手を伸ばすもの。

 その思いが、魔道具などになるという。


 この1年、なつ様の支援錬金術で、色々な道具を作ってもらいました。魔力を使い、術式を圧縮する事で、性能の良い道具を作り出すスキル。

 僕専用の銃を作ってもらいました。

 ソニックマグムと、ソニックレーザーと名付けられた2丁の銃。

 マグナムは、ハンドガン形態の銃で、一発の威力を高めたもの。特殊な弾丸を使用して、敵に当たるとその弾丸は消滅します。加速しすぎて、威力が破格となり、同士討ちの危険が増えたので、一撃必殺の銃となります。

 レーザーは、貫通するライフルです。特殊な弾丸を使い、距離を指定して貫通する攻撃をします。

 衝撃波も発生するので、複数の敵を相手にするのに有効です。

 マグナムの方が、射程距離が長いという矛盾がありますが、この2丁の銃を使い分けています。

 1年間、射撃訓練をメインに行った結果、射撃のスキルが上昇しています。

 弾丸に関しては、魔力を消費して作るスキルを得ました。

 なつ様から貰ったスキルオーブを使用して、作成しています。

 スキルオーブ、なつ様はもう1つ購入してくれましたが、それは未使用です。

 EQの作成で、僕達はそれなりの資金を得ました。

 10億を超えた資金は、スキルオーブを2つ購入して消えました。1つはなつ様が使用しています。

 なつ様の専用機、チャウスの改良にも使いましたが、スキルオーブが高騰したのは残念でした。

 大規模な戦闘が始まるみたいで、世界は緊張しています。

 元々、戦闘は得意でないなつ様は、サポートに徹してくれています。

 新しく、スキルオーブでサポート系のスキルを取得しています。

  

 仙石仁 男 レベル30 魔力 1億

 一般スキル 

 身体強化 L7 魔力制御 L5 遠見 L3 気配探知 L2

・無属性魔法 L5 威圧 L10 射撃 L10  


 特殊スキル

・加速魔法 第1階位 L5 L5倍まで次の行動を加速する。生物は不可。

・魔力回復 L10 1秒ごとに10%魔力回復

・物質変換 魔力を物質に変換する こめる魔力で出来上がるものが変化。大きさは10Cmまで。


 固有スキル

・スキル編集 1文字 残り0


 山野なつ 女 レベル 30 魔力 2000

 一般スキル

 身体強化 L3 魔力制御 L10 情報処理 L10 機械操作 L3


 特殊スキル

 支援錬金術師 第5階位 L10

 存在除去 

 情報処理 L5 情報に関する処理能力が上昇。レベルと同じ数の並列思考が可能

 

 固有スキル

 魔力吸収 L10


 今のステータスは、こうなっています。

 僕の魔力は、現時点の上限に達しています。限界を突破しないと、これ以上の数字は無いみたいです。今の目標の一つです。

 スキルレベルも、現状では10が上限みたいです。これ以上は、試練を受ける必要がる見たいです。

 卒業後ではないと駄目みたいなので、この状態で鍛えるしかありません。


「私達は、焦り過ぎみたいですよ?」

「はるさんみ言われたのですか?」

 先日あった、なつ様のもう1人のお兄さんです。人を超えた、魔人と呼ばれる存在。僕の目標の人物。

「はい、ある兄上様にそう言われました」

「そう見えるのですね・・・」

「どうしよう?」

「僕達のペースで行くしかないでしょう」

「だよね」

 ニコニコと、なつ様が笑っています。場所は僕の部屋のベットの中。

 一線は越えていませんよ?色々と、ギリギリだった事も在りますが、少し心に余裕が出来ました。

「明日から、2年生です。基礎は終わり、応用が始まる」

「パーティメンバーどうする?」

「それも、考えていかないと駄目ですよね」

 迷宮攻略、2人だけでは厳しいです。この一年で、なつ様の護衛だった一は解雇されています。先輩の中に、ヤマノ重工の関係者がいるみたいなので、その辺りを考えるか、当たらし人材を探すのか悩みます。

「で派、寝る前のお楽しみ」

「はぁ・・・。たまには、なつ様の寝顔見たいのですが?」

「駄目、恥ずかしいからそれは駄目!」

 魔力を吸い尽くされると、気絶します。毎日これなので、寝顔が見れないです。

 起きる時も、なつ様のほうが早いので、寝顔は見れません。

 朝まで一緒に寝ているのが、日常になっているの。

 これが今の僕達の日常。


 この日々を守る為、魔物と戦い続けます。

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