離反
アビスは三〇万機に及ぶ各種ドローンを自律AIと『エリゴール』にて管理していた。
配下のカプセルドにも情報を伝えて今回の超規模作戦に一五〇〇名ほどが参加した。
残りは静観か、離反ということになる。
アビスの作戦はネオエデン社の管理する複数の宇宙ステーションに襲撃をかけるというものだった。
アビスの処理機能を増大させ、また処刑装置にも変わる脳のインプラントだが、後者については『爆弾を解除』することに成功していた。
『爆弾の解除』は大規模行軍の直前である。これをやると流石に本社などにバレるので、最後の判断となった。
そして、それは始まりでもある。
ネオ・エデン社とノア社の2ステーションが宇宙警察と戦闘に入ったところで、アビスは本社から大量のドローン戦線とカプセルドを移動させた。
「私の、アビス・ステーション本体に敵戦艦が来るまでが勝負だ」
アビスはそう独り言を言った。自分の管理するステーションの防衛と、襲撃をかける敵戦力の撃滅。
このためにカネと兵器、次いでヒトの流れを徹底的に洗っていたアビスである。
アビスの頭脳も、インプラントのフェイトも、管制室のCPUも、エリゴールのAIも、全ては勝つために動いていた。
勝つなら勝つで、それでいい。
負けたら死ぬだけだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます